帝国の逆襲・前編!!
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木暮夕弥がいつの間にかキャラバンに乗っていたので、吉良瞳子は漫遊寺中に連絡していた。当の本人の木暮以外全員が、瞳子の様子をキャラバンの中から見ている。
「あの様子だと、夕弥がキャラバンに参加する許可は取れたみたいだね」
「ああ」
井上瑞貴と風丸一郎太がそう言うと、全員が木暮に視線を向ける。本人は何か作業しているようだ。
「オレは反対でヤンス! こんな奴――」
「うわぁぁあぁぁ!!」
栗松鉄平が言い終える前に目金欠流が何やら叫びだした。そして木暮の手に持っていたものを奪い取る。それは口の周りが油性ペンで髭のように描かれているフィギュアだった。
「僕のレイナちゃんが~」
「ウッシッシッシッ」
目金が涙目でフィギュアを 擦りしている。木暮はもちろん悪びれている様子はない。
「ぼ、僕もこんな奴が雷門イレブンに入るのは絶対反対です!」
「フンッ! たかがおもちゃくらいで」
「なにをー!」
両手を後頭部に当てて言う木暮に目金は反論する。
「ん? ……あー!」
「今度はなんだよ?」
次に悲鳴をあげたのは栗松だった。円堂守が言って栗松が持ち上げたのに目を向ける。そこには表紙が落書きだらけの雑誌だった。
「オレの雑誌が……」
「ウッシッシッシッ」
「木暮くん!」
声を上げたのは音無春奈だった。隣にいた財前搭子は響かないように両耳を塞いでいた。
「みんなに謝りなさい。ちゃんと謝らないと漫遊寺に帰ってもらうからね」
「……ごめんよ」
躊躇いつつ眉を下げて謝った木暮だが、栗松と目金は許せないようだ。円堂は三人の間に入って目金と栗松をなだめる。
「まあ、本人も謝ってるんだからさ。なっ! 目金、栗松」
「キャプテンにそう言われちゃ……仕方ないでヤンス」
円堂の信頼があるからか、栗松も目金も木暮を睨むのをやめた。さすがキャプテンだなと瑞貴が思っていると同時に、何か忘れている気がした。
すると電話を終えた瞳子がキャラバンに乗車した。
「行くわよ」
「よーし、出発だ! ――あら?」
「危ない!」
一歩踏み出そうとした円堂が前方に倒れそうになると、瑞貴が寸前で受け止めた。しかし急なことだったので対処できずに瑞貴を下敷きにして倒れてしまった。
「「「「「あ――っ!!」」」」」
「守、大丈夫?」
「あぁ、なんとかな。サンキュ。で……木暮――っ!!」
円堂のシューズは靴紐が一緒に結ばれていた。これも木暮の仕業だろう。円堂がなだめている間にしゃがみこんでいたからだ。
「……円堂、今すぐ離れろ」
低く響いた風丸の声に瑞貴と円堂が振り向き――後悔した。今の風丸は目が妖しく光っていて髪も風もないのにふわふわと浮いてる。
(なんか、ダークエンペラーズになってる……)
瑞貴はそう思ったが、それもそのはず。周りから見ると円堂が瑞貴を押し倒している状態なのだ。
染岡竜吾は嫌な予感がして周りを見ると、マネージャーと搭子の女子を始め、鬼道有人や一之瀬一哉や土門飛鳥、しかも吹雪士郎までもが黒いオーラを出している。目金と栗松と壁山塀吾郎は青ざめながらブルブルと震えていた。
瞳子もこの光景に慣れたので溜息を吐いた。円堂は瑞貴から離れて「ごめん!」と素直に謝ったので、なんとか風丸たちの黒いオーラは治まった。
「夕弥!」
ビクッと肩を震わす木暮。次に怒鳴り声を上げたのは瑞貴だった。メンバーはその様子に目を丸くしている。
「守はあんたをかばったのにイタズラしちゃいけません! ちゃんと守に謝りなさい」
ほら、と言って瑞貴は木暮を円堂に向かい合わす。未だに目を丸くしている円堂に木暮は瑞貴を見ると頷いていた。
「ごめん……」
「あっ、うん」
「えらいえらい」
瑞貴が木暮の頭を撫でると、木暮は嬉しそうに笑っていた。
「瑞貴先輩と私の扱いの差がありすぎ……! しかも、頭を撫でられるなんて……!」
嫉妬の炎をメラメラと燃やしていた春奈に、搭子はとばっちりを受けないように静かにその場から離れた。
「あの様子だと、夕弥がキャラバンに参加する許可は取れたみたいだね」
「ああ」
井上瑞貴と風丸一郎太がそう言うと、全員が木暮に視線を向ける。本人は何か作業しているようだ。
「オレは反対でヤンス! こんな奴――」
「うわぁぁあぁぁ!!」
栗松鉄平が言い終える前に目金欠流が何やら叫びだした。そして木暮の手に持っていたものを奪い取る。それは口の周りが油性ペンで髭のように描かれているフィギュアだった。
「僕のレイナちゃんが~」
「ウッシッシッシッ」
目金が涙目でフィギュアを 擦りしている。木暮はもちろん悪びれている様子はない。
「ぼ、僕もこんな奴が雷門イレブンに入るのは絶対反対です!」
「フンッ! たかがおもちゃくらいで」
「なにをー!」
両手を後頭部に当てて言う木暮に目金は反論する。
「ん? ……あー!」
「今度はなんだよ?」
次に悲鳴をあげたのは栗松だった。円堂守が言って栗松が持ち上げたのに目を向ける。そこには表紙が落書きだらけの雑誌だった。
「オレの雑誌が……」
「ウッシッシッシッ」
「木暮くん!」
声を上げたのは音無春奈だった。隣にいた財前搭子は響かないように両耳を塞いでいた。
「みんなに謝りなさい。ちゃんと謝らないと漫遊寺に帰ってもらうからね」
「……ごめんよ」
躊躇いつつ眉を下げて謝った木暮だが、栗松と目金は許せないようだ。円堂は三人の間に入って目金と栗松をなだめる。
「まあ、本人も謝ってるんだからさ。なっ! 目金、栗松」
「キャプテンにそう言われちゃ……仕方ないでヤンス」
円堂の信頼があるからか、栗松も目金も木暮を睨むのをやめた。さすがキャプテンだなと瑞貴が思っていると同時に、何か忘れている気がした。
すると電話を終えた瞳子がキャラバンに乗車した。
「行くわよ」
「よーし、出発だ! ――あら?」
「危ない!」
一歩踏み出そうとした円堂が前方に倒れそうになると、瑞貴が寸前で受け止めた。しかし急なことだったので対処できずに瑞貴を下敷きにして倒れてしまった。
「「「「「あ――っ!!」」」」」
「守、大丈夫?」
「あぁ、なんとかな。サンキュ。で……木暮――っ!!」
円堂のシューズは靴紐が一緒に結ばれていた。これも木暮の仕業だろう。円堂がなだめている間にしゃがみこんでいたからだ。
「……円堂、今すぐ離れろ」
低く響いた風丸の声に瑞貴と円堂が振り向き――後悔した。今の風丸は目が妖しく光っていて髪も風もないのにふわふわと浮いてる。
(なんか、ダークエンペラーズになってる……)
瑞貴はそう思ったが、それもそのはず。周りから見ると円堂が瑞貴を押し倒している状態なのだ。
染岡竜吾は嫌な予感がして周りを見ると、マネージャーと搭子の女子を始め、鬼道有人や一之瀬一哉や土門飛鳥、しかも吹雪士郎までもが黒いオーラを出している。目金と栗松と壁山塀吾郎は青ざめながらブルブルと震えていた。
瞳子もこの光景に慣れたので溜息を吐いた。円堂は瑞貴から離れて「ごめん!」と素直に謝ったので、なんとか風丸たちの黒いオーラは治まった。
「夕弥!」
ビクッと肩を震わす木暮。次に怒鳴り声を上げたのは瑞貴だった。メンバーはその様子に目を丸くしている。
「守はあんたをかばったのにイタズラしちゃいけません! ちゃんと守に謝りなさい」
ほら、と言って瑞貴は木暮を円堂に向かい合わす。未だに目を丸くしている円堂に木暮は瑞貴を見ると頷いていた。
「ごめん……」
「あっ、うん」
「えらいえらい」
瑞貴が木暮の頭を撫でると、木暮は嬉しそうに笑っていた。
「瑞貴先輩と私の扱いの差がありすぎ……! しかも、頭を撫でられるなんて……!」
嫉妬の炎をメラメラと燃やしていた春奈に、搭子はとばっちりを受けないように静かにその場から離れた。