もうひとつのマジン・ザ・ハンド!
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そんな中、鬼道は一之瀬と土門と円堂と瑞貴の元へ近づく。
「立向居のマジン・ザ・ハンド……どう思う?」
「俺たちのシュートをば受ければ受けるほど、完成に近づいている気がするよ」
「試合の中で進化していく……まるで誰かさんみたいだな」
「ん?」
土門が円堂を見ながら言うが、当の本人はわかってなくて目を丸くする。それに瑞貴がクスクスと笑ったら、「なんで笑うんだよ?」と円堂は首を傾げた。
「ゴッドハントをモノにしたほどだ。ひょっとすると――マジン・ザ・ハンドも使えるようになるかもしれないぞ」
「ああ」
「円堂」
土門の目線の先を円堂が追ったら立向居がいた。それに気づき円堂は立向居の元へ行く。
「立向居」
「あ、あの、円堂さん。ありがとうございました!」
「オウッ。こちらこそ」
深々と頭を下げる立向居。円堂は笑いながら手を差し出すと、立向居は手をズボンで拭いてから手を重ねた。
「マジン・ザ・ハンド、お前なら絶対にできる!」
「ありがとうございます!」
二人が笑い合う中、瑞貴はふと気がついて周りを見渡す。
「士郎がいない……」
吹雪がどこにもいないことを知った瑞貴は、すぐに探しに向かった。
グラウンドにいないならキャラバンか校舎と思い、最初はキャラバンの中を見るがいない。すぐに校舎に入って探し回ると、吹雪がトイレから出てきた。
「士郎!」
「瑞貴ちゃん?」
声に気づいた吹雪が振り向くが、瑞貴は駆けていた足を止めた。
雰囲気的には『士郎』だが、瞳がグレーからオレンジになりつつある。まるで『アツヤ』みたいに……。
「士郎。私が監督に士郎はディフェンスに集中するように頼んでこようか?」
「ううん。FWに入るように言われたら、僕はFWに入る」
「でも、さっきの試合で……!」
「大丈夫」
吹雪は瑞貴の横を通り過ぎると足を止め、そして告げる。
「次の試合、『僕』がシュートを撃つから」
そう言って吹雪は歩き出した。瑞貴は顔をうつむかせて拳を握る。
「私じゃ、何もできないの……?」
悔しそうに、悲しそうに、体を震えて呟く瑞貴の言葉は――誰にも届くことはなかった。
――夜。瑞貴は校舎の陰で星空を見上げていた。
「やあ、瑞貴ちゃん」
「えっ……ヒロト?」
声をかけたヒロトに瑞貴は自分の元へ来たことに驚く。
「久しぶりだね。元気にしてた?」
「うん。そうだ、さっき円堂くんにも言ったんだけど、明日の12時、俺のチームとサッカーすることになったから」
「ヒロトのチームと……」
最近吹雪ばかり気にしてて、風丸と栗松のことを疎(オロソ)かにしてしまった。次の試合で二人は深い傷を残してしまうことになる。一時的にとはいえ――円堂にだって。
「それだけだから。じゃあ、明日ね」
「あっ、うん。おやすみ……」
去って行くヒロトに、瑞貴は挨拶をすることしかできなかった。
「立向居のマジン・ザ・ハンド……どう思う?」
「俺たちのシュートをば受ければ受けるほど、完成に近づいている気がするよ」
「試合の中で進化していく……まるで誰かさんみたいだな」
「ん?」
土門が円堂を見ながら言うが、当の本人はわかってなくて目を丸くする。それに瑞貴がクスクスと笑ったら、「なんで笑うんだよ?」と円堂は首を傾げた。
「ゴッドハントをモノにしたほどだ。ひょっとすると――マジン・ザ・ハンドも使えるようになるかもしれないぞ」
「ああ」
「円堂」
土門の目線の先を円堂が追ったら立向居がいた。それに気づき円堂は立向居の元へ行く。
「立向居」
「あ、あの、円堂さん。ありがとうございました!」
「オウッ。こちらこそ」
深々と頭を下げる立向居。円堂は笑いながら手を差し出すと、立向居は手をズボンで拭いてから手を重ねた。
「マジン・ザ・ハンド、お前なら絶対にできる!」
「ありがとうございます!」
二人が笑い合う中、瑞貴はふと気がついて周りを見渡す。
「士郎がいない……」
吹雪がどこにもいないことを知った瑞貴は、すぐに探しに向かった。
グラウンドにいないならキャラバンか校舎と思い、最初はキャラバンの中を見るがいない。すぐに校舎に入って探し回ると、吹雪がトイレから出てきた。
「士郎!」
「瑞貴ちゃん?」
声に気づいた吹雪が振り向くが、瑞貴は駆けていた足を止めた。
雰囲気的には『士郎』だが、瞳がグレーからオレンジになりつつある。まるで『アツヤ』みたいに……。
「士郎。私が監督に士郎はディフェンスに集中するように頼んでこようか?」
「ううん。FWに入るように言われたら、僕はFWに入る」
「でも、さっきの試合で……!」
「大丈夫」
吹雪は瑞貴の横を通り過ぎると足を止め、そして告げる。
「次の試合、『僕』がシュートを撃つから」
そう言って吹雪は歩き出した。瑞貴は顔をうつむかせて拳を握る。
「私じゃ、何もできないの……?」
悔しそうに、悲しそうに、体を震えて呟く瑞貴の言葉は――誰にも届くことはなかった。
――夜。瑞貴は校舎の陰で星空を見上げていた。
「やあ、瑞貴ちゃん」
「えっ……ヒロト?」
声をかけたヒロトに瑞貴は自分の元へ来たことに驚く。
「久しぶりだね。元気にしてた?」
「うん。そうだ、さっき円堂くんにも言ったんだけど、明日の12時、俺のチームとサッカーすることになったから」
「ヒロトのチームと……」
最近吹雪ばかり気にしてて、風丸と栗松のことを疎(オロソ)かにしてしまった。次の試合で二人は深い傷を残してしまうことになる。一時的にとはいえ――円堂にだって。
「それだけだから。じゃあ、明日ね」
「あっ、うん。おやすみ……」
去って行くヒロトに、瑞貴は挨拶をすることしかできなかった。