帝国の逆襲・前編!!
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それからキャラバンは愛媛に着き、瞳子の指示を待つ間コンビニで食事を取ることにした。
瑞貴と染岡はおにぎり、吹雪はサンドイッチを選び、キャラバンの中で食べている。
「帝国学園ってそんなに強かったの?」
「うん。強かったよ」
「最初は、俺たち手も足もでなかったんだ……」
二人の脳裏に浮かぶのは最初の練習試合。体を痛めつけられたり、ゴールを何本も入れられたりなど、圧倒的な実力の差を見せ付けられた。
「でも私たちは、特訓に特訓を繰り返して、ついにあいつらに勝ったんだ!」
フットボールフロンティア地区予選の決勝、全員一丸となってついに無敗と謳われた帝国学園に実力で勝利したのだ。
「だから帝国だろうが、真・帝国だろうが、絶対負けない! ……それに、今じゃ俺たち最強トリオがいるんだからな!」
「うん」
「そうだね」
初対面の空気はどこにいったのやら、染岡は吹雪を仲間としてだけではなく、自分と肩を並べて戦う存在と認めている。
瑞貴はそれが嬉しく思い、残りのおにぎりを口の中に入れた。
「瑞貴ちゃん、ご飯粒がついてるよ」
「どこ?」
「ここ」
チュ。
吹雪は瑞貴の頬に付いた米粒をキスして取った。これには瑞貴も、隣にいる染岡も顔を赤くせざるを得なかった。
「わわわ私! ゴミ、捨ててくる!」
羞恥のあまり瑞貴はすぐに席を立ってキャラバンから出て行った。
それを見た吹雪は「可愛いなぁ」と笑ってサンドイッチをひと口食べる。
「……おい吹雪。お前、それ他の奴らがいる前でするなよ」
「う~ん。それはムリだね」
「ハァ!?」
「だって僕、瑞貴ちゃんを他の人に取られたくないし」
爆弾発言を落とした吹雪はニコニコとサンドイッチを食べ、染岡は石化するのだった。
一方、瑞貴は吹雪の大胆な行動から逃げてきたとはいえ、ちゃんとゴミを捨ててきた。
「うん……。じゃあ、また今度連絡するから!」
ふと聞こえてきた声に反応すると、コンビニの陰で円堂が座っていた。携帯を持っていたということは、電話していたのだろう。
「電話してたの?」
「瑞貴。ああ、母ちゃんとな。ちゃんと勉強してるかって聞かれたよ……」
「アハハ……」
旅に出ているとはいえ、もともとはみんな普通の中学生なのだ。瞳子は特訓だけでなく、マネージャーも含めて全員にちゃんと勉強させている。
ポン、ポン――……。
「「ん?」」
ボールが弾む音に円堂と瑞貴が目を向けると、少年がリフティングをしていた。それに円堂が反応しないわけなく、少年に話しかけに行く。
「なぁ、君もサッカー……」
「フッ」
なんと少年は振り向いた途端、いきなり円堂にシュートを撃ってきたのだ。円堂は驚いたがそれをキャッチする。
「おっせぇ」
「円堂くん!?」
騒ぎを聞きつけて、秋や夏未を始め全員が集まる。
「なんだよ、いきなり!」
「誰?」
「愛媛まで時間がかかり過ぎじゃねぇ、ってこと」
挑発しているとわかっているが、瑞貴はムッとする。