デザームの罠!
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早朝。瑞貴は日課のランニング終了後、朝食を作りだす。
「おはようございます、瑞貴先輩!」
「春奈ちゃん、おはよう。早起きだね」
「瑞貴先輩こそ早いじゃないですか。すみません、朝ご飯を作ってもらって。私たちマネージャーの仕事なのに」
「春奈ちゃんたちは私たち選手のために毎日ご飯を作ってくれるじゃない。だからたまには手伝わせて……」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
瑞貴と春奈が支度している間、突然聞こえた叫び声に二人は目をパチクリした。
「どうしたんでしょうか?」
「きっと守たちが特訓に意気込んでいるんだよ。まあ、いいことだしね」
それから全員朝食をとって、特訓場に向かって昨日の続きを始める。
「ていっ!」
瑞貴はボールを高く上げてオーバーヘッドをするが……。
「やばっ!」
花と葉をまとったボールはゴールより前に落下していく。タイミングをミスしたのかもしれない。すぐに着地してボールを追いかける。
「はああぁぁあああ!」
すぐに追いついてそのままシュートすると、さらにスピードが加速してミサイルのようになり、ボールをマシンごとゴールに叩き込んだ。
「できた……。これが私の新しいシュート!」
ピピッ。ピピッ。
「ありゃ、もうそんな時間か」
マシンにセットしたタイマーを止めて、瑞貴は休憩するべく部屋を出ると――。
「……何やってんの?」
「ああ、瑞貴」
隣の部屋で、扉の隙間を利用して中を覗いているメンバーと、離れて見ている円堂と鬼道と一之瀬とマネージャーがいた。
瑞貴に気づいた円堂は、吹雪がディフェンスの特訓中の変化のことを話す。
(なるほど。今の士郎はアツヤになってるんだ……)
「イプシロンのキーパーに、エターナルブリザードを止められたことが、よっぽど悔しかったんですね」
「しばらく治まっていたスタンドプレーも復活ね。まあ、それが魅力とも言えなくもないけど」
「まさか……染岡くんの離脱が、影響してるの?」
秋の呟きに瑞貴もこれまでのことを振り返る。士郎にとってもアツヤにとっても、染岡竜吾とはいいコンビでストッパーになっていた。
だからこそ、デザームにシュートを止められた挙げ句、真・帝国戦で染岡と完璧になれたと思った矢先、彼が離脱したので、感情が高ぶっているのだろう。
「今は吹雪の思うようにさせよう。あの意気込みが試合でいいほうに出る」
「ああ……」
鬼道と円堂の発言もあり、みんな特訓に戻る。
……それから全員、それぞれのマシンの最高レベルをクリアしていった。
「スゴい! みんな、最高レベルをクリアできるようになってます! これなら明日のイプシロンとの試合、いけるかもしれません!」
目金の言葉にマネージャーは笑顔になる。確かにみんな、誰が見ても強くなっていった。