秘伝書はどこだ!
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尾刈斗中との試合から数日。雷門中サッカー部は全国中学サッカー大会――フットボールフロンティアの出場権利を獲得した。
とある朝、井上瑞貴は登校中に眠気に勝てなくて欠伸をしてしまう。
「ふわぁ~……そういえばシンがトリップしてから見ないなぁ~。元気にしてるかな?」
「――フットボールフロンティアだー!」
するとうしろから叫び声が聞こえてきた。誰だかわかっている瑞貴は別段慌てることなく振り向くと、予想通り――。
「おはよう守」
「あっ! おはよう瑞貴!」
急ブレーキをかけて瑞貴に挨拶してきたのは我らがサッカー部キャプテン・円堂守だ。彼は憧れのフットボールフロンティアの出場が決まってからずっとこの調子なのだ。
するとパシッと左手を取られた。瑞貴が「へっ?」と声を上げると、円堂はニカッと笑ってそのまま走り出した。
「フットボールフロンティア――ッ!!」
「守!? ちょ、みぎゃあああぁぁああ!」
――雷門中学では登校してきた生徒が大勢いてそれぞれ挨拶を交わしている。
「おはよーっス」
「おはよう」
それはサッカー部一年の壁山塀吾郎と少林寺歩も例外ではない。
「フットボールフロンティア――ッ!!」
「お願いだから少しは止まってー!」
未だに瑞貴の手をとって叫び走り回っている円堂、その二人を壁山と少林寺は見送った。
「キャプテン燃えてんなぁ」
「フットボールフロンティアだからね。でも……」
「瑞貴先輩は災難っスね……」
「――チィーッス!」
二人が苦笑しながら瑞貴と円堂が去った方向を見ると、突然声が聞こえた。少林寺が振り向くと、いつのまにか自分と壁山の間に指を二本立てている見知らぬ男子生徒がいる。
「よう。俺、土門。よろしく」
「よ、よろしく……」
土門という男子生徒に驚きながらも少林寺は挨拶を返す。
「で、校長室ってどっち?」
「もしかして転校生ですか?」
「そっ、ピッカピカの転校生!」
某CMのノリみたいに話す彼はニッと笑った。
――やっと円堂から解放された瑞貴は教室に行く前に理事長室へ寄るのが日課となっている。扉に手をかけたときはもうヘロヘロだった。
「な、夏未ちゃん……おはよう~」
「おはよう。朝から元気に走り回ってたわね」
「引っ張り回されたんだよ……」
冗談よ、と言ってクスクスと笑う雷門夏未。瑞貴は冗談云々より、あの騒動を夏未に見られたのが恥ずかしかった。
(守のバカ――ッ!!)
「瑞貴」
穴があったら入りたい、そんな気分になると夏未が呼んだ。
「頼まれていたものの結果、届いたわよ」
「ホント!?」
ガバッと顔を上げた瑞貴はさっきとは比べ物にならないくらい目を輝かせた。夏未はもう大丈夫だと知ると瑞貴に一通の封筒を渡す。
それを受けとった瑞貴は恐る恐る中の書類を見るとプルプルと震え出した。
「な、夏未ちゃん……!」
「どうだったの?」
「合格だって!」
喜ぶ瑞貴に夏未は傍で微笑ましく見ていた。
☆☆☆☆☆
放課後は帰宅部の生徒と部活動をする生徒に分けられ活動をする。それはサッカー部も例外ではない。
「みんなぁ――っ!! わかってるなぁ!?」
「「「「「オォ――ッ!!」」」」」
「とうとうフットボールフロンティアが始まるんだ!」
「「「「「オォ――ッ!!」」」」」
集まってからこんな調子で円堂を筆頭に叫ぶ部員たちに瑞貴は思わず笑う。瑞貴が入る前は部員が七人しかおらず、フットボールフロンティアどころか試合もできなかったので最初からいたメンバーは特に感慨深いだろう。
ジーンとしている円堂に、風丸一郎太が声をかける。
「で、相手はどこなんだ?」
「相手は!」
「「「「「――!」」」」」
「知らない!」
「「「「「…………」」」」」
今度は呆れたり苦笑している部員や、苦笑して頬をかく円堂に、半田真一と同じタイヤに座っていた瑞貴は溜息をついた。
「野生中ですよ……」
部室の扉が急に開いたかと思うと、顧問の冬海卓が入ってきた。
「野生中は確か……」
「昨年の地区予選の決勝で、帝国と戦っています」
「スッゲー! そんな強いチームと戦えるのか!?」
マネージャーの音無春奈の解説に円堂は初っ端から燃えていた。
「初戦大差で敗退なんてことは、勘弁してほしいですね」
「「…………」」
顧問とは思えない発言に瑞貴が眉を寄せると、円堂も同じ気持ちなのか少しムッとする。
「ああ、それから……」
「チィーッス! 俺、土門飛鳥。一応ディフェンス希望ね」
「「あっ」」
彼――土門飛鳥の登場に面識のある壁山と少林寺は声を上げた。
とある朝、井上瑞貴は登校中に眠気に勝てなくて欠伸をしてしまう。
「ふわぁ~……そういえばシンがトリップしてから見ないなぁ~。元気にしてるかな?」
「――フットボールフロンティアだー!」
するとうしろから叫び声が聞こえてきた。誰だかわかっている瑞貴は別段慌てることなく振り向くと、予想通り――。
「おはよう守」
「あっ! おはよう瑞貴!」
急ブレーキをかけて瑞貴に挨拶してきたのは我らがサッカー部キャプテン・円堂守だ。彼は憧れのフットボールフロンティアの出場が決まってからずっとこの調子なのだ。
するとパシッと左手を取られた。瑞貴が「へっ?」と声を上げると、円堂はニカッと笑ってそのまま走り出した。
「フットボールフロンティア――ッ!!」
「守!? ちょ、みぎゃあああぁぁああ!」
――雷門中学では登校してきた生徒が大勢いてそれぞれ挨拶を交わしている。
「おはよーっス」
「おはよう」
それはサッカー部一年の壁山塀吾郎と少林寺歩も例外ではない。
「フットボールフロンティア――ッ!!」
「お願いだから少しは止まってー!」
未だに瑞貴の手をとって叫び走り回っている円堂、その二人を壁山と少林寺は見送った。
「キャプテン燃えてんなぁ」
「フットボールフロンティアだからね。でも……」
「瑞貴先輩は災難っスね……」
「――チィーッス!」
二人が苦笑しながら瑞貴と円堂が去った方向を見ると、突然声が聞こえた。少林寺が振り向くと、いつのまにか自分と壁山の間に指を二本立てている見知らぬ男子生徒がいる。
「よう。俺、土門。よろしく」
「よ、よろしく……」
土門という男子生徒に驚きながらも少林寺は挨拶を返す。
「で、校長室ってどっち?」
「もしかして転校生ですか?」
「そっ、ピッカピカの転校生!」
某CMのノリみたいに話す彼はニッと笑った。
――やっと円堂から解放された瑞貴は教室に行く前に理事長室へ寄るのが日課となっている。扉に手をかけたときはもうヘロヘロだった。
「な、夏未ちゃん……おはよう~」
「おはよう。朝から元気に走り回ってたわね」
「引っ張り回されたんだよ……」
冗談よ、と言ってクスクスと笑う雷門夏未。瑞貴は冗談云々より、あの騒動を夏未に見られたのが恥ずかしかった。
(守のバカ――ッ!!)
「瑞貴」
穴があったら入りたい、そんな気分になると夏未が呼んだ。
「頼まれていたものの結果、届いたわよ」
「ホント!?」
ガバッと顔を上げた瑞貴はさっきとは比べ物にならないくらい目を輝かせた。夏未はもう大丈夫だと知ると瑞貴に一通の封筒を渡す。
それを受けとった瑞貴は恐る恐る中の書類を見るとプルプルと震え出した。
「な、夏未ちゃん……!」
「どうだったの?」
「合格だって!」
喜ぶ瑞貴に夏未は傍で微笑ましく見ていた。
☆☆☆☆☆
放課後は帰宅部の生徒と部活動をする生徒に分けられ活動をする。それはサッカー部も例外ではない。
「みんなぁ――っ!! わかってるなぁ!?」
「「「「「オォ――ッ!!」」」」」
「とうとうフットボールフロンティアが始まるんだ!」
「「「「「オォ――ッ!!」」」」」
集まってからこんな調子で円堂を筆頭に叫ぶ部員たちに瑞貴は思わず笑う。瑞貴が入る前は部員が七人しかおらず、フットボールフロンティアどころか試合もできなかったので最初からいたメンバーは特に感慨深いだろう。
ジーンとしている円堂に、風丸一郎太が声をかける。
「で、相手はどこなんだ?」
「相手は!」
「「「「「――!」」」」」
「知らない!」
「「「「「…………」」」」」
今度は呆れたり苦笑している部員や、苦笑して頬をかく円堂に、半田真一と同じタイヤに座っていた瑞貴は溜息をついた。
「野生中ですよ……」
部室の扉が急に開いたかと思うと、顧問の冬海卓が入ってきた。
「野生中は確か……」
「昨年の地区予選の決勝で、帝国と戦っています」
「スッゲー! そんな強いチームと戦えるのか!?」
マネージャーの音無春奈の解説に円堂は初っ端から燃えていた。
「初戦大差で敗退なんてことは、勘弁してほしいですね」
「「…………」」
顧問とは思えない発言に瑞貴が眉を寄せると、円堂も同じ気持ちなのか少しムッとする。
「ああ、それから……」
「チィーッス! 俺、土門飛鳥。一応ディフェンス希望ね」
「「あっ」」
彼――土門飛鳥の登場に面識のある壁山と少林寺は声を上げた。