ドラゴンが出た!
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「あの監督が呪文を呟き始めてからだよな。尾刈斗中が変な動きをし出したのって」
「言われてみれば、確かに……」
「じゃあ、あの呪文に秘密が? 瑞貴ちゃんは耳を塞いでたときだけ動けたんだもの」
春奈と秋が言うと瑞貴は自分のビビリが役に立ったのか立ってないのかわからなかった。
「それと俺は3点目が入れられるとき、瑞貴が叫んだおかげで足が動けたんだ。間に合わなくて止められなかったけど……次も破れるかどうかわからない」
「なんか瑞貴先輩が何かすると起きるでヤンスね」
「こら鉄平! 冗談でも怖いからやめて!」
タイミング的には確かにそうなのだが、幽霊や呪い類が嫌いな瑞貴にとってはたまったものじゃない。
「瑞貴、何かいい方法は思いつかないか?」
「……大きな雷でも落ちれば呪いは破れるんじゃない?」
「なんだよそれ」
全員瑞貴が冗談交じりで言ったと思ったので半田に小突かれた。瑞貴はついヒントをこぼしてしまったが、彼らの様子を見るとわかってないようだ。
「答えは試合中に見つけるしかないな。とにかく、ボールを取ったらすぐFWに回してシュートチャンスを増やすんだ。まだまだ1点差、必ず逆転しようぜ!」
「お、おいっス!」
円堂が言ったおかげで壁山も返事を出せる状態になってきた。さすが我らがキャプテンだ、と瑞貴は思った。
「頼んだぜ! 豪炎寺、瑞貴、染岡」
「わかった」
「ああ。今度こそ決めてやる」
「…………」
瑞貴と染岡は返事をするが、豪炎寺は何も言わずに黙ったままだった。
――両チームはポジションに着くと後半開始のホイッスルが鳴る。
《いよいよ後半のキックオフです!》
染岡は豪炎寺にボールを渡すが、豪炎寺はなんとうしろにいる少林寺にパスを渡した。これには瑞貴以外の雷門中サッカー部も驚く。
「何してるんだ!」
「なんでファイアトルネードを撃ちに行かないんだよ、豪炎寺!」
染岡と円堂が叫ぶが豪炎寺は何も言わない。
「闇雲に撃ってても勝てない……。まだだ、まだ早いんだ」
キーパーの鉈を見ながら豪炎寺が呟いた言葉を瑞貴だけが聞こえていた。
「チッ、腰抜けめ! 少林、来い!」
染岡は少林寺に指示を出すが不乱と屍が染岡の行く手を阻む。
「染岡を抑えるつもりか!?」
どうやら尾刈斗中は染岡にも注意を回してきたようだ。まだいるとはいえ瑞貴に対しての守りも薄くなっている。
「半田さん!」
少林寺は近くにいた半田にパスを送る。受けとった半田はなんとマークされている染岡にパスを送った。染岡も取りにいこうとするが、もちろんそれは屍にブロックされた。
半田のプレーに宍戸、少林、栗松は半田に詰め寄る。
「半田先輩! なんで豪炎寺先輩にパスしないんですか!?」
「豪炎寺さん、ノーマークだったのに!」
「ウッ……、だってあいつにボール回したってシュートしないだろ! 瑞貴は相変わらずマークされてるし!」
パンパンッ!
少林寺と宍戸と半田が言い争っていると手を叩く音が聞こえた。
「こらそこ! まだ試合中なんだよ。ケンカは終わったあとで!」
瑞貴が怒りながらそう言うと渋々黙る一年組。次いで瑞貴は半田を見る。
「真一も、シュートを入れるか入れないか云々より、マークされている竜吾にパスを送ろうとしたのは判断ミスだよ」
「……すまん」
眉を下げる半田。すると染岡が声を上げた。
「お前ら、次は決める。黙って俺にパスを出せばいいんだ」
「「「…………」」」
そう言う染岡に何を思ったのか、宍戸と少林寺と栗松は顔を見合わせて頷いた。
宍戸がスローインし、少林寺がそれを受けとる。「少林、来い!」と染岡は指示を出すが、少林寺は瑞貴と豪炎寺を見合わせたあと、ボールを染岡でなく豪炎寺に渡した。半田もイラッと来たのか叫び声を上げた。
「染岡にボールを渡せ少林!」
「だって染岡さんのシュートじゃ止められてしまいます!」
「やっぱり豪炎寺さんか瑞貴さんじゃないと点は取れないでヤンス!」
「あいつら……!」
少林寺と栗松の言葉に、半田は呟きながら眉をしかめる。もちろんその行為が気に入らないのは当の本人である染岡だ。
「チッ。ボールをよこせ!」
「やめろ染岡。確かめたいことがあるんだ」
「俺がシュートを決める!」
「染岡!」
「っ……!」
染岡はボールを奪い、豪炎寺が叫んでも止めたりしない。瑞貴はその様子を見て苦虫を噛み潰したような顔をする。
「バカな連中だ」
「頼んでもないのに仲間割れを始めてくれたぜ」
幽谷と武羅渡が笑っていると、雷門エリアにいる風丸はその様子に呆れている。
「何やってんだあいつら……」
「染岡……」
しかし風丸と違って円堂はゴール前で呆れたり慌てたりする様子もなく呟くだけだった。
「くらえ! ドラゴンクラッシュ!」
しかしドラゴンクラッシュはまたゆがむ空間に止められてしまった。壁山を除く一年組はやっぱり、という顔をしていた。
「この程度のシュート……何本撃とうが俺には通用せん……」
ボールを弄びながら鉈が余裕そうに言う。
「俺のドラゴンクラッシュが……この程度だと……!」
すっかり意気消沈してしまったのか、染岡は地面に膝と手を付く。
「竜吾……」
「それじゃあそろそろ――ジ・エンドにしてやろか! てめぇら!ゴーストロックだ!」
「「「オウッ!」」」
残り時間を確認した地木流が再び豹変する。鉈が月村にパスを渡すと月村を始めとするFWが上がって行く。
「ゴーストロックが来るぞ……!」
「みんな戻れ!」
円堂はゴーストロックを警戒し、風丸はMFとDFに戻るよう指示をする。
「言われてみれば、確かに……」
「じゃあ、あの呪文に秘密が? 瑞貴ちゃんは耳を塞いでたときだけ動けたんだもの」
春奈と秋が言うと瑞貴は自分のビビリが役に立ったのか立ってないのかわからなかった。
「それと俺は3点目が入れられるとき、瑞貴が叫んだおかげで足が動けたんだ。間に合わなくて止められなかったけど……次も破れるかどうかわからない」
「なんか瑞貴先輩が何かすると起きるでヤンスね」
「こら鉄平! 冗談でも怖いからやめて!」
タイミング的には確かにそうなのだが、幽霊や呪い類が嫌いな瑞貴にとってはたまったものじゃない。
「瑞貴、何かいい方法は思いつかないか?」
「……大きな雷でも落ちれば呪いは破れるんじゃない?」
「なんだよそれ」
全員瑞貴が冗談交じりで言ったと思ったので半田に小突かれた。瑞貴はついヒントをこぼしてしまったが、彼らの様子を見るとわかってないようだ。
「答えは試合中に見つけるしかないな。とにかく、ボールを取ったらすぐFWに回してシュートチャンスを増やすんだ。まだまだ1点差、必ず逆転しようぜ!」
「お、おいっス!」
円堂が言ったおかげで壁山も返事を出せる状態になってきた。さすが我らがキャプテンだ、と瑞貴は思った。
「頼んだぜ! 豪炎寺、瑞貴、染岡」
「わかった」
「ああ。今度こそ決めてやる」
「…………」
瑞貴と染岡は返事をするが、豪炎寺は何も言わずに黙ったままだった。
――両チームはポジションに着くと後半開始のホイッスルが鳴る。
《いよいよ後半のキックオフです!》
染岡は豪炎寺にボールを渡すが、豪炎寺はなんとうしろにいる少林寺にパスを渡した。これには瑞貴以外の雷門中サッカー部も驚く。
「何してるんだ!」
「なんでファイアトルネードを撃ちに行かないんだよ、豪炎寺!」
染岡と円堂が叫ぶが豪炎寺は何も言わない。
「闇雲に撃ってても勝てない……。まだだ、まだ早いんだ」
キーパーの鉈を見ながら豪炎寺が呟いた言葉を瑞貴だけが聞こえていた。
「チッ、腰抜けめ! 少林、来い!」
染岡は少林寺に指示を出すが不乱と屍が染岡の行く手を阻む。
「染岡を抑えるつもりか!?」
どうやら尾刈斗中は染岡にも注意を回してきたようだ。まだいるとはいえ瑞貴に対しての守りも薄くなっている。
「半田さん!」
少林寺は近くにいた半田にパスを送る。受けとった半田はなんとマークされている染岡にパスを送った。染岡も取りにいこうとするが、もちろんそれは屍にブロックされた。
半田のプレーに宍戸、少林、栗松は半田に詰め寄る。
「半田先輩! なんで豪炎寺先輩にパスしないんですか!?」
「豪炎寺さん、ノーマークだったのに!」
「ウッ……、だってあいつにボール回したってシュートしないだろ! 瑞貴は相変わらずマークされてるし!」
パンパンッ!
少林寺と宍戸と半田が言い争っていると手を叩く音が聞こえた。
「こらそこ! まだ試合中なんだよ。ケンカは終わったあとで!」
瑞貴が怒りながらそう言うと渋々黙る一年組。次いで瑞貴は半田を見る。
「真一も、シュートを入れるか入れないか云々より、マークされている竜吾にパスを送ろうとしたのは判断ミスだよ」
「……すまん」
眉を下げる半田。すると染岡が声を上げた。
「お前ら、次は決める。黙って俺にパスを出せばいいんだ」
「「「…………」」」
そう言う染岡に何を思ったのか、宍戸と少林寺と栗松は顔を見合わせて頷いた。
宍戸がスローインし、少林寺がそれを受けとる。「少林、来い!」と染岡は指示を出すが、少林寺は瑞貴と豪炎寺を見合わせたあと、ボールを染岡でなく豪炎寺に渡した。半田もイラッと来たのか叫び声を上げた。
「染岡にボールを渡せ少林!」
「だって染岡さんのシュートじゃ止められてしまいます!」
「やっぱり豪炎寺さんか瑞貴さんじゃないと点は取れないでヤンス!」
「あいつら……!」
少林寺と栗松の言葉に、半田は呟きながら眉をしかめる。もちろんその行為が気に入らないのは当の本人である染岡だ。
「チッ。ボールをよこせ!」
「やめろ染岡。確かめたいことがあるんだ」
「俺がシュートを決める!」
「染岡!」
「っ……!」
染岡はボールを奪い、豪炎寺が叫んでも止めたりしない。瑞貴はその様子を見て苦虫を噛み潰したような顔をする。
「バカな連中だ」
「頼んでもないのに仲間割れを始めてくれたぜ」
幽谷と武羅渡が笑っていると、雷門エリアにいる風丸はその様子に呆れている。
「何やってんだあいつら……」
「染岡……」
しかし風丸と違って円堂はゴール前で呆れたり慌てたりする様子もなく呟くだけだった。
「くらえ! ドラゴンクラッシュ!」
しかしドラゴンクラッシュはまたゆがむ空間に止められてしまった。壁山を除く一年組はやっぱり、という顔をしていた。
「この程度のシュート……何本撃とうが俺には通用せん……」
ボールを弄びながら鉈が余裕そうに言う。
「俺のドラゴンクラッシュが……この程度だと……!」
すっかり意気消沈してしまったのか、染岡は地面に膝と手を付く。
「竜吾……」
「それじゃあそろそろ――ジ・エンドにしてやろか! てめぇら!ゴーストロックだ!」
「「「オウッ!」」」
残り時間を確認した地木流が再び豹変する。鉈が月村にパスを渡すと月村を始めとするFWが上がって行く。
「ゴーストロックが来るぞ……!」
「みんな戻れ!」
円堂はゴーストロックを警戒し、風丸はMFとDFに戻るよう指示をする。