激震! 最強のジェネシス!!
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「なのにどうして吹雪くんを! エイリア学園に勝つためですか? エイリア学園に勝てれば、吹雪くんはどうなってもいいんですか!?」
「秋、言い過ぎだ」
「だって……!」
続けて抗議する秋を一之瀬が止める。瞳子は目を揺らせたが、再び決意するように目を閉じて顔を上げる。
「……それが私の使命です」
「監督……」
瞳子はそう言って病室を出て行った。残ったのは重い空気だけだった。
「……何々この雰囲気。ウチ、こういうの苦手なんよね。せや! みんなでパーッとお好み焼きでも食べて……」
空気をなんとかしようとしたリカだが、全員何も反応を返してくれない。リカ本人もわかっていたとはいえ、不謹慎だったので「ごめん……」と謝った。
「鬼道くん。先ほど監督に吹雪くんのことを訊いたとき、『恐らく瑞貴も』と言っていましたが、瑞貴さんもこのことを知っていたんですか?」
「「「「「あっ!」」」」」
目金が訊くと全員今度は鬼道に注目した。鬼道は両腕を組んで話してくれる。
「これは俺の推測だが……瑞貴はこの話を、恐らく吹雪から聞いたんだ。それを受け入れたから吹雪は瑞貴に懐いた。瑞貴は吹雪の人格もアツヤの人格も一人の人間として接している」
「どういうことでヤンスか?」
「別人だと理解しているからだ。その証拠に、瑞貴は普段吹雪のことを『士郎』と呼んでいるが、雰囲気が変わったときは『吹雪』と呼んでいる」
「嘘っ!」
「そういえば……」
塔子や一之瀬を始め、みんな今までのことを思い返す。瑞貴の男子に対する呼び捨ては最上級の接し方なので、誰も気に留めなかった。
「それに、瑞貴は人に頼ることをなかなかしない。口ではよく『頼りにしてる』と言ってるが、『頼る』物差しがわからないんだろう。誰に対しても、いつも負担をかけさせまいとしている。――吹雪にもな」
「「「「「!?」」」」」
「最初に吹雪がシュートを撃つ前も、自分に回すよう言っていたし、そのあと俺にパスを回してほしいと頼んできた。きっと吹雪がアツヤとの人格のバランスが危ういことに気づいていたため、負担を避けるようにしたんだろう」
鬼道はあのとき、瑞貴は自信があるから言ったと思ったが、吹雪の話や瑞貴の行動を照らし合わせると考えられることだ。
「副キャプテンという立場もあると思うが、いつも瑞貴はチームメイトを気にかけていた。プレーなら技術を磨き、精神面なら相談に乗ったり励ましたりなどな」
「そういえば大阪にいたとき、瑞貴ちゃんは全ての特訓マシンにチャレンジして、最高レベルをクリアしていたわ……」
「俺が初めて宇宙人と試合するときも、安心できるように声をかけてくれた……」
「今回倒れたのも、それらの負担が積み重なったのだろう」
秋も木暮も思い出す。その行動と言葉に救われたのは二人だけじゃない。ここにいる全員がそうだろう。円堂は悔しそうに拳を強く握る。
「なんで気づけなかったんだ……! あのとき俺が気づいてりゃ、こんなことにはならなかったんだ。瑞貴のことも、俺は相棒なのに気づかなかった……!」
「やめろ! お前のせいじゃない!」
「でも! 俺が気づいていれば――」
「これは、お前のせいでも監督のせいでもない。俺たちチームの問題だ」
「チーム……」
自分を責める円堂にそう言うと、一之瀬も呟く。
「確かに、俺たちはエターナルブリザードに頼り過ぎていた。『吹雪にさえ繋げてくれれば点を入れてくれる』と。吹雪にとって、そんな思いがかなりの重圧になっていたに違いない」
「吹雪……」
円堂は眠り続けている吹雪を見る。どの試合でも、吹雪の攻撃があれば勝てると思い込んで声をかけ、吹雪はそれに応えようとしていた。
「瑞貴も同じだ。影で何倍も努力し、性格上の優しさがあるからこそ、『瑞貴ならなんとかしてくれる』とな。瑞貴自身も高みを目指していたが、それがいつしか重荷になっていたのだろう」
大阪の練習場にいたとき、瑞貴は『自分で限界を作りたくない』と言っていた。その目標は瑞貴自身の気持ちだが、試合中もチームの精神面も支えるためにたくさん動いている。
「戦い方を考え直すべきかもしれない。吹雪のために、瑞貴のために、そして――俺たちがさらに強くなって、エイリア学園に勝つために!」
「「「「「あっ……!」」」」」
「エイリア学園を倒すために……!」
「鬼道!」
「ああ、賛成だ!」
「俺もだ!」
「賛成っス!」
「僕も賛同します!」
「ウチもや!」
塔子や円堂を始め、一之瀬も土門も壁山塀吾郎も目金もリカも、みんな鬼道の意見に賛成してくれる。……ただ一人、風丸以外は。
「秋、言い過ぎだ」
「だって……!」
続けて抗議する秋を一之瀬が止める。瞳子は目を揺らせたが、再び決意するように目を閉じて顔を上げる。
「……それが私の使命です」
「監督……」
瞳子はそう言って病室を出て行った。残ったのは重い空気だけだった。
「……何々この雰囲気。ウチ、こういうの苦手なんよね。せや! みんなでパーッとお好み焼きでも食べて……」
空気をなんとかしようとしたリカだが、全員何も反応を返してくれない。リカ本人もわかっていたとはいえ、不謹慎だったので「ごめん……」と謝った。
「鬼道くん。先ほど監督に吹雪くんのことを訊いたとき、『恐らく瑞貴も』と言っていましたが、瑞貴さんもこのことを知っていたんですか?」
「「「「「あっ!」」」」」
目金が訊くと全員今度は鬼道に注目した。鬼道は両腕を組んで話してくれる。
「これは俺の推測だが……瑞貴はこの話を、恐らく吹雪から聞いたんだ。それを受け入れたから吹雪は瑞貴に懐いた。瑞貴は吹雪の人格もアツヤの人格も一人の人間として接している」
「どういうことでヤンスか?」
「別人だと理解しているからだ。その証拠に、瑞貴は普段吹雪のことを『士郎』と呼んでいるが、雰囲気が変わったときは『吹雪』と呼んでいる」
「嘘っ!」
「そういえば……」
塔子や一之瀬を始め、みんな今までのことを思い返す。瑞貴の男子に対する呼び捨ては最上級の接し方なので、誰も気に留めなかった。
「それに、瑞貴は人に頼ることをなかなかしない。口ではよく『頼りにしてる』と言ってるが、『頼る』物差しがわからないんだろう。誰に対しても、いつも負担をかけさせまいとしている。――吹雪にもな」
「「「「「!?」」」」」
「最初に吹雪がシュートを撃つ前も、自分に回すよう言っていたし、そのあと俺にパスを回してほしいと頼んできた。きっと吹雪がアツヤとの人格のバランスが危ういことに気づいていたため、負担を避けるようにしたんだろう」
鬼道はあのとき、瑞貴は自信があるから言ったと思ったが、吹雪の話や瑞貴の行動を照らし合わせると考えられることだ。
「副キャプテンという立場もあると思うが、いつも瑞貴はチームメイトを気にかけていた。プレーなら技術を磨き、精神面なら相談に乗ったり励ましたりなどな」
「そういえば大阪にいたとき、瑞貴ちゃんは全ての特訓マシンにチャレンジして、最高レベルをクリアしていたわ……」
「俺が初めて宇宙人と試合するときも、安心できるように声をかけてくれた……」
「今回倒れたのも、それらの負担が積み重なったのだろう」
秋も木暮も思い出す。その行動と言葉に救われたのは二人だけじゃない。ここにいる全員がそうだろう。円堂は悔しそうに拳を強く握る。
「なんで気づけなかったんだ……! あのとき俺が気づいてりゃ、こんなことにはならなかったんだ。瑞貴のことも、俺は相棒なのに気づかなかった……!」
「やめろ! お前のせいじゃない!」
「でも! 俺が気づいていれば――」
「これは、お前のせいでも監督のせいでもない。俺たちチームの問題だ」
「チーム……」
自分を責める円堂にそう言うと、一之瀬も呟く。
「確かに、俺たちはエターナルブリザードに頼り過ぎていた。『吹雪にさえ繋げてくれれば点を入れてくれる』と。吹雪にとって、そんな思いがかなりの重圧になっていたに違いない」
「吹雪……」
円堂は眠り続けている吹雪を見る。どの試合でも、吹雪の攻撃があれば勝てると思い込んで声をかけ、吹雪はそれに応えようとしていた。
「瑞貴も同じだ。影で何倍も努力し、性格上の優しさがあるからこそ、『瑞貴ならなんとかしてくれる』とな。瑞貴自身も高みを目指していたが、それがいつしか重荷になっていたのだろう」
大阪の練習場にいたとき、瑞貴は『自分で限界を作りたくない』と言っていた。その目標は瑞貴自身の気持ちだが、試合中もチームの精神面も支えるためにたくさん動いている。
「戦い方を考え直すべきかもしれない。吹雪のために、瑞貴のために、そして――俺たちがさらに強くなって、エイリア学園に勝つために!」
「「「「「あっ……!」」」」」
「エイリア学園を倒すために……!」
「鬼道!」
「ああ、賛成だ!」
「俺もだ!」
「賛成っス!」
「僕も賛同します!」
「ウチもや!」
塔子や円堂を始め、一之瀬も土門も壁山塀吾郎も目金もリカも、みんな鬼道の意見に賛成してくれる。……ただ一人、風丸以外は。