激震! 最強のジェネシス!!
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――だが、ジェネシスのスピードはさらに上がり、得点は20点も差がついてしまった。
風丸も始めは瑞貴に言われた通り心で負けないようにしていたが、もうその表情には絶望しかなかった。
(何やってんだよ! お前が取りに行かなきゃ、誰が取りに行くんだよ!? ディフェンスのお前が取って、FWの俺に渡すんだ!)
(違う! FWは僕だ! 僕はここでみんなのボールを受けなきゃいけないんだ! そのためにみんなは、ああやってボールを奪おうとして……!)
『吹雪に繋ぐんだ!』
『吹雪さんに繋ぐんス!』
(違う! あれはお前にじゃない! 俺に出そうとしてるんだ! 奴らの心をよく見てみろ!)
『アツヤに繋ぐんだ!』
『アツヤに繋ぐでヤンス!』
アツヤに言われて再度フィールドを見た吹雪の瞳は揺れるが、脳裏に試合前の瑞貴の言葉がよみがえる。
『このチームには「士郎」も必要なんだよ。忘れないで』
(……そうだ。瑞貴ちゃんは違う! 瑞貴ちゃんは僕を必要としてくれる!)
(あいつが必要としているのは、『DFの士郎』だ。『FWの士郎』じゃない。現に、お前がシュートを撃とうとしたとき、あいつは自分に回すように言って止めただろう)
(…………!)
吹雪のために思ってやった瑞貴の行動が逆に仇になってしまったなど、ヒロトにボールが渡って集中していた瑞貴は気づかなかった。
《またグランへボールが渡ったー!》
「円堂!」
「させるものか!」
円堂に向かって叫ぶ瑞貴とは対象に、瑞貴はヒロトからボールを奪おうと走り出す。20点も取られてボロボロな円堂はなんとか立ち上がった。
ヒロトはうしろから追いかけてくる瑞貴と、前で構えている円堂を見て笑う。
「来い!」
「好きだよ、瑞貴ちゃん。円堂くん。君たちのその目!」
ヒロトは今までのノーマルシュートと違って、ボールを高く上げて自らも飛び、体を斜めにして撃つ。
「流星ブレード!」
ついに放たれたヒロトの必殺技。瑞貴はそれを防ごうと懸命に走っていると――。
「うおおぉぉぉおおおぉ!!」
「「「「「!?」」」」」
「「吹雪/士郎!?」」
走り出して瑞貴を追い抜いた吹雪に、みんなも、瑞貴も驚く。
しかしヒロトの流星ブレードが顔に当たり、その衝撃で吹雪は意識を失ってしまった。
「士郎!」
「吹雪! 大丈夫か!?」
「吹雪くん! 聞こえる!? 吹雪くん!」
瑞貴も円堂も木野秋も、みんな駆け寄って吹雪を心配する。そんな中風丸は離れた所で顔をうつむけていた。みんなの声も遠くに聞こえるくらい。
「勝てない……。実力が違いすぎるよ……」
「俺、救急車を呼んできます!」
いくら呼びかけても返事しない吹雪に、立向居が救急車を呼ぶためその場から離れる。すると代わるようにヒロトが吹雪の様子を窺(ウカガ)う。
「大丈夫かな……?」
「行こうぜ、グラン、こんな奴らとやってもウォーミングアップにもなりゃしない」
「!」
ハウザーの言葉は風丸にトドメを刺した。今の風丸にはジェネシスのとんでもない脅威に怯え、体が震え出す。
「士郎……――っつ、一郎太!?」
視界の端で風丸の様子を捕らえた瑞貴は駆け出そうとしたが、急に意識がブラックアウトし、体を倒してしまう。
「瑞貴ちゃん!」
「「「「「!?」」」」」
先に気づいたのはヒロトだった。ヒロトは瑞貴のそばに駆け寄り、起こそうと手を伸ばすが――。
「瑞貴に触るな!」
「!」
珍しく声を荒げた鬼道の声にヒロトは手を止める。その隙に鬼道が介抱すると瑞貴も吹雪同様意識がないと気づき、春奈に顔を向けた。
「春奈! 救急車をもう一台頼む!」
「う、うん!」
春奈は急いで立向居が向かったのと同じ方向へ駆け出した。円堂も吹雪から瑞貴のそばに駆け寄る。
「鬼道! 瑞貴は……」
「急に気を失ったようだ。この試合で何度も無茶したからな……」
「円堂くん……」
ヒロトは円堂に声をかけると、視線に気づいた瞳子に目を向け、振り向いてジェネシスのメンバーの元へ歩き出した。
「それじゃあ、またね……」
そしてジェネシスは黒い竜巻と共に消えてしまった。
風丸も始めは瑞貴に言われた通り心で負けないようにしていたが、もうその表情には絶望しかなかった。
(何やってんだよ! お前が取りに行かなきゃ、誰が取りに行くんだよ!? ディフェンスのお前が取って、FWの俺に渡すんだ!)
(違う! FWは僕だ! 僕はここでみんなのボールを受けなきゃいけないんだ! そのためにみんなは、ああやってボールを奪おうとして……!)
『吹雪に繋ぐんだ!』
『吹雪さんに繋ぐんス!』
(違う! あれはお前にじゃない! 俺に出そうとしてるんだ! 奴らの心をよく見てみろ!)
『アツヤに繋ぐんだ!』
『アツヤに繋ぐでヤンス!』
アツヤに言われて再度フィールドを見た吹雪の瞳は揺れるが、脳裏に試合前の瑞貴の言葉がよみがえる。
『このチームには「士郎」も必要なんだよ。忘れないで』
(……そうだ。瑞貴ちゃんは違う! 瑞貴ちゃんは僕を必要としてくれる!)
(あいつが必要としているのは、『DFの士郎』だ。『FWの士郎』じゃない。現に、お前がシュートを撃とうとしたとき、あいつは自分に回すように言って止めただろう)
(…………!)
吹雪のために思ってやった瑞貴の行動が逆に仇になってしまったなど、ヒロトにボールが渡って集中していた瑞貴は気づかなかった。
《またグランへボールが渡ったー!》
「円堂!」
「させるものか!」
円堂に向かって叫ぶ瑞貴とは対象に、瑞貴はヒロトからボールを奪おうと走り出す。20点も取られてボロボロな円堂はなんとか立ち上がった。
ヒロトはうしろから追いかけてくる瑞貴と、前で構えている円堂を見て笑う。
「来い!」
「好きだよ、瑞貴ちゃん。円堂くん。君たちのその目!」
ヒロトは今までのノーマルシュートと違って、ボールを高く上げて自らも飛び、体を斜めにして撃つ。
「流星ブレード!」
ついに放たれたヒロトの必殺技。瑞貴はそれを防ごうと懸命に走っていると――。
「うおおぉぉぉおおおぉ!!」
「「「「「!?」」」」」
「「吹雪/士郎!?」」
走り出して瑞貴を追い抜いた吹雪に、みんなも、瑞貴も驚く。
しかしヒロトの流星ブレードが顔に当たり、その衝撃で吹雪は意識を失ってしまった。
「士郎!」
「吹雪! 大丈夫か!?」
「吹雪くん! 聞こえる!? 吹雪くん!」
瑞貴も円堂も木野秋も、みんな駆け寄って吹雪を心配する。そんな中風丸は離れた所で顔をうつむけていた。みんなの声も遠くに聞こえるくらい。
「勝てない……。実力が違いすぎるよ……」
「俺、救急車を呼んできます!」
いくら呼びかけても返事しない吹雪に、立向居が救急車を呼ぶためその場から離れる。すると代わるようにヒロトが吹雪の様子を窺(ウカガ)う。
「大丈夫かな……?」
「行こうぜ、グラン、こんな奴らとやってもウォーミングアップにもなりゃしない」
「!」
ハウザーの言葉は風丸にトドメを刺した。今の風丸にはジェネシスのとんでもない脅威に怯え、体が震え出す。
「士郎……――っつ、一郎太!?」
視界の端で風丸の様子を捕らえた瑞貴は駆け出そうとしたが、急に意識がブラックアウトし、体を倒してしまう。
「瑞貴ちゃん!」
「「「「「!?」」」」」
先に気づいたのはヒロトだった。ヒロトは瑞貴のそばに駆け寄り、起こそうと手を伸ばすが――。
「瑞貴に触るな!」
「!」
珍しく声を荒げた鬼道の声にヒロトは手を止める。その隙に鬼道が介抱すると瑞貴も吹雪同様意識がないと気づき、春奈に顔を向けた。
「春奈! 救急車をもう一台頼む!」
「う、うん!」
春奈は急いで立向居が向かったのと同じ方向へ駆け出した。円堂も吹雪から瑞貴のそばに駆け寄る。
「鬼道! 瑞貴は……」
「急に気を失ったようだ。この試合で何度も無茶したからな……」
「円堂くん……」
ヒロトは円堂に声をかけると、視線に気づいた瞳子に目を向け、振り向いてジェネシスのメンバーの元へ歩き出した。
「それじゃあ、またね……」
そしてジェネシスは黒い竜巻と共に消えてしまった。