帝国の逆襲・後編!!
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瞳子が呼んだ救急車と、鬼瓦が率いたパトカーが埠頭に集まり、特に重傷の源田と佐久間が病院に運ばれることになった。
「悪いな……鬼道……。久しぶりだっていうのに……握手もできない……」
「構わない……」
「おかげで目が覚めたよ……。でも…嬉しかった……。一瞬でも…お前の見てる世界が見えたからな……」
佐久間は瑞貴に目を向ける。
「瑞貴も……ごめんな……。俺も源田も…最初はわかっていた……。体を傷つけてまで強くなったって…お前が悲しむだけなのに……」
「バカ! 次郎も幸次郎も大バカだよ!」
急にバカと呼んだ瑞貴に、さすがに全員驚いた。
「病院でも言ったよね!? 『また一緒にサッカーやろう』って! それをこんな形で……次がないサッカーなんて私は望んでない!」
瑞貴は佐久間と源田が寝る担架の間に立つ。その瞳には涙が溢れて頬を伝っていた。
「私は二人の強さなんてとっくに認めている。でも、選手生命を犠牲にしてまで勝つ強さは絶対に認めない。だから次は――私が認めている二人の本当の強さで、サッカーやろうよ!」
その言葉に源田と佐久間は目を見開き、次いで笑った。
「そうだな……」
「体…治ったら……また一緒に…サッカーやろうぜ……」
そうして二人は瑞貴との約束を心に留め、病院に運ばれて行った。
離れた場所で響木と瞳子は向かい合っていた。
「君は間違っている。監督の仕事は選手を守ることだ。それが相手チームの選手だとしても」
「選手に起こったことは、全て私が責任を負います」
「本当にこれが望んだ結末なのかね。何が君を動かしている?」
「私は勝たなければならないんです……。どんなことをしても!」
そんな二人を、離れた場所でクレーンに乗っている基山ヒロトが見ていた。
――雷門イレブンはとりあえず稲妻町に向かうことにし、キャラバンに乗り込もうとすると、瑞貴の肩が叩かれたので振り向くと忍がいた。
「あなたは……」
「小鳥遊忍。真・帝国の副キャプテンよ」
「先ほどは、私たちを助けてくれてありがとうございました」
瑞貴は忍に頭を深々と下げる。忍は一瞬なんのことだかわからなかったが、救命ボードまで案内したことを言っているのだと察する。
「敵に礼を言うなんて、あんた変わってるわね」
「試合が終われば、敵も味方も関係ないです。同じサッカープレーヤーなんですから」
瑞貴がそう言って笑うと、忍も呆れたように微笑んだ。
「あいつらをお願いね。私たちは目的を持って集まったとはいえ、チームメイトには変わりないんだもの」
「ええ。彼らは私の大事な友達ですし」
忍だって、佐久間と源田が認めてもらいたい相手が瑞貴だということは、過ごしてきた中で知っていた。ここまで脈がないと、さすがに二人が哀れだと思う。
瑞貴がそんな様子にキョトンとした顔をすると、忍はどこからか取り出したメモに何かを書き記すと、瑞貴に渡した。
「これ、私の携帯の番号とメアド。あいつらの様子がわかったら連絡するから、あんたも何かあったら連絡してきて。……私、あんたと友達になれそうだし」
瑞貴は一つ目を閉じて、忍からメモを受け取る。
「私は井上瑞貴。よろしくね。――忍ちゃん」
「ええ、よろしく。――瑞貴」
笑顔を浮かべる瑞貴を見て忍も微笑む。そして忍は事情聴取を受けるために警察へ、瑞貴はキャラバンへ乗り込んだ。
☆副キャプテン 今日の格言☆
認めてもらうために、選手生命を絶たせるなんて絶対望んでない。
以上!!