ドラゴンが出た!
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「へぇ。豪炎寺は正式に入部したようだな」
「最強のストライカーの復活、ってとこだろう」
「フッ」
帝国学園サッカー部の佐久間次郎と源田幸次郎と鬼道有人がいた。鬼道は前の試合で豪炎寺だけでなくデスゾーンを止めた円堂にも注目していた。
本当はもう一人いるのだが、何故かグラウンドにいないことに不思議に思う。
「ただの偵察なのに、何で成神も行きたいと駄々をこねてた? お前たち心当たりはないか?」
「「ああ……」」
鬼道の問いに源田と佐久間は顔を見合わせて苦笑した。理由は一つしかないのだから。
「――次郎! 幸次郎!」
「「「!」」」
突然の声に鬼道と佐久間と源田は振り向くと、瑞貴がこっちへ向かって走って来た。
佐久間と源田は瑞貴が来たことで頬を赤く染めて嬉しそうに笑い、鬼道は二人が珍しい表情をしていることや瑞貴に名前で呼ばれたことに驚いて口を開ける。
「試合を見に来てくれた……というより偵察に来たんだね」
「あっ、いや、その」
「なんていうか……」
「隠さなくていいって。当たり前のことだし」
帝国学園で参謀であり鬼道の右腕である佐久間や、KOGと呼ばれる正GKの源田がこんなに取り乱している姿は珍しい。しかし何故雷門中サッカー部の奴とこんなに親しいのだろうかと鬼道は思った。
そう考えていると瑞貴は鬼道に向き合ってお辞儀をする。
「鬼道有人くんですね。お久しぶりです」
「あ、ああ。確か井上瑞貴だったな」
「はい。先日の試合はありがとうございました」
また深々と礼儀正しくお辞儀をされ、鬼道は試合で瑞貴や仲間をボロボロにさせたのに、特にそれを咎めることもなかったことに驚いた。
「……お前、恨んでないのか?」
「次郎と同じこと言いますね。でも大丈夫ですよ。あれからみんな、心機一転でがんばっていますから」
瑞貴はニコッと鬼道に微笑む。その隣で佐久間と源田が顔を顰めるが、瑞貴が振り向いたのですぐに元の表情に戻る。
「じゃあ次郎、幸次郎。本当はゆっくり話したいんだけど、そろそろ戻らないといけないから私は行くね」
「あ、ああ!」
「がんばれよ」
「うんっ! ありがとう」
鬼道に一つお辞儀をして佐久間と源田に手を振りながら瑞貴はグラウンドに向かっていく。残されたのは最初と同じように鬼道と佐久間と源田だけになった。
「……佐久間、源田」
「な、なんだ?」
「どうした鬼道」
「あいつと、いつあんなに親しげになった?」
やはりきた、と思われる質問に佐久間は視線を反らしながら「えーと……」と呟き、源田は別にバレても問題ないと思ったのか、一つ溜息をついてから話す。
「この間、部活の帰りに成神があいつを見つけてな。どうやら気に入ったらしくて、俺たちはたまたま居合わせていたからなんとなく、という感じだろう」
「まさかと思うが、帝国の情報は与えていないだろうな」
鬼道がそういうと佐久間と源田はハッキリ頷いた。
「当たり前だ。瑞貴も雷門の情報はあげないとキッチリ釘を刺している」
「俺たちもな。それにいくら成神でも帝国を売るような真似はしないだろう」
「そうか。で、話は変わるが……あいつはバカなのか?」
「「ハッ?」」
佐久間と源田は一瞬面食らったが、間を置いて理由がなんなのかわかると「ああ、なるほど」と声を上げた。
「あの試合のことは俺も言ったが、あいつは俺たちの試合がきっかけになったから、『むしろ感謝してる』って言ってた」
「普通なら恨むぐらいされてもおかしくないのに……。変わった奴だよな」
佐久間と源田が顔を見合わせて笑っていると、鬼道はグラウンドで他の選手と話している瑞貴を見ると、ニヤリと笑う。
(井上瑞貴……本当に面白い奴だな)
鬼道は瑞貴への興味がますます湧いた。
――円堂がベンチでグローブを嵌めていると、見知った人物がいたので駆け寄った。
「よっ!」
その人物は雷門夏未だった。夏未は動じることなくその場に立つ。
「本当にこの試合に勝ったら、学校でフットボールフロンティアの参加料、払ってくれるんだよな」
「ええ、約束通りに。ですが――負けたら廃部ということもお忘れなく」
「負けるもんか、絶対!」
そう言って上品に去っていく夏未。円堂はやる気の意味も込めて拳を掌に打ち付けて言った。
夏未はそのまま学校に戻らず、ある人を呼び出した。
「――瑞貴」
「ん? あっ、夏未ちゃん!」
瑞貴は先程まで話していた半田に一言言ってから夏未に駆け寄った。
「大丈夫なの? あなた、ああいった類は苦手でしょう」
「平気だよ。見ててね。私たち絶対に勝つから!」
「……それは、いかにも怯えている顔をするのをやめてから言ってちょうだい」
やる気のある言葉とは裏腹に顔を真っ青にしている瑞貴に夏未は溜息をついた。でもその顔もどこか楽しそうに笑っているのを、雷門中サッカー部とマネージャーは珍しいものを見るかのように見ていた。
ふと風丸は空気が変わったのに気づき、円堂を呼び出した。
「来たぜ、円堂!」
「ん?」
円堂を含む全員が校門のほうを振り向くと、いかにもって感じのオーラをまとった尾刈斗中サッカー部がやってきた。
「……不気味だ」
「お前が言うなって」
「アハハハ……」
影野仁の言葉に半田がツッコミを入れたのを見た瑞貴は苦笑する。
「最強のストライカーの復活、ってとこだろう」
「フッ」
帝国学園サッカー部の佐久間次郎と源田幸次郎と鬼道有人がいた。鬼道は前の試合で豪炎寺だけでなくデスゾーンを止めた円堂にも注目していた。
本当はもう一人いるのだが、何故かグラウンドにいないことに不思議に思う。
「ただの偵察なのに、何で成神も行きたいと駄々をこねてた? お前たち心当たりはないか?」
「「ああ……」」
鬼道の問いに源田と佐久間は顔を見合わせて苦笑した。理由は一つしかないのだから。
「――次郎! 幸次郎!」
「「「!」」」
突然の声に鬼道と佐久間と源田は振り向くと、瑞貴がこっちへ向かって走って来た。
佐久間と源田は瑞貴が来たことで頬を赤く染めて嬉しそうに笑い、鬼道は二人が珍しい表情をしていることや瑞貴に名前で呼ばれたことに驚いて口を開ける。
「試合を見に来てくれた……というより偵察に来たんだね」
「あっ、いや、その」
「なんていうか……」
「隠さなくていいって。当たり前のことだし」
帝国学園で参謀であり鬼道の右腕である佐久間や、KOGと呼ばれる正GKの源田がこんなに取り乱している姿は珍しい。しかし何故雷門中サッカー部の奴とこんなに親しいのだろうかと鬼道は思った。
そう考えていると瑞貴は鬼道に向き合ってお辞儀をする。
「鬼道有人くんですね。お久しぶりです」
「あ、ああ。確か井上瑞貴だったな」
「はい。先日の試合はありがとうございました」
また深々と礼儀正しくお辞儀をされ、鬼道は試合で瑞貴や仲間をボロボロにさせたのに、特にそれを咎めることもなかったことに驚いた。
「……お前、恨んでないのか?」
「次郎と同じこと言いますね。でも大丈夫ですよ。あれからみんな、心機一転でがんばっていますから」
瑞貴はニコッと鬼道に微笑む。その隣で佐久間と源田が顔を顰めるが、瑞貴が振り向いたのですぐに元の表情に戻る。
「じゃあ次郎、幸次郎。本当はゆっくり話したいんだけど、そろそろ戻らないといけないから私は行くね」
「あ、ああ!」
「がんばれよ」
「うんっ! ありがとう」
鬼道に一つお辞儀をして佐久間と源田に手を振りながら瑞貴はグラウンドに向かっていく。残されたのは最初と同じように鬼道と佐久間と源田だけになった。
「……佐久間、源田」
「な、なんだ?」
「どうした鬼道」
「あいつと、いつあんなに親しげになった?」
やはりきた、と思われる質問に佐久間は視線を反らしながら「えーと……」と呟き、源田は別にバレても問題ないと思ったのか、一つ溜息をついてから話す。
「この間、部活の帰りに成神があいつを見つけてな。どうやら気に入ったらしくて、俺たちはたまたま居合わせていたからなんとなく、という感じだろう」
「まさかと思うが、帝国の情報は与えていないだろうな」
鬼道がそういうと佐久間と源田はハッキリ頷いた。
「当たり前だ。瑞貴も雷門の情報はあげないとキッチリ釘を刺している」
「俺たちもな。それにいくら成神でも帝国を売るような真似はしないだろう」
「そうか。で、話は変わるが……あいつはバカなのか?」
「「ハッ?」」
佐久間と源田は一瞬面食らったが、間を置いて理由がなんなのかわかると「ああ、なるほど」と声を上げた。
「あの試合のことは俺も言ったが、あいつは俺たちの試合がきっかけになったから、『むしろ感謝してる』って言ってた」
「普通なら恨むぐらいされてもおかしくないのに……。変わった奴だよな」
佐久間と源田が顔を見合わせて笑っていると、鬼道はグラウンドで他の選手と話している瑞貴を見ると、ニヤリと笑う。
(井上瑞貴……本当に面白い奴だな)
鬼道は瑞貴への興味がますます湧いた。
――円堂がベンチでグローブを嵌めていると、見知った人物がいたので駆け寄った。
「よっ!」
その人物は雷門夏未だった。夏未は動じることなくその場に立つ。
「本当にこの試合に勝ったら、学校でフットボールフロンティアの参加料、払ってくれるんだよな」
「ええ、約束通りに。ですが――負けたら廃部ということもお忘れなく」
「負けるもんか、絶対!」
そう言って上品に去っていく夏未。円堂はやる気の意味も込めて拳を掌に打ち付けて言った。
夏未はそのまま学校に戻らず、ある人を呼び出した。
「――瑞貴」
「ん? あっ、夏未ちゃん!」
瑞貴は先程まで話していた半田に一言言ってから夏未に駆け寄った。
「大丈夫なの? あなた、ああいった類は苦手でしょう」
「平気だよ。見ててね。私たち絶対に勝つから!」
「……それは、いかにも怯えている顔をするのをやめてから言ってちょうだい」
やる気のある言葉とは裏腹に顔を真っ青にしている瑞貴に夏未は溜息をついた。でもその顔もどこか楽しそうに笑っているのを、雷門中サッカー部とマネージャーは珍しいものを見るかのように見ていた。
ふと風丸は空気が変わったのに気づき、円堂を呼び出した。
「来たぜ、円堂!」
「ん?」
円堂を含む全員が校門のほうを振り向くと、いかにもって感じのオーラをまとった尾刈斗中サッカー部がやってきた。
「……不気味だ」
「お前が言うなって」
「アハハハ……」
影野仁の言葉に半田がツッコミを入れたのを見た瑞貴は苦笑する。