最後のワイバーンブリザード!
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それから瑞貴はみんなと他愛のない話をして病室を出て、シンの待つ駐車場に行った。
「あれ、もういいのかい? もう少しゆっくりしててもよかったのに」
「うん。シン、私の家まで送ってくれる?」
「いいけど、忘れ物?」
「違う違う! 稲妻町にいる間、少しでも掃除しときたいの!」
「クスッ」
真顔で言った瑞貴に、シンは少し吹き出した。
「笑い事じゃないんだよ!? 旅をしてからずいぶん日が経ってるし、ホコリだらけだよ……」
「そんな心配してたんだ。大丈夫だって。とりあえず車に乗ってよ」
シンに促されて瑞貴は助手席に乗り、シンも運転席に乗ると車を発進させる。
「今まで言い忘れてたけど、あの家には特殊な結界が張ってあるんだ」
「結界?」
「そう。一軒家に一哉くんがいるとはいえ中学生だけじゃ危険だからね。その前は一人暮らしだったし」
シンが張った結界は、いわばセキュリティのようなもの。瑞貴が危険な状況にあったり、犯罪的な悪意がある者が入れば一発で捕まる代物だ。さらに長期不在する場合、結界内の時が止まり、ホコリも出ず出発前と同じ状況のまま保存できるのだ。
外部からは映像が流れ、いないはずのシンが滞在しているように見えるのだ。たまにシンも本当にいるから、近所からも不審に思われることもない。
「だから、一哉くんたちには僕が住んで管理していたと言えば大丈夫だよ」
「……何から何まで本当にごめんね。シンがここまでしてくれるのに、私何も返せてないよ」
「気にしないで。前にも言ったけど僕は君を応援してるし、何より本当の妹みたいに思ってるから」
赤信号で車を止めると、シンは瑞貴の頭を撫でる。
「家の心配はこれでないし、河川敷にでも向かう?」
「うん! いっぱい練習して、自分のためにも、みんなのためにも、強くないたいから!」
すっかり立ち直った瑞貴にシンは微笑む。青信号になると、二人は河川敷に向かうため商店街沿いの道路を通る。
「ん? あれは……」
「守に秋ちゃんだ」
パッパ――ッ。
「「?」」
クラクションの音に円堂と秋が振り向くと、瑞貴とシンに気づいた。
「二人共、もしかしてこれから河川敷?」
「はい! みんなも練習しているようなので」
「僕たちも向かう途中だから、よかったら送るよ」
「ありがとうございます!」
シンの言葉に甘えて円堂と秋は後部座席に乗り、車は再び発進する。
「瑞貴、もう大丈夫なのか?」
「へっ? 何が?」
キョトンとした顔をする瑞貴。その姿は円堂もよく知るいつもの瑞貴である。
それに円堂は「なんでもない」と笑うと、窓に顔を向けて表情を曇らせる。
(俺じゃ、ダメだったな……)
円堂はキャラバンにいたときから、瑞貴の様子がおかしいことに気づいていた。だけど、そのときは誤魔化されたのに、シンと会ったあとは本当に元の瑞貴に戻っている。
相棒の自分に相談すらしてもらえなかったのが、円堂にとって寂しく感じた。円堂の様子に気づいていたのは、ルームミラー越しで見ていたシンだけだった。
――河川敷に着くと、シンは三人を降ろしてから再び雷門中に戻り、瑞貴たちはグラウンドへ降りる。
イナビカリ修練場に向かった春奈と木暮以外、全員グラウンドで練習していた。
「うおおぉぉおおお! いけええぇぇえええ! ワイバーン……」
「ブリザード!」
染岡と吹雪アツヤが真・帝国戦で編み出したワイバーンブリザードを撃つと、キーパーの杉森はそのスピードに反応できず、ゴールを許してしまった。
「おおっ、やってるな! 俺もやるぜ!」
「私も!」
その声にアツヤは二人が来たことに気づいた。
「あれ、もういいのかい? もう少しゆっくりしててもよかったのに」
「うん。シン、私の家まで送ってくれる?」
「いいけど、忘れ物?」
「違う違う! 稲妻町にいる間、少しでも掃除しときたいの!」
「クスッ」
真顔で言った瑞貴に、シンは少し吹き出した。
「笑い事じゃないんだよ!? 旅をしてからずいぶん日が経ってるし、ホコリだらけだよ……」
「そんな心配してたんだ。大丈夫だって。とりあえず車に乗ってよ」
シンに促されて瑞貴は助手席に乗り、シンも運転席に乗ると車を発進させる。
「今まで言い忘れてたけど、あの家には特殊な結界が張ってあるんだ」
「結界?」
「そう。一軒家に一哉くんがいるとはいえ中学生だけじゃ危険だからね。その前は一人暮らしだったし」
シンが張った結界は、いわばセキュリティのようなもの。瑞貴が危険な状況にあったり、犯罪的な悪意がある者が入れば一発で捕まる代物だ。さらに長期不在する場合、結界内の時が止まり、ホコリも出ず出発前と同じ状況のまま保存できるのだ。
外部からは映像が流れ、いないはずのシンが滞在しているように見えるのだ。たまにシンも本当にいるから、近所からも不審に思われることもない。
「だから、一哉くんたちには僕が住んで管理していたと言えば大丈夫だよ」
「……何から何まで本当にごめんね。シンがここまでしてくれるのに、私何も返せてないよ」
「気にしないで。前にも言ったけど僕は君を応援してるし、何より本当の妹みたいに思ってるから」
赤信号で車を止めると、シンは瑞貴の頭を撫でる。
「家の心配はこれでないし、河川敷にでも向かう?」
「うん! いっぱい練習して、自分のためにも、みんなのためにも、強くないたいから!」
すっかり立ち直った瑞貴にシンは微笑む。青信号になると、二人は河川敷に向かうため商店街沿いの道路を通る。
「ん? あれは……」
「守に秋ちゃんだ」
パッパ――ッ。
「「?」」
クラクションの音に円堂と秋が振り向くと、瑞貴とシンに気づいた。
「二人共、もしかしてこれから河川敷?」
「はい! みんなも練習しているようなので」
「僕たちも向かう途中だから、よかったら送るよ」
「ありがとうございます!」
シンの言葉に甘えて円堂と秋は後部座席に乗り、車は再び発進する。
「瑞貴、もう大丈夫なのか?」
「へっ? 何が?」
キョトンとした顔をする瑞貴。その姿は円堂もよく知るいつもの瑞貴である。
それに円堂は「なんでもない」と笑うと、窓に顔を向けて表情を曇らせる。
(俺じゃ、ダメだったな……)
円堂はキャラバンにいたときから、瑞貴の様子がおかしいことに気づいていた。だけど、そのときは誤魔化されたのに、シンと会ったあとは本当に元の瑞貴に戻っている。
相棒の自分に相談すらしてもらえなかったのが、円堂にとって寂しく感じた。円堂の様子に気づいていたのは、ルームミラー越しで見ていたシンだけだった。
――河川敷に着くと、シンは三人を降ろしてから再び雷門中に戻り、瑞貴たちはグラウンドへ降りる。
イナビカリ修練場に向かった春奈と木暮以外、全員グラウンドで練習していた。
「うおおぉぉおおお! いけええぇぇえええ! ワイバーン……」
「ブリザード!」
染岡と吹雪アツヤが真・帝国戦で編み出したワイバーンブリザードを撃つと、キーパーの杉森はそのスピードに反応できず、ゴールを許してしまった。
「おおっ、やってるな! 俺もやるぜ!」
「私も!」
その声にアツヤは二人が来たことに気づいた。