残りのメンバーはマネージャーからドリンクとタオルを受け取り、試合の疲れをとる。


「勝てなかった……。これだけがんばったのに……」

「何言ってんだよ。俺たち、奴らと引き分けたんだぜ？」

「そうそう。一郎太もみんなもスゴかったよ。成長してるのは間違いないし。勝敗より成長したことに自信を持って」

「そうか。この前はコテンパンだったんだ」

「あたしたち、強くなったんだな！」

「なんか、勝てそうな気がしてきたっス！」

「俺もでヤンス！」

「おいおい。単純だな」


円堂も瑞貴も木暮も塔子も壁山も栗松鉄平も、確実にレベルアップしたと感じる。土門もツッコミを入れつつも同意だろう。


「答えはシンプルさ。互角に戦えるならば、勝利の確率は50パーセントだ。相手から１パーセントを奪い取れば勝てる」

「お兄ちゃん……。なんか、キャプテンに似てきた」


論理的に言う鬼道だが、根本的なところは円堂にそっくりだ。春奈もそれを感じ取る。


「暇になるんは、もうちょい先！　ハネムーンはお預けやな、ダーリン！　ハニー！」

「アハハ……」

「だから、なんで私まで……」


再びリカに腕を取られた一之瀬は苦笑し、瑞貴は二人で行ってこいと思った。


「勝つまでには至らなかったけど、一歩前進。でも気を緩めないで」

「そうよ。試合に勝利しない限り、エイリア学園はまた現れるわ」

「よーし、次は勝つぞ！」

｢｢｢｢｢オウッ!!｣｣｣｣｣


瞳子と雷門夏未の言葉も胸な留め、雷門イレブンは次の試合に向けて意気込むのだった。

ただ一人、先ほど去った吹雪を除いて……。





☆☆☆☆☆


翌日。次の行き先も決まってないので、雷門イレブンは次回のイプシロン戦に向けて再び地下練習場で特訓を励んでいた。


「てぃや！」


シュート練習用の個室で、瑞貴は最高レベルのマシンに対し、新必殺技を放つ。すると見事にマシンごとゴールに入った。


「よっし！　今日も絶好調！」