デザームの罠!
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「待ってたでハニー! ウチが食べさせてあげるさかい!」
「じ、自分で食べれるから……」
リカからもらった串カツを瑞貴はひと口食べた。鬼道は瑞貴に問いかける。
「そっちはどうだ?」
「まだまだだね。漫遊寺のとき出たシュートも完成しようとしてるんだけど、なんかうまくいかなくて……」
「手伝おうか?」
「大丈夫。塔子ちゃんは自分の特訓をしてて」
イプシロン戦まで日がない上、財前塔子たちがやってる特訓もハードなのに、自分の特訓に付き合わせるわけにはいかない。
「私、自分でレベルアップしたいんだ。オーロラベールやドリームダンスのときも、今まで人に頼りきってたし」
「そっか。あたし、応援してるからな! でも、できることがあったら遠慮なく言ってくれ!」
「ウチもウチも!」
「ありがとう!」
塔子とリカの応援に瑞貴は笑顔で返した。こんな仲間がいるからこそがんばれる。
「そうと決まったら腹ごしらえだな。瑞貴、お好み焼きもあるぞ」
「餃子もあるで! たくさん食べてな!」
「わ、わかったから、ゆっくり食べさせて!」
――それから今日の特訓は終了し、全員特訓場から出て行く中瑞貴は一人残っていた。
「よっ、はっ、とっ」
風丸が使っていたランニング用のマシンで瑞貴は障害物を次々避けていく。反射神経とバランスと素早さは瑞貴の得意分野なので、すぐにコツをつかんだ。
すでにLv.5までいっており、あらかじめ設定しておいたので、クリアすると同時にマシンは止まった。
「今日はここまでにしておくか……」
そう言う瑞貴は部屋から出て行くと、次にグローブを嵌めてGK用のマシンに乗る。
「わったたた! おっと!」
円形の動く台に乗ってバランスをとりながらボールを受け止めるのだが、なかなか難しい。体勢を整えたらすぐに次のボールがくるのだから。
「結構ハードだな……あれ?」
すると突然ボールが来なくなった。目標レベルに到達したのかと思い下を見ると、鬼道がマシンのスイッチを止めていた。
「あれ? 有人」
「ここにいたのか」
瑞貴はマシンから降りて鬼道のそばに行く。操作パネルを見ればLv.3しかいってない。まだまだ練習不足だなと思った。
「お前、さっきまでハードな特訓をしていたのに、これ以上続けたら体を壊すぞ」
「そう? いつもやってるから平気だよ」
円堂みたいだな、と鬼道はフッと笑った。鬼道が雷門に来た初日にも円堂は同じことを言ってタイヤの特訓をしていた。しかしすぐに険しい顔をする。
「何故キーパーの特訓をする必要がある。円堂じゃ不満か?」
「まさか。これは私が好きでやってるんだから気にしないで」
瑞貴は持参していたタオルで汗を拭くと、ポツリと呟く。
「……私ね、ポジションに捕らわれたくないし、自分で限界を作りたくないんだ」
「えっ?」
「サッカーには無限の可能性がある。私、できることはとことんやりたいし、自分の可能性を次々発見して身につけたい。それが成功する度にとっても嬉しいの!」
瑞貴はいつもの花が咲いたような笑顔を鬼道に向ける。
「……とにかく戻るぞ。夕食が冷めてしまう」
「はーい」
(……俺じゃ、こいつの支えになれないのか?)
瑞貴の横顔を見て鬼道は思った。自分や仲間を頼っているようで心からは頼っていない、自分でなんとかしようとする彼女の肩の荷を、少しでもいいから分かち合いたいと。
「じ、自分で食べれるから……」
リカからもらった串カツを瑞貴はひと口食べた。鬼道は瑞貴に問いかける。
「そっちはどうだ?」
「まだまだだね。漫遊寺のとき出たシュートも完成しようとしてるんだけど、なんかうまくいかなくて……」
「手伝おうか?」
「大丈夫。塔子ちゃんは自分の特訓をしてて」
イプシロン戦まで日がない上、財前塔子たちがやってる特訓もハードなのに、自分の特訓に付き合わせるわけにはいかない。
「私、自分でレベルアップしたいんだ。オーロラベールやドリームダンスのときも、今まで人に頼りきってたし」
「そっか。あたし、応援してるからな! でも、できることがあったら遠慮なく言ってくれ!」
「ウチもウチも!」
「ありがとう!」
塔子とリカの応援に瑞貴は笑顔で返した。こんな仲間がいるからこそがんばれる。
「そうと決まったら腹ごしらえだな。瑞貴、お好み焼きもあるぞ」
「餃子もあるで! たくさん食べてな!」
「わ、わかったから、ゆっくり食べさせて!」
――それから今日の特訓は終了し、全員特訓場から出て行く中瑞貴は一人残っていた。
「よっ、はっ、とっ」
風丸が使っていたランニング用のマシンで瑞貴は障害物を次々避けていく。反射神経とバランスと素早さは瑞貴の得意分野なので、すぐにコツをつかんだ。
すでにLv.5までいっており、あらかじめ設定しておいたので、クリアすると同時にマシンは止まった。
「今日はここまでにしておくか……」
そう言う瑞貴は部屋から出て行くと、次にグローブを嵌めてGK用のマシンに乗る。
「わったたた! おっと!」
円形の動く台に乗ってバランスをとりながらボールを受け止めるのだが、なかなか難しい。体勢を整えたらすぐに次のボールがくるのだから。
「結構ハードだな……あれ?」
すると突然ボールが来なくなった。目標レベルに到達したのかと思い下を見ると、鬼道がマシンのスイッチを止めていた。
「あれ? 有人」
「ここにいたのか」
瑞貴はマシンから降りて鬼道のそばに行く。操作パネルを見ればLv.3しかいってない。まだまだ練習不足だなと思った。
「お前、さっきまでハードな特訓をしていたのに、これ以上続けたら体を壊すぞ」
「そう? いつもやってるから平気だよ」
円堂みたいだな、と鬼道はフッと笑った。鬼道が雷門に来た初日にも円堂は同じことを言ってタイヤの特訓をしていた。しかしすぐに険しい顔をする。
「何故キーパーの特訓をする必要がある。円堂じゃ不満か?」
「まさか。これは私が好きでやってるんだから気にしないで」
瑞貴は持参していたタオルで汗を拭くと、ポツリと呟く。
「……私ね、ポジションに捕らわれたくないし、自分で限界を作りたくないんだ」
「えっ?」
「サッカーには無限の可能性がある。私、できることはとことんやりたいし、自分の可能性を次々発見して身につけたい。それが成功する度にとっても嬉しいの!」
瑞貴はいつもの花が咲いたような笑顔を鬼道に向ける。
「……とにかく戻るぞ。夕食が冷めてしまう」
「はーい」
(……俺じゃ、こいつの支えになれないのか?)
瑞貴の横顔を見て鬼道は思った。自分や仲間を頼っているようで心からは頼っていない、自分でなんとかしようとする彼女の肩の荷を、少しでもいいから分かち合いたいと。