激震! 最強のジェネシス!!
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「そうだな。吹雪のために、瑞貴のために、そして――エイリア学園に勝つために!」
「そうやそうや! そのノリやで!」
全員が意気込んでいる中、風丸は静かに病室を出た。
「あら? あなた井上さんのチームメイトね」
「っつ!」
廊下に出ていきなり声をかけられたので、風丸は思わず過剰に反応して振り向くと看護婦がいた。
「井上さんの治療は終わったわ。まだ眠っているけど面会しても大丈夫だから」
「あっ、はい。ありがとうございます……」
風丸がお礼を言うと、看護婦は笑って通り過ぎようとしたが、風丸は「あの」と声を上げたので立ち止まった。
「俺……呼ばれているので、これから監督のとこに行かなくちゃならないんです。だから、吹雪の病室にいるみんなに代わりに伝えてくれませんか?」
「わかったわ」
看護婦は快く引き受けてくれて、吹雪の病室をノックして秋の返事を聞くと中に入った。扉は閉まったがみんなの安堵の声が聞こえてきた。だけど風丸はそのまま病院を出て行ってしまった。
一方円堂たちは瑞貴の病室に集まり、腕に点滴が繋がっているがスヤスヤと眠る瑞貴の顔を見て、とりあえずホッとする。
「よかったね、円堂くん。瑞貴ちゃんも眠っているだけで」
「ああ」
大事なく再びサッカーもできると聞いたので、秋も円堂も一安心する。
「今までの疲労が溜まってるから目が覚めるのはいつかわからないけど、今はゆっくり休みなさい。これは理事長の言葉と思ってもらって結構よ」
瑞貴の頭を撫でながら久々の台詞を言う夏未だが、その表情はとても優しいものだった。木暮も瑞貴の手を握って言う。
「瑞貴姉、俺がんばるよ。今度こそ瑞貴姉を守るから」
「あたしも。瑞貴には助けてもらった分、今度はあたしが瑞貴を助けるよ」
「ウチもや。いつかハニーとダーリンの3TOPでサッカーできるように、バンバンいくで!」
塔子もリカも瑞貴を励ますように声をかけた。リカは妙な私情が混じっているが、その根本的な『瑞貴とサッカーしたい』という気持ちはみんな同じである。
その後、各自今日は解散になった。
☆☆☆☆☆
その夜。風丸は一人瑞貴の病室に入り、ベッドのそばにある椅子に座る。瑞貴は未だ眠ったままだ。
「瑞貴……」
風丸は瑞貴の手を握る。風丸の足元にあるのは旅用の荷物。そう風丸はキャラバンを降りることにした。――限界だった。
「俺、もうダメだよ……。もうエイリア学園に勝てる気がしないんだ……」
『強くなれば、ジェネシスだってなんとかなる! もっともっと特訓して、強くなれば絶対に勝てる!』
ジェネシスと戦う前の風丸なら、円堂の言葉に賛同しただろう。だけど今の風丸にとっては円堂の言葉は重かった。終わりの見えない戦いに疲れたのだ。
「お前なら、なんて言ってくれただろう。俺を引き止めるか? それとも……何か言葉をかけてくれるか?」
『瑞貴も同じだ。影で何倍も努力し、性格上の優しさがあるからこそ、「瑞貴ならなんとかしてくれる」とな。瑞貴自身も高みを目指していたが、それがいつしか重荷になっていたのだろう』
その行動は彼女に甘えてるに過ぎない。わかっているが、自分が惹かれたのは彼女のその優しさと行動だ。
円堂が太陽なら瑞貴はヒマワリだろう。ただ明るい場所で綺麗に咲くだけじゃなくて、心を癒やしてくれる。
ジェネシスとの試合中でも、自分を気にかけて声をかけてくれた。その助言にいくらか心は軽くなったが、今まで蓄積していた気持ちを和らげるには足りなかった。
「こんなこと、俺がする資格はないが……」
風丸は瑞貴の額と握っていた手に静かにキスを落とし、荷物を持って扉の前に立つ。
「俺がお前の余計な負担になるなら、離れたほうがいい。――さよなら」
そう言い残して、風丸は振り向かずに病室を去って行った。
――風丸一郎太。イナズマキャラバンを離脱。
☆副キャプテン 今日の格言☆
気持ちで負けたら、それこそ勝てるものも勝てなくなる!
以上!!
「そうやそうや! そのノリやで!」
全員が意気込んでいる中、風丸は静かに病室を出た。
「あら? あなた井上さんのチームメイトね」
「っつ!」
廊下に出ていきなり声をかけられたので、風丸は思わず過剰に反応して振り向くと看護婦がいた。
「井上さんの治療は終わったわ。まだ眠っているけど面会しても大丈夫だから」
「あっ、はい。ありがとうございます……」
風丸がお礼を言うと、看護婦は笑って通り過ぎようとしたが、風丸は「あの」と声を上げたので立ち止まった。
「俺……呼ばれているので、これから監督のとこに行かなくちゃならないんです。だから、吹雪の病室にいるみんなに代わりに伝えてくれませんか?」
「わかったわ」
看護婦は快く引き受けてくれて、吹雪の病室をノックして秋の返事を聞くと中に入った。扉は閉まったがみんなの安堵の声が聞こえてきた。だけど風丸はそのまま病院を出て行ってしまった。
一方円堂たちは瑞貴の病室に集まり、腕に点滴が繋がっているがスヤスヤと眠る瑞貴の顔を見て、とりあえずホッとする。
「よかったね、円堂くん。瑞貴ちゃんも眠っているだけで」
「ああ」
大事なく再びサッカーもできると聞いたので、秋も円堂も一安心する。
「今までの疲労が溜まってるから目が覚めるのはいつかわからないけど、今はゆっくり休みなさい。これは理事長の言葉と思ってもらって結構よ」
瑞貴の頭を撫でながら久々の台詞を言う夏未だが、その表情はとても優しいものだった。木暮も瑞貴の手を握って言う。
「瑞貴姉、俺がんばるよ。今度こそ瑞貴姉を守るから」
「あたしも。瑞貴には助けてもらった分、今度はあたしが瑞貴を助けるよ」
「ウチもや。いつかハニーとダーリンの3TOPでサッカーできるように、バンバンいくで!」
塔子もリカも瑞貴を励ますように声をかけた。リカは妙な私情が混じっているが、その根本的な『瑞貴とサッカーしたい』という気持ちはみんな同じである。
その後、各自今日は解散になった。
☆☆☆☆☆
その夜。風丸は一人瑞貴の病室に入り、ベッドのそばにある椅子に座る。瑞貴は未だ眠ったままだ。
「瑞貴……」
風丸は瑞貴の手を握る。風丸の足元にあるのは旅用の荷物。そう風丸はキャラバンを降りることにした。――限界だった。
「俺、もうダメだよ……。もうエイリア学園に勝てる気がしないんだ……」
『強くなれば、ジェネシスだってなんとかなる! もっともっと特訓して、強くなれば絶対に勝てる!』
ジェネシスと戦う前の風丸なら、円堂の言葉に賛同しただろう。だけど今の風丸にとっては円堂の言葉は重かった。終わりの見えない戦いに疲れたのだ。
「お前なら、なんて言ってくれただろう。俺を引き止めるか? それとも……何か言葉をかけてくれるか?」
『瑞貴も同じだ。影で何倍も努力し、性格上の優しさがあるからこそ、「瑞貴ならなんとかしてくれる」とな。瑞貴自身も高みを目指していたが、それがいつしか重荷になっていたのだろう』
その行動は彼女に甘えてるに過ぎない。わかっているが、自分が惹かれたのは彼女のその優しさと行動だ。
円堂が太陽なら瑞貴はヒマワリだろう。ただ明るい場所で綺麗に咲くだけじゃなくて、心を癒やしてくれる。
ジェネシスとの試合中でも、自分を気にかけて声をかけてくれた。その助言にいくらか心は軽くなったが、今まで蓄積していた気持ちを和らげるには足りなかった。
「こんなこと、俺がする資格はないが……」
風丸は瑞貴の額と握っていた手に静かにキスを落とし、荷物を持って扉の前に立つ。
「俺がお前の余計な負担になるなら、離れたほうがいい。――さよなら」
そう言い残して、風丸は振り向かずに病室を去って行った。
――風丸一郎太。イナズマキャラバンを離脱。
☆副キャプテン 今日の格言☆
気持ちで負けたら、それこそ勝てるものも勝てなくなる!
以上!!