キャプテンの試練!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……いつもなら、今の立向居の言葉で奮い立つんだろうな」
鬼道たちは再び屋上を見上げた。……それから夏未も秋も円堂を励まそうとしたが、円堂は何も答えなかった。
――その日、深夜の病院では……。
「アツヤじゃない……僕は吹雪士郎だ!」
うなされて起き上がった吹雪はとても息が荒い。
病室を出て行き、隣の病室のネームプレートをふと見ると、目を見開いて驚いた。そこには『井上瑞貴』と書かれているのだから。
「瑞貴ちゃん!」
中に入って奥に向かう吹雪が見たのは、点滴に繋がれて眠っている瑞貴。シーツや布団にシワがないのを見て、一度も目を覚ましていないと気づく。
「瑞貴ちゃん……。僕は……」
そのまま病室を出てトイレに向かった吹雪は、鏡に向かい合う。
「僕は吹雪士郎……アツヤじゃない……。でも…みんなが求めるのはFWのアツヤの力……。DFの吹雪士郎じゃないんだ……。どうすればいい……どうすれば……」
『お前が消えればいいんだよ』
「っつ!」
間を置いたあと、吹雪はニヤリと笑っていた。……まるでアツヤのように。
☆☆☆☆☆
さらに次の日。みんなはいつものように練習を始めていたが、財前塔子は一之瀬一哉の顔に肘をぶつけてしまい、壁山はボーッとしたままで、木暮夕弥はミスをして浦部リカに「ノリ悪いな。調子でぇへんか?」とツッコまれる。
いつものように、そのはずだが全員平気なフリをしている。特に栗松は思いつめていた。
「風丸さん…吹雪さん…瑞貴さん…キャプテン……。みんな…いなくなっていく……」
「壁山! 栗松!」
「わぁ! ははは、はいぃ!」
鬼道の呼びかけに気づいた壁山が、慌てて守備に入ろうとしたが、動かない栗松にぶつかって、さらに倒れて下敷きにしてしまった。
悲しいことが続けて起こったので、みんな練習に集中できていない。
「大丈夫スか?」
「うん……」
壁山に支えられて立ち上がる栗松は、風丸がいたポジションに顔を向ける。DFのリーダーとして支えてくれた彼の離脱に、栗松のショックは大きかった。
「みんな……」
「風丸くんが抜け、円堂くんや瑞貴まで……」
「どうなっちゃうのかな……」
秋も夏未も春奈も心配しながらピッチにいる選手を見る。
「いつもと同じように、自分が決めたメニューをこなすんだ!」
鬼道だけこんなときでも動じず、みんなに指示を与え続けて練習をしていた。
☆☆☆☆☆
翌日。新たな事件が起こった。
「大変ですー! 栗松くんがー!」
春奈の知らせを受けて、屋上にいた円堂も連れて全員キャラバンに行く。栗松がいつも座っていた席には書置きがあった。
『キャプテン、みなさん。俺もチーム、離れるでヤンス。
風丸さんが言ってた通りでヤンス。いくら練習やっても、エイリア学園には敵わないでヤンス。
もし、あのジェネシスを倒せたとしても、また新しいチームが現れるかもしれない。キリがないでヤンス。自分、もう限界でヤンス。
すみません。キャプテン、今までありがとうございましたでヤンス』
「栗松……」
「そんなの、ないっス……」
栗松の手紙には滲んだ跡があった。きっと涙を流しながら書いたに違いない。
円堂も、同じ一年で一緒にやってきた壁山も、みんなも、また一人仲間が減ったことにショックを受けた。
鬼道たちは再び屋上を見上げた。……それから夏未も秋も円堂を励まそうとしたが、円堂は何も答えなかった。
――その日、深夜の病院では……。
「アツヤじゃない……僕は吹雪士郎だ!」
うなされて起き上がった吹雪はとても息が荒い。
病室を出て行き、隣の病室のネームプレートをふと見ると、目を見開いて驚いた。そこには『井上瑞貴』と書かれているのだから。
「瑞貴ちゃん!」
中に入って奥に向かう吹雪が見たのは、点滴に繋がれて眠っている瑞貴。シーツや布団にシワがないのを見て、一度も目を覚ましていないと気づく。
「瑞貴ちゃん……。僕は……」
そのまま病室を出てトイレに向かった吹雪は、鏡に向かい合う。
「僕は吹雪士郎……アツヤじゃない……。でも…みんなが求めるのはFWのアツヤの力……。DFの吹雪士郎じゃないんだ……。どうすればいい……どうすれば……」
『お前が消えればいいんだよ』
「っつ!」
間を置いたあと、吹雪はニヤリと笑っていた。……まるでアツヤのように。
☆☆☆☆☆
さらに次の日。みんなはいつものように練習を始めていたが、財前塔子は一之瀬一哉の顔に肘をぶつけてしまい、壁山はボーッとしたままで、木暮夕弥はミスをして浦部リカに「ノリ悪いな。調子でぇへんか?」とツッコまれる。
いつものように、そのはずだが全員平気なフリをしている。特に栗松は思いつめていた。
「風丸さん…吹雪さん…瑞貴さん…キャプテン……。みんな…いなくなっていく……」
「壁山! 栗松!」
「わぁ! ははは、はいぃ!」
鬼道の呼びかけに気づいた壁山が、慌てて守備に入ろうとしたが、動かない栗松にぶつかって、さらに倒れて下敷きにしてしまった。
悲しいことが続けて起こったので、みんな練習に集中できていない。
「大丈夫スか?」
「うん……」
壁山に支えられて立ち上がる栗松は、風丸がいたポジションに顔を向ける。DFのリーダーとして支えてくれた彼の離脱に、栗松のショックは大きかった。
「みんな……」
「風丸くんが抜け、円堂くんや瑞貴まで……」
「どうなっちゃうのかな……」
秋も夏未も春奈も心配しながらピッチにいる選手を見る。
「いつもと同じように、自分が決めたメニューをこなすんだ!」
鬼道だけこんなときでも動じず、みんなに指示を与え続けて練習をしていた。
☆☆☆☆☆
翌日。新たな事件が起こった。
「大変ですー! 栗松くんがー!」
春奈の知らせを受けて、屋上にいた円堂も連れて全員キャラバンに行く。栗松がいつも座っていた席には書置きがあった。
『キャプテン、みなさん。俺もチーム、離れるでヤンス。
風丸さんが言ってた通りでヤンス。いくら練習やっても、エイリア学園には敵わないでヤンス。
もし、あのジェネシスを倒せたとしても、また新しいチームが現れるかもしれない。キリがないでヤンス。自分、もう限界でヤンス。
すみません。キャプテン、今までありがとうございましたでヤンス』
「栗松……」
「そんなの、ないっス……」
栗松の手紙には滲んだ跡があった。きっと涙を流しながら書いたに違いない。
円堂も、同じ一年で一緒にやってきた壁山も、みんなも、また一人仲間が減ったことにショックを受けた。