最後のワイバーンブリザード!

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「オウッ。円堂、瑞貴。見てろよ? 染岡! もう一度だ!」


いつもなら「オウッ!」と声を上げるのに、今の染岡は大量に汗を流して息が上がっていた。


「おいおい。なんだよ、もうバテたのか?」

「……バッカ野郎。そんなわけねーだろ。円堂! 瑞貴! もう完璧だぜ、俺たち」

「ああ! 完璧だ! もういっちょ行くぜ!」


アツヤに続こうとした染岡だが、足の痛みに再び顔を歪ませる。それが見えた瑞貴は行動することに躊躇うが……。


『後悔するくらいなら行動するんだ』


脳裏にシンの言葉がよみがえり、瑞貴は決意して染岡の元へ向かう。


「竜吾、足が痛むんでしょ? その辺にして手当てしないと……」

「なーに言ってんだ。このぐらいなんともないって」


染岡はそう告げると、再び走り出した。

円堂と瑞貴もユニフォームに着替えると、一之瀬一哉が瑞貴の元へ駆け寄る。


瑞貴、イプシロン戦に向けて提案があるんだけど」

「提案?」

「うん。俺たちで新必殺技を編み出そうよ!」

「えっ?」


一之瀬の言葉に瑞貴は驚くが、詳細を聞くほど目を輝かせる。


「いいね! やろうよ一哉! 私、やってみたい!」

「よし。そうと決まれば……土門! ちょっと協力してくれ!」


一之瀬は土門を呼び出して経緯を話すと、彼も快く了承した。


「いいぜ。俺でよければ協力する。しっかし、瑞貴ちゃんの必殺技を編み出すのに協力するの、これで二回目だな」

「そういえば、そうだね」

「二回目?」

「うん。私の必殺技・オーロラベールは飛鳥と編み出した必殺技なんだ。飛鳥がいなきゃ完成できなかったよ」

「……へぇ~。でも、今回編み出すのは『俺と』の必殺技だからね!」


いくら幼馴染でも恋愛沙汰は別らしい。瑞貴と腕を組んで『俺と』を強調する一之瀬と土門の間に火花が散っていた。

何はともあれ、三人は円堂の許可をもらって練習をしていたが――。


「染岡!?」

「「「「「染岡/さん/竜吾!!」」」」」


アツヤを始め、みんな心配で駆け寄る。そして染岡をベンチに座らせ円堂と瑞貴を中心に集まる。


「染岡、お前……」

「なんだよ、みんな大げさなんだよ!」


心配ない、というように染岡は立ち上がるが、足の痛みで再びベンチに座ってしまう。


「ムリしないで、竜吾!」

「ムリなんかしてねぇよ」


なんとか立ち上がる染岡だが、顔には汗が大量に流れている。


「な、大丈夫だろ――」

「バカモン!」

「古株さん……」


染岡を叱咤したのは古株だった。そのうしろには春奈と木暮もいる。

古株は染岡を再びベンチに座らせてソックスを脱がすと、染岡の足は赤く腫れていた。


「こんなに腫れてるじゃないか。真・帝国戦のあと、ちゃんとケアしなかったな」

「ホントに大丈夫ですから」

「強がったところで、なんの得もありゃせんぞ」


鬼道は古株に尋ねる。


「イプシロン戦は一週間後なんです。それまでに染岡は……」

「一週間やそこらで治るもんかい」


わかってはいたが、現実を言われて鬼道は顔をしかめる。
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