南海の大決闘!
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「いい奴だったな、瑞貴。……瑞貴?」
「……ステキな人」
円堂が顔を覗き込むと、彼女の頬はうっすらと赤くなっている。さらに瑞貴の呟きを聞いたリカが叫び声を上げた。
「アカン! ハニーが吊り橋効果に落ちとる!」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
「「吊り橋効果?」」
みんなが盛大に驚く中、円堂と塔子は首を傾げた。我に返った瑞貴はすぐに振り向いて慌てて訂正する。
「そんなんじゃないって! それより、次の沖縄行きの船は何時なの?」
「調べてきます!」
すぐに音無春奈が港の人たちに訊きに行くと、瑞貴も着替えるためにキャラバンへ向かった。
「なあ、リカ」
「なんやキャプテン」
「さっき言ってた『吊り橋効果』ってなんだ?」
「あっ、それあたしも聞きたい」
「なんや二人共知らんのかいな? しゃーないなぁ。ええか? 想像してみ――……」
……断崖絶壁に囲まれていて、かなり高い位置にある吊り橋に乗る男女。その吊り橋はボロボロで渡れるか渡れないかの瀬戸際状態。さらに下は急激な流れの川で飛び降りるのは自殺も同然。
『アカン! ウチ、このまま死んでしまうんや!』
『大丈夫。俺がついてる!』
生か死かの状況の中、あきらめずな手を差し伸べてくれる少年。手摺りの紐が切れかけたり、床の板が落ちたり、風で吊り橋が揺れるなどの数々の困難の中、ついに二人は渡りきることができた。
『大丈夫!? 君が無事でよかった』
『ダーリン……!』
懸命に自分を守ってくれた彼に、少女は恋心が芽生える……。
「――ってなわけで、危機を助けてくれた男に女は惚れやすいっちゅうわけや!」
「ちょっと待て! なんで登場人物が一之瀬とリカなんだ!?」
「安心して、ダーリン! ウチは吊り橋やなくてもダーリンにメロメロやさかい!」
「アハハハ……」
「俺は無視かよ!?」
土門のツッコミも虚しく、リカは一之瀬にラブコールを送っている。一之瀬は苦笑いしつつ乾いた声しか出せなかった。
「瑞貴は海に落ちただけだぞ?」
「吊り橋なんかどこにもなかったじゃん?」
「あのなぁ……」
鈍感で恋愛事に疎い円堂と塔子に、リカはガクッと肩を落とした。
「だが、それは『恐怖』や無事に終わったなどの『安心感』が『相手への恋愛感情』と思い込むことがある。ある意味一種の気の迷いだな」
「鬼道! 乙女の夢をぶち壊さんといて!」
(瑞貴があいつに恋……)
円堂は先ほど瑞貴が頬を朱に染めていた姿を思い返した。あの少年は確かにカッコいい。
今まで他の人が瑞貴を好きになったことを聞いたことはあるが、瑞貴から好きになった話はなかったので、嫌な気持ちになる。
(なんだろう? この胸のモヤモヤは……)
「お待たせー!」
「こっちも聞いてきましたー!」
着替えが終わった瑞貴と船について気きに入った春奈が戻ってきた。それと同時に円堂の考えも中断して春奈に訊く。
「どうだった?」
「それが……」
春奈が伝えたのは衝撃的なことだった。
「次の船は明日ぁ!?」
「まさか一日一便とはな……」
「あんたのせいやで!」
「そんなー!」
塔子と一之瀬が驚き、リカが目金を再び責め、夏未は呆れ顔になる。
「今日はこの島に泊まるしかないわね」
「よし! 練習するぞ!」
「えっ?」
唐突に言った円堂の言葉に、土門や塔子たちは驚く。
「練習って……」
「どこで?」
円堂は黙って砂浜を指差した。
それから木を組み立てネットを張り付けてゴールを作り、ラインも引いてミニサッカーコートが完成した。
「さあやるぞ! やる気さえあれば、そこがフィールドだ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
ミニゲーム形式ですることになり、円堂、塔子、リカ、一之瀬のチームと、立向居、瑞貴、壁山、鬼道のチームで練習を始める。
「いくよ、守!」
「よーし……来い!」
最初に瑞貴がノーマルシュートをゴールに向かって打ち込む。
「パッと開かずグッと握って、ダン! ギューン! ドカーン!」
円堂の拳からゴッドハンドの拳が出るが、すぐに消えてボールはゴールに入った。
「まただ……。ギューンってなんだろう?」
「焦るな円堂。究極奥義と名付けられた技だ。簡単には覚えられるはずがない」
「そうだな。究極奥義……身につけたらどんなスゲーシュートだって防げるんだろうな……絶対に覚えてみせるぜ!」
「その意気だね。何事も努力とチャレンジ精神と好きな気持ちが大事だよ!」
「――ヒャッホォ!」
「ん?」
すると海から聞き覚えのある声が聞こえて壁山を始め全員振り向くと、これまた見覚えのある姿がサーフィンで波に乗ってやってきた。
「「あれは!」」
それはさっきの少年で、空に投げ出されたかと思ったら空中で回転して見事に覚えて着地する。
「……ステキな人」
円堂が顔を覗き込むと、彼女の頬はうっすらと赤くなっている。さらに瑞貴の呟きを聞いたリカが叫び声を上げた。
「アカン! ハニーが吊り橋効果に落ちとる!」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
「「吊り橋効果?」」
みんなが盛大に驚く中、円堂と塔子は首を傾げた。我に返った瑞貴はすぐに振り向いて慌てて訂正する。
「そんなんじゃないって! それより、次の沖縄行きの船は何時なの?」
「調べてきます!」
すぐに音無春奈が港の人たちに訊きに行くと、瑞貴も着替えるためにキャラバンへ向かった。
「なあ、リカ」
「なんやキャプテン」
「さっき言ってた『吊り橋効果』ってなんだ?」
「あっ、それあたしも聞きたい」
「なんや二人共知らんのかいな? しゃーないなぁ。ええか? 想像してみ――……」
……断崖絶壁に囲まれていて、かなり高い位置にある吊り橋に乗る男女。その吊り橋はボロボロで渡れるか渡れないかの瀬戸際状態。さらに下は急激な流れの川で飛び降りるのは自殺も同然。
『アカン! ウチ、このまま死んでしまうんや!』
『大丈夫。俺がついてる!』
生か死かの状況の中、あきらめずな手を差し伸べてくれる少年。手摺りの紐が切れかけたり、床の板が落ちたり、風で吊り橋が揺れるなどの数々の困難の中、ついに二人は渡りきることができた。
『大丈夫!? 君が無事でよかった』
『ダーリン……!』
懸命に自分を守ってくれた彼に、少女は恋心が芽生える……。
「――ってなわけで、危機を助けてくれた男に女は惚れやすいっちゅうわけや!」
「ちょっと待て! なんで登場人物が一之瀬とリカなんだ!?」
「安心して、ダーリン! ウチは吊り橋やなくてもダーリンにメロメロやさかい!」
「アハハハ……」
「俺は無視かよ!?」
土門のツッコミも虚しく、リカは一之瀬にラブコールを送っている。一之瀬は苦笑いしつつ乾いた声しか出せなかった。
「瑞貴は海に落ちただけだぞ?」
「吊り橋なんかどこにもなかったじゃん?」
「あのなぁ……」
鈍感で恋愛事に疎い円堂と塔子に、リカはガクッと肩を落とした。
「だが、それは『恐怖』や無事に終わったなどの『安心感』が『相手への恋愛感情』と思い込むことがある。ある意味一種の気の迷いだな」
「鬼道! 乙女の夢をぶち壊さんといて!」
(瑞貴があいつに恋……)
円堂は先ほど瑞貴が頬を朱に染めていた姿を思い返した。あの少年は確かにカッコいい。
今まで他の人が瑞貴を好きになったことを聞いたことはあるが、瑞貴から好きになった話はなかったので、嫌な気持ちになる。
(なんだろう? この胸のモヤモヤは……)
「お待たせー!」
「こっちも聞いてきましたー!」
着替えが終わった瑞貴と船について気きに入った春奈が戻ってきた。それと同時に円堂の考えも中断して春奈に訊く。
「どうだった?」
「それが……」
春奈が伝えたのは衝撃的なことだった。
「次の船は明日ぁ!?」
「まさか一日一便とはな……」
「あんたのせいやで!」
「そんなー!」
塔子と一之瀬が驚き、リカが目金を再び責め、夏未は呆れ顔になる。
「今日はこの島に泊まるしかないわね」
「よし! 練習するぞ!」
「えっ?」
唐突に言った円堂の言葉に、土門や塔子たちは驚く。
「練習って……」
「どこで?」
円堂は黙って砂浜を指差した。
それから木を組み立てネットを張り付けてゴールを作り、ラインも引いてミニサッカーコートが完成した。
「さあやるぞ! やる気さえあれば、そこがフィールドだ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
ミニゲーム形式ですることになり、円堂、塔子、リカ、一之瀬のチームと、立向居、瑞貴、壁山、鬼道のチームで練習を始める。
「いくよ、守!」
「よーし……来い!」
最初に瑞貴がノーマルシュートをゴールに向かって打ち込む。
「パッと開かずグッと握って、ダン! ギューン! ドカーン!」
円堂の拳からゴッドハンドの拳が出るが、すぐに消えてボールはゴールに入った。
「まただ……。ギューンってなんだろう?」
「焦るな円堂。究極奥義と名付けられた技だ。簡単には覚えられるはずがない」
「そうだな。究極奥義……身につけたらどんなスゲーシュートだって防げるんだろうな……絶対に覚えてみせるぜ!」
「その意気だね。何事も努力とチャレンジ精神と好きな気持ちが大事だよ!」
「――ヒャッホォ!」
「ん?」
すると海から聞き覚えのある声が聞こえて壁山を始め全員振り向くと、これまた見覚えのある姿がサーフィンで波に乗ってやってきた。
「「あれは!」」
それはさっきの少年で、空に投げ出されたかと思ったら空中で回転して見事に覚えて着地する。