一之瀬! 最大の危機!!
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「白竜くんは、ここで何してたの?」
「ぼく、パパとママといっしょににきたんだけど、ボールをおとしておいかけていたら、パパもママも…いなく…なって……」
だんだん悲しくなって目に涙が溜まる白竜に、瑞貴は落ち着かせるために頭を撫でる。
「お姉ちゃんも一緒に探してあげる。だから泣かないで」
「うん……」
「私、白竜くんの親を探すから、一哉はアジトを探してて」
「ううん、俺も行くよ。この子を放っておけないしね」
一之瀬がそう言うと、瑞貴も安心するように微笑む。
「迷子センターの放送は鳴ってないし、両親も探してるかな。どこでボールを落としたかわかる?」
「あっち……」
とりあえず原点から探すことにして、瑞貴は白竜の手を引いて歩き出す。一之瀬は白竜がボールを持っているため手は繋げず、白竜を間に瑞貴の反対側に並んで歩く。
子供がいないことに親が気づいているなら、大抵どこではぐれたのか原点から探し出すし、そうじゃなくても、焦りながらキョロキョロと顔を動かしている大人に絞れば、見つかるだろう。
「白竜くんはサッカーが好きなの?」
「うん! テレビでスッゴいしあいをみて、ぼくもやりたいっておもったんだ!」
瑞貴は白竜に話しかけながら探しているため、白竜も泣くことはなかった。
(なんか、家族みたいだな……)
不謹慎かもしれないが、一之瀬は現在の状況でそう思った。もちろん、いつか実現させようとする気満々だが。
「あっ。白竜くん、あそこにいる人たちがそうじゃない?」
瑞貴が白竜に示した先には、夫婦と思われる二人が焦った顔をして周りを見渡している。
「パパ! ママ!」
両親とわかった白竜は瑞貴の手を離して二人の元へ走り出した。子供が無事に戻ってきたことに両親も安堵したのを見ると、瑞貴と一之瀬は顔を見合わせて笑う。
「案外早く見つかってよかったね、瑞貴」
「そうだね。……あっ」
「ん?」
すると白竜は母親の手を引いて瑞貴と一之瀬の元へ来た。そのうしろには父親がいる。
「このおねえちゃんとおにいちゃんがたすけてくれたの!」
「息子を助けてくれてありがとうございます!」
「いえ。無事に見つかってよかったです」
「俺も、大したことしてないし」
「そのジャージ……もしかして今、宇宙人と戦っている雷門イレブンの選手かい?」
「「はい!」」
父親が瑞貴のジャージに向かって指差すと、瑞貴と一之瀬は頷いた。
「パパ。おねえちゃんたちが、うちゅうじんとたたかってるの?」
「そうだよ。白竜もテレビで見たことあるだろう?」
「スゴいスゴい!」
白竜は目をキラキラと輝かせて瑞貴たちを見ると、そるに母親は微笑んで白竜の頭を撫でる。
「この子、あなたたちの試合を見て『サッカーやりたい』って言い出したんです」
まさかさっきの話の対象が自分たちと思わず、瑞貴と一之瀬は顔を見合わせて照れくさそうに笑う。
「なんだか嬉しいです」
「ちょっと恥ずかしいけど」
「見ず知らずの息子を助けてくれて、なんとお礼を言っていいやら」
「お礼は彼女に言ってください。この子を見つけた途端、真っ先に走り出したので」
「ちょっと一哉!」
一之瀬が母親にそう言ったので、瑞貴は顔を赤くする。
「私も試合を見てましたが、あなたのプレーはとてもカッコいいわ。あなたはスゴく強くて優しいのね」
「そんなこと――」
「ぼく、おねえちゃんみたいにきゅうきょくになる!」
「「えっ?」」
突然言い出した白竜の言葉に、瑞貴と一之瀬は驚いて目を見開く。
「スゴく強いって、『きゅうきょく』っていうんでしょ? だから、ぼくサッカーがんばってきゅうきょくになるから!」
究極、とまで尊敬されたのは初めてだったので、さすがの瑞貴も返答に困る。一之瀬は珍しい彼女の一面にクスクスと面白そうに笑っていた。
「あ、その、私たち、仲間を待たせてるので、失礼します」
「あっ、よかったらサイン頂けますか?」
母親はメモ帳とサインペンを取り出して、二人に頼み込む。さすがに断る理由が見つからなかったので、瑞貴と一之瀬はサインをした。
白竜もボールにサインしてほしいと、瑞貴に頼み込んだので瑞貴はサインを書き、再度挨拶をして二人はその場を去った。
「ぼく、パパとママといっしょににきたんだけど、ボールをおとしておいかけていたら、パパもママも…いなく…なって……」
だんだん悲しくなって目に涙が溜まる白竜に、瑞貴は落ち着かせるために頭を撫でる。
「お姉ちゃんも一緒に探してあげる。だから泣かないで」
「うん……」
「私、白竜くんの親を探すから、一哉はアジトを探してて」
「ううん、俺も行くよ。この子を放っておけないしね」
一之瀬がそう言うと、瑞貴も安心するように微笑む。
「迷子センターの放送は鳴ってないし、両親も探してるかな。どこでボールを落としたかわかる?」
「あっち……」
とりあえず原点から探すことにして、瑞貴は白竜の手を引いて歩き出す。一之瀬は白竜がボールを持っているため手は繋げず、白竜を間に瑞貴の反対側に並んで歩く。
子供がいないことに親が気づいているなら、大抵どこではぐれたのか原点から探し出すし、そうじゃなくても、焦りながらキョロキョロと顔を動かしている大人に絞れば、見つかるだろう。
「白竜くんはサッカーが好きなの?」
「うん! テレビでスッゴいしあいをみて、ぼくもやりたいっておもったんだ!」
瑞貴は白竜に話しかけながら探しているため、白竜も泣くことはなかった。
(なんか、家族みたいだな……)
不謹慎かもしれないが、一之瀬は現在の状況でそう思った。もちろん、いつか実現させようとする気満々だが。
「あっ。白竜くん、あそこにいる人たちがそうじゃない?」
瑞貴が白竜に示した先には、夫婦と思われる二人が焦った顔をして周りを見渡している。
「パパ! ママ!」
両親とわかった白竜は瑞貴の手を離して二人の元へ走り出した。子供が無事に戻ってきたことに両親も安堵したのを見ると、瑞貴と一之瀬は顔を見合わせて笑う。
「案外早く見つかってよかったね、瑞貴」
「そうだね。……あっ」
「ん?」
すると白竜は母親の手を引いて瑞貴と一之瀬の元へ来た。そのうしろには父親がいる。
「このおねえちゃんとおにいちゃんがたすけてくれたの!」
「息子を助けてくれてありがとうございます!」
「いえ。無事に見つかってよかったです」
「俺も、大したことしてないし」
「そのジャージ……もしかして今、宇宙人と戦っている雷門イレブンの選手かい?」
「「はい!」」
父親が瑞貴のジャージに向かって指差すと、瑞貴と一之瀬は頷いた。
「パパ。おねえちゃんたちが、うちゅうじんとたたかってるの?」
「そうだよ。白竜もテレビで見たことあるだろう?」
「スゴいスゴい!」
白竜は目をキラキラと輝かせて瑞貴たちを見ると、そるに母親は微笑んで白竜の頭を撫でる。
「この子、あなたたちの試合を見て『サッカーやりたい』って言い出したんです」
まさかさっきの話の対象が自分たちと思わず、瑞貴と一之瀬は顔を見合わせて照れくさそうに笑う。
「なんだか嬉しいです」
「ちょっと恥ずかしいけど」
「見ず知らずの息子を助けてくれて、なんとお礼を言っていいやら」
「お礼は彼女に言ってください。この子を見つけた途端、真っ先に走り出したので」
「ちょっと一哉!」
一之瀬が母親にそう言ったので、瑞貴は顔を赤くする。
「私も試合を見てましたが、あなたのプレーはとてもカッコいいわ。あなたはスゴく強くて優しいのね」
「そんなこと――」
「ぼく、おねえちゃんみたいにきゅうきょくになる!」
「「えっ?」」
突然言い出した白竜の言葉に、瑞貴と一之瀬は驚いて目を見開く。
「スゴく強いって、『きゅうきょく』っていうんでしょ? だから、ぼくサッカーがんばってきゅうきょくになるから!」
究極、とまで尊敬されたのは初めてだったので、さすがの瑞貴も返答に困る。一之瀬は珍しい彼女の一面にクスクスと面白そうに笑っていた。
「あ、その、私たち、仲間を待たせてるので、失礼します」
「あっ、よかったらサイン頂けますか?」
母親はメモ帳とサインペンを取り出して、二人に頼み込む。さすがに断る理由が見つからなかったので、瑞貴と一之瀬はサインをした。
白竜もボールにサインしてほしいと、瑞貴に頼み込んだので瑞貴はサインを書き、再度挨拶をして二人はその場を去った。