南海の大決闘!
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福岡で風丸一郎太と栗松鉄平が離脱したが、新たに立向居勇気を仲間に加えた雷門イレブン。
響木正剛から『沖縄に炎のストライカーがいる』という情報を受け、豪炎寺修也だと確信する井上瑞貴と円堂守。だが、吉良瞳子は二人を止めた。
『待ちなさい! それが豪炎寺くんだという確証はないのよ!?』
『絶対に修也です!』
『あいつがいるなら、たとえ地球の裏側だって行きます!』
そして雷門イレブンは船で沖縄に向かうのだった。
「豪炎寺……」
「監督が先に行って、探してるんですよね?」
「そのはずだけど、まだ連絡はないわ」
雷門夏未は先に沖縄に向かった瞳子からの連絡を待っているのだが、なかなか来ないのだ。
「豪炎寺さんに会ったら、ファイアトルネードを受けてみたいです!」
「そうか! でもあいつのシュートは、そう簡単に止められないぜ」
円堂と立向居が楽しみにしている中、木野秋はまだ半信半疑でいる。
「ホントに豪炎寺くんなのかな?」
「俺は信じたいね。奴との再会を」
「う~ん、輝く太陽! 青い空! まるでウチら三人を祝福しているようやね、ダーリン、ハニー」
「「アハハハ……」」
土門飛鳥も豪炎寺との再会を望んでいると、浦部リカの熱烈アプローチに一之瀬一哉と瑞貴は苦笑した。
すると木暮夕弥が瑞貴が座っている椅子の陰に隠れる。
「夕弥?」
「ウッシッシッシッ」
「まさかまた何か――」
「見ろ!」
木暮の顔を見て瑞貴は何かイタズラしたと察すると、財前塔子が悲鳴染みた声と共に現れた。
「ベンチでウトウトしてたらこれだ!」
塔子の顔には落書きが施され、木暮の手にはマジックペンがある。
「コラッ! 夕弥!」
「ウッシッシッシッ!」
「待て! 木暮ー!」
「まったく……」
塔子が逃げ出した木暮を追いかけに行くのを見て、瑞貴は溜息を吐いた。
〈本船は次の停泊地、阿夏遠島に到着します。ご乗船お疲れ様でした〉
「――イーヤッホオォ!! 俺様に乗れねぇ波は、ねえ!」
アナウンスのあとに波と共に聞こえてきた声。それに瑞貴は反応して立ち上がる。
「瑞貴ちゃん、どうしたの?」
「今、声が……」
「声?」
「ちょっと行って来る」
秋と土門が首を傾げる中、瑞貴は声の正体を探しに甲板を離れて船の側面側に行く。
「フゥ~。暑いっスね~」
そこのベンチにいるのは壁山塀吾郎と吹雪士郎と目金欠流。壁山は汗だくで吹雪はマフラーでパタパタと仰いでいる中、目金は海に感激している。
「うわ~! サンゴですよ! サンゴ! あんなにたくさん!」
「目金さん。そんなに乗り出したら危ないっスよ」
「うわぁ――っ!!」
「危ない!」
壁山の注意も虚しく目金が落ちそうになり、瑞貴が咄嗟に腕をつかんで引き上げたが、その反動で逆に瑞貴が海に落ちてしまった。
「みぎゃー!」
「瑞貴さーん!」
壁山の悲鳴が聞こえて円堂たちも慌てて来ると、瑞貴は浮かんできた。
「ぷはっ!」
「瑞貴! 無事か!?」
「大丈夫だよ、守! 私泳げ……わぷっ!」
「「「「「瑞貴/ちゃん/先輩/さん/姉/ハニー!!」」」」」
着衣した状態なので服が水を吸って重くなっていく。瑞貴はなんとか泳ごうとしたが準備もしてなかったし、服の重さで思うように泳げない。
円堂が手摺りから身を乗り出して助けようとしたら、海の中で泳いできた少年が瑞貴を引き上げてくれた。
「大丈夫か!?」
「ケホッ。は、はい」
「このまま港まで泳ぐから、しっかりつかまってろ」
言われた通りに瑞貴は少年の首に腕を回すと、それを確認した少年は瑞貴の背中に腕を回して泳いでいく。
落ち着きを取り戻した瑞貴が顔を上げると、ピンクの髪に日焼けした黒い肌、ゴーグル越しには優しげで意思の強いツリ目が見えた。元の世界ではいつも画面越しに見ていたのに、不謹慎かもしれないが瑞貴は思わず見惚れてしまう。
「あと少しの辛抱だ。がんばれ」
「はい……」
無事に瑞貴は少年に港まで上げてもらい、船の到着と共に雷門イレブンも駆けつけてくれる。秋は瑞貴に大きいタオルを体に巻き付けてくれた。
「よかった、瑞貴ちゃん。心配したのよ」
「ありがとう、もう大丈夫だから」
「まったく。目金さんが身を乗り出したからこうなったんスよ」
「そうそう」
「ウッ!」
壁山と吹雪から冷たい目で見られた目金は肩をすくめる。それと同時に他のみんなから「原因はお前か」というような鋭い視線が目金に突き刺さった。
そんな中、円堂は瑞貴を助けてくれた少年に笑顔でお礼を言う。
「ありがとう! 君は瑞貴の命の恩人だ!」
「よせよ。礼を言われるほどじゃねぇって」
「……そうですよ。瑞貴さんだって、あれぐらい泳げたんじゃないですか?」
「バカやろう!」
「ヒッ!」
みんなから非難されたので目金は仕返しがてら言うと、少年は強い口調で怒鳴った。
「海を甘く見んな! もしかしたらこいつの命が落とされたかもしれねぇんだぞ! 海は命が生まれるところだ! 命を落とされちゃたまんねーよ!」
「はい……」
「まっ、とにかくさ。無事でなによりだ」
目金が理解してくれたとわかり、少年はウィンクして去ろうとすると……。
「あ、あの!」
「ん?」
瑞貴が立ち上がって少年を呼び止めた。それに伴ってみんなも瑞貴に注目すると、瑞貴は少年の元へ駆け寄った。
「助けてくれて、本当にありがとうございました!」
深々と瑞貴が礼をすると、少年は呆気に取られたがすぐに笑って瑞貴の頭を撫でる。
「気にすんなって。じゃあな、次は気をつけろよ」
最後にポンポンと叩き、ニカッと笑って少年は今度こそ去って行った。
響木正剛から『沖縄に炎のストライカーがいる』という情報を受け、豪炎寺修也だと確信する井上瑞貴と円堂守。だが、吉良瞳子は二人を止めた。
『待ちなさい! それが豪炎寺くんだという確証はないのよ!?』
『絶対に修也です!』
『あいつがいるなら、たとえ地球の裏側だって行きます!』
そして雷門イレブンは船で沖縄に向かうのだった。
「豪炎寺……」
「監督が先に行って、探してるんですよね?」
「そのはずだけど、まだ連絡はないわ」
雷門夏未は先に沖縄に向かった瞳子からの連絡を待っているのだが、なかなか来ないのだ。
「豪炎寺さんに会ったら、ファイアトルネードを受けてみたいです!」
「そうか! でもあいつのシュートは、そう簡単に止められないぜ」
円堂と立向居が楽しみにしている中、木野秋はまだ半信半疑でいる。
「ホントに豪炎寺くんなのかな?」
「俺は信じたいね。奴との再会を」
「う~ん、輝く太陽! 青い空! まるでウチら三人を祝福しているようやね、ダーリン、ハニー」
「「アハハハ……」」
土門飛鳥も豪炎寺との再会を望んでいると、浦部リカの熱烈アプローチに一之瀬一哉と瑞貴は苦笑した。
すると木暮夕弥が瑞貴が座っている椅子の陰に隠れる。
「夕弥?」
「ウッシッシッシッ」
「まさかまた何か――」
「見ろ!」
木暮の顔を見て瑞貴は何かイタズラしたと察すると、財前塔子が悲鳴染みた声と共に現れた。
「ベンチでウトウトしてたらこれだ!」
塔子の顔には落書きが施され、木暮の手にはマジックペンがある。
「コラッ! 夕弥!」
「ウッシッシッシッ!」
「待て! 木暮ー!」
「まったく……」
塔子が逃げ出した木暮を追いかけに行くのを見て、瑞貴は溜息を吐いた。
〈本船は次の停泊地、阿夏遠島に到着します。ご乗船お疲れ様でした〉
「――イーヤッホオォ!! 俺様に乗れねぇ波は、ねえ!」
アナウンスのあとに波と共に聞こえてきた声。それに瑞貴は反応して立ち上がる。
「瑞貴ちゃん、どうしたの?」
「今、声が……」
「声?」
「ちょっと行って来る」
秋と土門が首を傾げる中、瑞貴は声の正体を探しに甲板を離れて船の側面側に行く。
「フゥ~。暑いっスね~」
そこのベンチにいるのは壁山塀吾郎と吹雪士郎と目金欠流。壁山は汗だくで吹雪はマフラーでパタパタと仰いでいる中、目金は海に感激している。
「うわ~! サンゴですよ! サンゴ! あんなにたくさん!」
「目金さん。そんなに乗り出したら危ないっスよ」
「うわぁ――っ!!」
「危ない!」
壁山の注意も虚しく目金が落ちそうになり、瑞貴が咄嗟に腕をつかんで引き上げたが、その反動で逆に瑞貴が海に落ちてしまった。
「みぎゃー!」
「瑞貴さーん!」
壁山の悲鳴が聞こえて円堂たちも慌てて来ると、瑞貴は浮かんできた。
「ぷはっ!」
「瑞貴! 無事か!?」
「大丈夫だよ、守! 私泳げ……わぷっ!」
「「「「「瑞貴/ちゃん/先輩/さん/姉/ハニー!!」」」」」
着衣した状態なので服が水を吸って重くなっていく。瑞貴はなんとか泳ごうとしたが準備もしてなかったし、服の重さで思うように泳げない。
円堂が手摺りから身を乗り出して助けようとしたら、海の中で泳いできた少年が瑞貴を引き上げてくれた。
「大丈夫か!?」
「ケホッ。は、はい」
「このまま港まで泳ぐから、しっかりつかまってろ」
言われた通りに瑞貴は少年の首に腕を回すと、それを確認した少年は瑞貴の背中に腕を回して泳いでいく。
落ち着きを取り戻した瑞貴が顔を上げると、ピンクの髪に日焼けした黒い肌、ゴーグル越しには優しげで意思の強いツリ目が見えた。元の世界ではいつも画面越しに見ていたのに、不謹慎かもしれないが瑞貴は思わず見惚れてしまう。
「あと少しの辛抱だ。がんばれ」
「はい……」
無事に瑞貴は少年に港まで上げてもらい、船の到着と共に雷門イレブンも駆けつけてくれる。秋は瑞貴に大きいタオルを体に巻き付けてくれた。
「よかった、瑞貴ちゃん。心配したのよ」
「ありがとう、もう大丈夫だから」
「まったく。目金さんが身を乗り出したからこうなったんスよ」
「そうそう」
「ウッ!」
壁山と吹雪から冷たい目で見られた目金は肩をすくめる。それと同時に他のみんなから「原因はお前か」というような鋭い視線が目金に突き刺さった。
そんな中、円堂は瑞貴を助けてくれた少年に笑顔でお礼を言う。
「ありがとう! 君は瑞貴の命の恩人だ!」
「よせよ。礼を言われるほどじゃねぇって」
「……そうですよ。瑞貴さんだって、あれぐらい泳げたんじゃないですか?」
「バカやろう!」
「ヒッ!」
みんなから非難されたので目金は仕返しがてら言うと、少年は強い口調で怒鳴った。
「海を甘く見んな! もしかしたらこいつの命が落とされたかもしれねぇんだぞ! 海は命が生まれるところだ! 命を落とされちゃたまんねーよ!」
「はい……」
「まっ、とにかくさ。無事でなによりだ」
目金が理解してくれたとわかり、少年はウィンクして去ろうとすると……。
「あ、あの!」
「ん?」
瑞貴が立ち上がって少年を呼び止めた。それに伴ってみんなも瑞貴に注目すると、瑞貴は少年の元へ駆け寄った。
「助けてくれて、本当にありがとうございました!」
深々と瑞貴が礼をすると、少年は呆気に取られたがすぐに笑って瑞貴の頭を撫でる。
「気にすんなって。じゃあな、次は気をつけろよ」
最後にポンポンと叩き、ニカッと笑って少年は今度こそ去って行った。