帝国の逆襲・前編!!
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それから外で待機していた雷門イレブンもフィールドに集まり、向こうもメンバーを集めてベンチでミーティングをする。
「鬼道くん。佐久間くんと源田くんは、君のチームメイトだったんでしょ?」
「『だった』ではありません。『今でも』チームメイトです」
「そう。今日の試合、あなたに任せるわ」
「ありがとうございます」
瞳子に礼をした鬼道の両肩を、円堂と瑞貴がそれぞれ手を置く。
「鬼道、やろうぜ」
「次郎と幸次郎の目を覚まさせてやろう」
「だが、相手はあの影山だ……。どんな汚い手を使ってでも勝とうとしてくる」
警戒するように鬼道は言うが、円堂と瑞貴は少しも臆さず笑っている。
「どんなに汚いやり方でも、俺たちは正々堂々と打ち破ってやる!」
「うん! みんなもそうでしょ!?」
「「「「「オウッ!!」」」」」
みんなが高らかに拳を上げると、ベンチ入りの栗松鉄平と目金欠流以外ピッチへと入る。鬼道はそんな仲間たちを頼もしく思い微笑んだ。
雷門にならうように真・帝国もピッチに入ると、木暮が瑞貴のユニフォームの裾をつかむ。
「どうしたの?」
「瑞貴姉……。宇宙人も怖かったけど、こいつらもおっかねぇ……」
他の人には見せなかった弱みを見せてくれたので、瑞貴は木暮の目線に合わせるようにしゃがみこんで手を合わせる。
「大丈夫だよ。相手は宇宙人じゃなくて、同じ地球人だよ」
「でも……」
「――夕弥、私からお願いがあるの」
「お願い?」
こんな状況で出てきた瑞貴の『お願い』に、木暮は少なからず驚いた。
「この試合、私は大事な友達が間違った道に歩ませないために戦う。だから、夕弥にも協力して欲しいの。一緒に戦うかどうかは任せる。もちろん、断っても構わないから」
木暮は瑞貴の手が震えていることに気づき、ピッチにいる佐久間と源田に顔を向ける。
(俺から見たら、あの二人は瑞貴姉を裏切った……)
漫遊寺にいた頃、瑞貴は信じていたチームメイトに裏切られたと話した。同じことが今、再び起きている。
(だけど、それでも瑞貴姉は助けたいって思っているんだ……)
不安な表情から打って変わり、木暮は瑞貴の手をギュッと強く握る。
「瑞貴姉……俺、やるよ! 瑞貴姉の友達を救うの、協力するから!」
迷いがなくなったどころか、やる気を出してくれた木暮に、瑞貴は心から嬉しく思って立ち上がり、「ありがとう」と木暮に礼を言った。そしてお互いポジションに着く。
鬼道は向かいにいる佐久間を見て、あのとき言った言葉を思い返す。
『俺たちには――秘策があるのさ!』
(まさか、あれを使う気じゃないだろうな……? あれは……『あの技』は……!)
佐久間も源田も鬼道を見たあと、瑞貴に目を移す。
(瑞貴……俺は強くなった!)
(これなら、お前も俺を認めてくれる!)
たくさんの思いが交差する中、試合開始のホイッスルが鳴り響く。
《さあ、ついに始まりました! 雷門中対真・帝国学園の試合!》
角馬圭太も実況が響く中、真・帝国からのキックオフ。ドリブルをする不動を中心に上がって行く。
「佐久間!見せてやれよ、お前の力を!」
不動は佐久間にパスすると、それを佐久間は胸で受け止めてボールを足元に置く。
しかし、佐久間は円堂と一対一の状態なのに動かない。対して円堂は、いつ仕掛け来てもいいように構える。
「はあぁぁあああ……うおおぉぉおおお!!」
「やめろ! 佐久間!」
何かを察した鬼道の制止も聞かず、佐久間は指笛を吹く。すると佐久間の周りに赤いペンギンが地面から五羽出てきた。
「それは……禁断の技だ!」
「皇帝ペンギン……」
上げた右足にペンギンが噛み付いたのも構わず、佐久間はそのまま振り下げてシュートする。
「1号!」
「やめろぉ――っ!!」
☆副キャプテン 今日の格言☆
大事な友達が、これ以上間違った道を歩ませないために戦う
以上!!