帝国の逆襲・前編!!
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「有人!」
「大丈夫か!?」
瑞貴と円堂は鬼道の元に駆け寄り手を差し出すが、鬼道はそれを拒んで立ち上がる。
「佐久間……」
「敗北の屈辱は勝利の喜びで拭うしかないんだよ」
鬼道に当てたボール拾っていた不動が佐久間にパスすると、佐久間はまた鬼道に向かってシュートを放った。
「ぐぅうう!」
「鬼道!」
「次郎! もうやめて!」
「やめろ瑞貴……。これは…俺とこいつらの問題だ……」
「そうそう。手を出さないほうがいいぜ」
佐久間を止めようとした瑞貴を鬼道が拒み、不動もそれに賛同して佐久間に再びパスする。
「どうしても……影山から離れないのか……!?」
「そうだ。総帥だけが俺たちを強くしてくれるんだ!」
源田も、さらにボールをぶつける佐久間も、鬼道より影山を選んだとハッキリ示す。
「俺たちのサッカーは……!」
「『俺たちのサッカー』?俺たちのサッカーは負けたじゃないか!」
もう一度佐久間がシュートを撃つと、瑞貴はすかさず鬼道の前に出て両腕を広げる。
「瑞貴!」
「なっ!?」
源田にとっても佐久間にとっても予想外のことなので、目を見開いたが、瑞貴にボールが当たる前に円堂がキャッチしてくれた。
「瑞貴……。円堂……」
「影山に従う奴らに、『俺たちのサッカー』なんて言わせない……。俺は今まで、サッカーを楽しめばいいと思ってきた、勝ち負けはその結果だって」
全員ただ何も言わず円堂の言葉を聞いている。
「だけど、今日は違う。お前たちの間違いを気づかせるためには、戦って……絶対に勝ってみせる! 見せてやるよ! 本当の『俺たちのサッカー』を!」
円堂は拳を前に突き出した。
「フッフッフッ」
「フッ」
「今度はお前が敗北の屈辱を味わうことになる」
不動と源田と佐久間は背を向けて去ろうとしたが、佐久間が片目だけこちらを向いた。
「俺たちには――秘策があるのさ!」
「おぉっと、それまで。敵に情報を教えちゃダメだぜぇ? まあ、せいぜいがんばるんだな」
佐久間の『秘策』という言葉に鬼道は反応した。
「次郎……。幸次郎……」
震えながら名を呼ぶ声に佐久間と源田は顔だけ振り向くと、瑞貴が涙を流しながらその場に膝をついていた。
「どうして……」
「「っ!」」
その姿に二人共彼女の元へ行きたいという気持ちが出てきたが、それを阻止するように不動が二人の肩を組む。
「今はほっとけよ。勝ったらあいつも認めてくれるさ。――お前たちは強いってことがな」
不動の言葉に源田とも佐久間も、そのままフィールドを去って行く足を進めた。
そのうしろで、不動は前方の源田と佐久間を見たあと、チラッと円堂と鬼道に支えられて立つ瑞貴を見る。
(マジであいつにベタ惚れだねぇ)
先ほどの鬼道に話したことには、一つ隠していることがある。源田と佐久間が完全に不動の策に堕ちたのは、ある言葉だった。
『あの鬼道よりも……。強くなるためならなんでもする……悪魔に魂を売ってもいい……だろう? だろう!?』
これで堕ちる、不動はそう思っていたが……。
『ダメだ……!』
『それじゃ、瑞貴が悲しむ……!』
『!?』
不動はそれでも拒む源田と佐久間に驚く。二人の脳裏に浮かぶ瑞貴の笑顔を裏切ることなど、佐久間にも源田にもできなかった。
ふと影山に『二人は雷門中の井上瑞貴に好意を持っている』という言葉を思い出し、彼女の存在が二人を闇に堕ちるストッパーになっているとわかった。
しかし不動には新たな作戦が思い浮かぶ。
『その瑞貴って奴もよぉ、強い奴が好きなんだろ? だから雷門中の円堂守を相棒にした』
『『っつ!』』
佐久間の必殺技・ツインブーストや皇帝ペンギン2号も、源田の必殺技・フルパワーシールドも、敗れたのは全て円堂が関連している。円堂が自分たちより強いというのはわかっていた。
『そのままじゃ、ずっと「仲のいい友達」のままだぜぇ? 嫌だろ!? 強くなれば、絶対にそいつも、お前らを認めてくれるさ!』
不動の『絶対』という言葉に、二人は完全に堕ちた。彼女を自分だけのモノにしたい……それが尚、強さを欲するようになった。
(ホント、あんなバカ女のどこがいいんだか)
不動にはそれがわからなかった。
「大丈夫か!?」
瑞貴と円堂は鬼道の元に駆け寄り手を差し出すが、鬼道はそれを拒んで立ち上がる。
「佐久間……」
「敗北の屈辱は勝利の喜びで拭うしかないんだよ」
鬼道に当てたボール拾っていた不動が佐久間にパスすると、佐久間はまた鬼道に向かってシュートを放った。
「ぐぅうう!」
「鬼道!」
「次郎! もうやめて!」
「やめろ瑞貴……。これは…俺とこいつらの問題だ……」
「そうそう。手を出さないほうがいいぜ」
佐久間を止めようとした瑞貴を鬼道が拒み、不動もそれに賛同して佐久間に再びパスする。
「どうしても……影山から離れないのか……!?」
「そうだ。総帥だけが俺たちを強くしてくれるんだ!」
源田も、さらにボールをぶつける佐久間も、鬼道より影山を選んだとハッキリ示す。
「俺たちのサッカーは……!」
「『俺たちのサッカー』?俺たちのサッカーは負けたじゃないか!」
もう一度佐久間がシュートを撃つと、瑞貴はすかさず鬼道の前に出て両腕を広げる。
「瑞貴!」
「なっ!?」
源田にとっても佐久間にとっても予想外のことなので、目を見開いたが、瑞貴にボールが当たる前に円堂がキャッチしてくれた。
「瑞貴……。円堂……」
「影山に従う奴らに、『俺たちのサッカー』なんて言わせない……。俺は今まで、サッカーを楽しめばいいと思ってきた、勝ち負けはその結果だって」
全員ただ何も言わず円堂の言葉を聞いている。
「だけど、今日は違う。お前たちの間違いを気づかせるためには、戦って……絶対に勝ってみせる! 見せてやるよ! 本当の『俺たちのサッカー』を!」
円堂は拳を前に突き出した。
「フッフッフッ」
「フッ」
「今度はお前が敗北の屈辱を味わうことになる」
不動と源田と佐久間は背を向けて去ろうとしたが、佐久間が片目だけこちらを向いた。
「俺たちには――秘策があるのさ!」
「おぉっと、それまで。敵に情報を教えちゃダメだぜぇ? まあ、せいぜいがんばるんだな」
佐久間の『秘策』という言葉に鬼道は反応した。
「次郎……。幸次郎……」
震えながら名を呼ぶ声に佐久間と源田は顔だけ振り向くと、瑞貴が涙を流しながらその場に膝をついていた。
「どうして……」
「「っ!」」
その姿に二人共彼女の元へ行きたいという気持ちが出てきたが、それを阻止するように不動が二人の肩を組む。
「今はほっとけよ。勝ったらあいつも認めてくれるさ。――お前たちは強いってことがな」
不動の言葉に源田とも佐久間も、そのままフィールドを去って行く足を進めた。
そのうしろで、不動は前方の源田と佐久間を見たあと、チラッと円堂と鬼道に支えられて立つ瑞貴を見る。
(マジであいつにベタ惚れだねぇ)
先ほどの鬼道に話したことには、一つ隠していることがある。源田と佐久間が完全に不動の策に堕ちたのは、ある言葉だった。
『あの鬼道よりも……。強くなるためならなんでもする……悪魔に魂を売ってもいい……だろう? だろう!?』
これで堕ちる、不動はそう思っていたが……。
『ダメだ……!』
『それじゃ、瑞貴が悲しむ……!』
『!?』
不動はそれでも拒む源田と佐久間に驚く。二人の脳裏に浮かぶ瑞貴の笑顔を裏切ることなど、佐久間にも源田にもできなかった。
ふと影山に『二人は雷門中の井上瑞貴に好意を持っている』という言葉を思い出し、彼女の存在が二人を闇に堕ちるストッパーになっているとわかった。
しかし不動には新たな作戦が思い浮かぶ。
『その瑞貴って奴もよぉ、強い奴が好きなんだろ? だから雷門中の円堂守を相棒にした』
『『っつ!』』
佐久間の必殺技・ツインブーストや皇帝ペンギン2号も、源田の必殺技・フルパワーシールドも、敗れたのは全て円堂が関連している。円堂が自分たちより強いというのはわかっていた。
『そのままじゃ、ずっと「仲のいい友達」のままだぜぇ? 嫌だろ!? 強くなれば、絶対にそいつも、お前らを認めてくれるさ!』
不動の『絶対』という言葉に、二人は完全に堕ちた。彼女を自分だけのモノにしたい……それが尚、強さを欲するようになった。
(ホント、あんなバカ女のどこがいいんだか)
不動にはそれがわからなかった。