かくされた力!
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「消えた!?」
「イプシロンがいない……」
「3分、経ってる……」
最後はほとんどムリ矢理とはいえ、宣言通りに3分で試合を終わらせた。
「木暮くんスゴい!」
「デザームのシュートを止めたでヤンス!」
「偶然でしょ。いわゆるビジナーズラックですよ」
「偶然だけかしら?」
「……そうですよ! あれこそ、木暮くんの実力なんだと思います!」
「褒めすぎですよ、音無さん!」
瞳子も木暮の実力に気づいている。彼に最初から目をつけていた春奈がさらに嬉しそうな声を上げると目金が否定の声を上げた。
春奈と目金が言い合う中、瞳子は漫遊寺の校舎を見上げる。秋もその方向を追って見たが誰もいない。
「監督、どうかしたんですか?」
「いいえ。なんでもないわ」
今は誰もいないが、そこは赤髪の少年がいた場所だった――。
なんであれ、やっと試合が終わった木暮は安堵の溜息を漏らす。
「やったね木暮くん!」
「えぇ!?」
「お前、奴らのシュートをカットしたんだぜ!」
「夕弥、よくやったよ!」
春奈や円堂や瑞貴に言われても木暮は呆然としている。
「やっぱり、意外性があったね!」
「ああ! 結構やるもんだな」
「ホントだよね。補欠にしとくの勿体ないよ!」
三人の言葉に便乗するように一之瀬も土門も搭子も木暮を褒め称え、円堂と瑞貴は拳をギュッと握る。
「ってことだ!」
「夕弥はスゴいよ!」
するとだんだん実感が湧いたのか、木暮は頬を赤くして嬉しそうな顔をする。
「そうさ……。俺、スゴいんだ! ウッシッシッシッ!」
「大したものだ、木暮!」
「見事だったぞー!」
「「「「「わあぁぁあああ!!」」」」」
垣田や影田巡たち漫遊寺イレブンが木暮に駆け寄ろうとすると、大きな落とし穴に全員嵌ってしまった。なんと底には剣山があり、漫遊寺イレブンは間一髪で落ちるのを免れた。
「大丈夫ですか……?」
「木暮ぇえぇえぇぇ!!」
「ウッシッシッシッ! 遅いんだよ! 今頃俺がスゴいってわかったのか!?」
なんと木暮もピッチの外にいた。
「こ――」
「夕弥! さすがにこれはやりすぎだよ!」
「いっ!?」
春奈が言う前に瑞貴が木暮を叱った。義姉に怒られた木暮は逃げるように走って行く。
「お待ちください!」
木暮のあとを追おうとした春奈を止めたのは、編み笠を被って杖をつく老人だった。
円堂に助けられて落とし穴から出る垣田が、彼を「監督……」と呼んだということは、彼は漫遊寺サッカー部の監督なのだろう。先に瞳子が彼を訪ねる。
「漫遊寺中サッカー部の?」
「はい」
「今までどちらに?」
「この子たちが我が校を守るためにいかにするか、その決断もまた修練……。勝つも負けるも人生のムダにはならぬと何も言わずに見守っておりました。あなた方と共に戦った、木暮とて同じことですじゃ」
漫遊寺中の監督は彼らが自分たちの道をどう進むか見守っていたのだ。自分が何かを言って決めるのではなく、自分たちで考えて決めるのが大切なことだとわかっている。
「イプシロンがいない……」
「3分、経ってる……」
最後はほとんどムリ矢理とはいえ、宣言通りに3分で試合を終わらせた。
「木暮くんスゴい!」
「デザームのシュートを止めたでヤンス!」
「偶然でしょ。いわゆるビジナーズラックですよ」
「偶然だけかしら?」
「……そうですよ! あれこそ、木暮くんの実力なんだと思います!」
「褒めすぎですよ、音無さん!」
瞳子も木暮の実力に気づいている。彼に最初から目をつけていた春奈がさらに嬉しそうな声を上げると目金が否定の声を上げた。
春奈と目金が言い合う中、瞳子は漫遊寺の校舎を見上げる。秋もその方向を追って見たが誰もいない。
「監督、どうかしたんですか?」
「いいえ。なんでもないわ」
今は誰もいないが、そこは赤髪の少年がいた場所だった――。
なんであれ、やっと試合が終わった木暮は安堵の溜息を漏らす。
「やったね木暮くん!」
「えぇ!?」
「お前、奴らのシュートをカットしたんだぜ!」
「夕弥、よくやったよ!」
春奈や円堂や瑞貴に言われても木暮は呆然としている。
「やっぱり、意外性があったね!」
「ああ! 結構やるもんだな」
「ホントだよね。補欠にしとくの勿体ないよ!」
三人の言葉に便乗するように一之瀬も土門も搭子も木暮を褒め称え、円堂と瑞貴は拳をギュッと握る。
「ってことだ!」
「夕弥はスゴいよ!」
するとだんだん実感が湧いたのか、木暮は頬を赤くして嬉しそうな顔をする。
「そうさ……。俺、スゴいんだ! ウッシッシッシッ!」
「大したものだ、木暮!」
「見事だったぞー!」
「「「「「わあぁぁあああ!!」」」」」
垣田や影田巡たち漫遊寺イレブンが木暮に駆け寄ろうとすると、大きな落とし穴に全員嵌ってしまった。なんと底には剣山があり、漫遊寺イレブンは間一髪で落ちるのを免れた。
「大丈夫ですか……?」
「木暮ぇえぇえぇぇ!!」
「ウッシッシッシッ! 遅いんだよ! 今頃俺がスゴいってわかったのか!?」
なんと木暮もピッチの外にいた。
「こ――」
「夕弥! さすがにこれはやりすぎだよ!」
「いっ!?」
春奈が言う前に瑞貴が木暮を叱った。義姉に怒られた木暮は逃げるように走って行く。
「お待ちください!」
木暮のあとを追おうとした春奈を止めたのは、編み笠を被って杖をつく老人だった。
円堂に助けられて落とし穴から出る垣田が、彼を「監督……」と呼んだということは、彼は漫遊寺サッカー部の監督なのだろう。先に瞳子が彼を訪ねる。
「漫遊寺中サッカー部の?」
「はい」
「今までどちらに?」
「この子たちが我が校を守るためにいかにするか、その決断もまた修練……。勝つも負けるも人生のムダにはならぬと何も言わずに見守っておりました。あなた方と共に戦った、木暮とて同じことですじゃ」
漫遊寺中の監督は彼らが自分たちの道をどう進むか見守っていたのだ。自分が何かを言って決めるのではなく、自分たちで考えて決めるのが大切なことだとわかっている。