じいちゃんの究極奥義!
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陽花戸中の校長室に移動し、ソファに夏未と円堂と瑞貴、その向かいに校長、二つのソファの横にある別の椅子に瞳子が座る。
「聞かせてください。じいちゃんの話」
「よかよか。大介は、情熱がスパークするサッカーバカやったばい。寝ても覚めても、サッカーのことしか考えんかったとよ」
校長は昔、大介とサッカーして過ごした日々を思い出す。
……山の頂上をゴールにしてドリブルをしながら競争したが、結果はほとんど引き分け。相手が自分より速かったら十倍、百倍、千倍速くなると言い合っていたこともあった。
知られざる大介の武勇伝に、瑞貴と夏未と瞳子は驚き、円堂は目をキラキラ輝かせていた。
「それだけやなかぞ。よく二人で猪狩りばしたもんたい」
「「「猪!?」」」
「大介が倒したのが……ほれ、そいつばい」
校長室の壁に飾ってある猪の剥製。傍から見てもどれだけ大きいのかわかる。それを狩った大介は大物だろう。
「スゲーじいちゃん! キーパーの練習はしたんですか?」
「ああ。古タイヤをロープにぶら下げてな」
「えっ!?」
それは鉄塔広場で円堂がずっとやっていた特訓だ。
「俺、おんなじことやってました……」
「そうか。さすが大介の孫ばい」
「ところで……」
瞳子は本題に移ろうとタイミングを見計らって発言する。
「円堂大介のノートというのは?」
「ああ。裏ノートのことたいね」
「「「「裏ノート?」」」」
「表のノートには書けんことばかり書いてある、恐ろしかノートばい」
校長は窓辺に佇(タタズ)み、当時の出来事を思い返す。
「あれは、死ぬちょこっと前のことやった……。大介が突然私ば尋ねて来て、一冊のノートば託したと……」
古びたノートを取り出して瑞貴たちの前のテーブルに置き、再び窓辺に行く。
「『もし、俺に何かあったら処分してくれ』……。ばってん、あげんことに……」
四十年前の不幸な事故――あれで大介は亡くなった。……世間では。
「大介、空の向こうでもサッカーばしよるとか? お前の頼みだったが捨てることはできんかった……。いつか、受け継ぐべき者が現れるやろうちょ思うてな」
校長は円堂を見る。彼が、大介のあとを受け継ぐべき者だとハッキリ感じている。だからこそ、このノートを託すことにしたのだ。
さっそくノートを見てみることにし、円堂が開くと両隣から夏未と瑞貴が覗き込む。
「スゲー! こ、こんなスゲー技、じいちゃんできたんだ!」
「いや、できんかった」
「「「えっ?」」」
「構想はよかばってん、スパークするサッカーバカの大介さえ完成できんかった、不可能な技が書かれとるたい。それゆえ――『究極奥義』っちい呼ばれちょるばい」
「究極奥義……!」
大介ですら完成できなかった必殺技――究極奥義。円堂はノートを持ったまま立ち上がる。
「じいちゃん、俺やってみせる。究極奥義……絶対モノにしてやる!」
再度ノートを机に広げる。今度は瞳子も見えるようになった。
「で、どんな技が書かれてるの?」
「例えばこれ、『正義の鉄拳』。究極のパンチ技」
「正義の鉄拳?」
「『パッと開かずグッと握って、ダン! ギューン! ドカーン!』」
「円堂くんのお祖父さんって……」
瞳子ですら、大介の擬音解説に呆気に取られた。
「聞かせてください。じいちゃんの話」
「よかよか。大介は、情熱がスパークするサッカーバカやったばい。寝ても覚めても、サッカーのことしか考えんかったとよ」
校長は昔、大介とサッカーして過ごした日々を思い出す。
……山の頂上をゴールにしてドリブルをしながら競争したが、結果はほとんど引き分け。相手が自分より速かったら十倍、百倍、千倍速くなると言い合っていたこともあった。
知られざる大介の武勇伝に、瑞貴と夏未と瞳子は驚き、円堂は目をキラキラ輝かせていた。
「それだけやなかぞ。よく二人で猪狩りばしたもんたい」
「「「猪!?」」」
「大介が倒したのが……ほれ、そいつばい」
校長室の壁に飾ってある猪の剥製。傍から見てもどれだけ大きいのかわかる。それを狩った大介は大物だろう。
「スゲーじいちゃん! キーパーの練習はしたんですか?」
「ああ。古タイヤをロープにぶら下げてな」
「えっ!?」
それは鉄塔広場で円堂がずっとやっていた特訓だ。
「俺、おんなじことやってました……」
「そうか。さすが大介の孫ばい」
「ところで……」
瞳子は本題に移ろうとタイミングを見計らって発言する。
「円堂大介のノートというのは?」
「ああ。裏ノートのことたいね」
「「「「裏ノート?」」」」
「表のノートには書けんことばかり書いてある、恐ろしかノートばい」
校長は窓辺に佇(タタズ)み、当時の出来事を思い返す。
「あれは、死ぬちょこっと前のことやった……。大介が突然私ば尋ねて来て、一冊のノートば託したと……」
古びたノートを取り出して瑞貴たちの前のテーブルに置き、再び窓辺に行く。
「『もし、俺に何かあったら処分してくれ』……。ばってん、あげんことに……」
四十年前の不幸な事故――あれで大介は亡くなった。……世間では。
「大介、空の向こうでもサッカーばしよるとか? お前の頼みだったが捨てることはできんかった……。いつか、受け継ぐべき者が現れるやろうちょ思うてな」
校長は円堂を見る。彼が、大介のあとを受け継ぐべき者だとハッキリ感じている。だからこそ、このノートを託すことにしたのだ。
さっそくノートを見てみることにし、円堂が開くと両隣から夏未と瑞貴が覗き込む。
「スゲー! こ、こんなスゲー技、じいちゃんできたんだ!」
「いや、できんかった」
「「「えっ?」」」
「構想はよかばってん、スパークするサッカーバカの大介さえ完成できんかった、不可能な技が書かれとるたい。それゆえ――『究極奥義』っちい呼ばれちょるばい」
「究極奥義……!」
大介ですら完成できなかった必殺技――究極奥義。円堂はノートを持ったまま立ち上がる。
「じいちゃん、俺やってみせる。究極奥義……絶対モノにしてやる!」
再度ノートを机に広げる。今度は瞳子も見えるようになった。
「で、どんな技が書かれてるの?」
「例えばこれ、『正義の鉄拳』。究極のパンチ技」
「正義の鉄拳?」
「『パッと開かずグッと握って、ダン! ギューン! ドカーン!』」
「円堂くんのお祖父さんって……」
瞳子ですら、大介の擬音解説に呆気に取られた。