あみだせ必殺技!
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「な、何……?」
「井上瑞貴先輩ですよね!? 私、新聞部の音無春奈といいます。今日からサッカー部のマネージャーを勤めさせていただきます!」
「あっ、うん……。よろしく」
キラキラと目を輝かせて見つめてくる春奈の瞳に瑞貴は圧倒され、春奈から「どうぞ!」と言って差し出されたドリンクを受け取る。
「私、帝国との試合で雷門中サッカー部のファンになっちゃって。特に井上先輩の!」
「あ、ありがとう音無さん」
「嫌だなぁ~音無だなんて水臭いです! 春奈って呼んでください!」
「わ、わかった。私のことも名前で呼んでいいから」
「やったー!」
そういうと春奈は飛び上がらんばかりに喜んで瑞貴に再び抱きつく。春奈のテンションに驚くばかりである瑞貴は苦笑するしかなかった。
どこかで「やっぱり音無じゃなくてやかましだ」と言った者がいたとかいないとか。
☆☆☆☆☆
あれから尾刈斗中との試合に向けて練習の日々が続く。染岡のシュートは日に日に威力上がっていった。普通のノーマルシュートとは思えないほどだ。
「よーし! いいぞ染岡ー。もう一回やってみようぜ!」
「オウッ!」
最初の頃より調子が良くなってきて瑞貴は嬉しそうに笑う。
チラッと瑞貴は橋を見ると豪炎寺が今日も来ていた。あの病院以来豪炎寺は毎日練習を見に来てくれていた。すると見覚えのある黒い車が通り、豪炎寺のそばに止まる。それがなんなのかわかると瑞貴は一つ微笑んで練習に戻った。
何度目か送られたパスを瑞貴は受け取ると染岡に渡す。
「竜吾!」
パスを受けとった染岡はそのままシュートを放つ。しかしそれはいつもと違っていた。
なんと青いドラゴンが吠えてゴールへと向かう。それに円堂も対応できずに驚いていると、ボールはそのままゴールに入った。その様子に瑞貴と染岡以外は呆気に取られていた。
「スッゲー……」
「今までのシュートと、まるで違う……」
「今なんかドラゴンがガーッと吠えたような……」
「僕もそんな感じしましたよ……」
栗松と風丸が驚き、半田も手でドラゴンを表現して少林寺も同意する。ついに完成したのだ。染岡の――染岡竜吾シュートが。
自分でも実感が湧かないのか、ひと言も声を上げない染岡。円堂は嬉しさのあまりに染岡の元へ駆け寄る。
「染岡! スッゲーシュートだったな!」
「これだ……これが俺のシュートだ!」
「ああ! やったな!」
「スゴいよ竜吾!」
ガバッ!
「えっ?」
「「「「「ああぁぁあああ!!」」」」
「なっ!?」
瑞貴は染岡に抱きついた。突然の円堂は目を丸くし、他のメンバーは声を上げ、染岡は顔を赤くする。
「自分だけのシュート、見つけたね!」
瑞貴がそう言うと染岡は今までのことを思い出した。
尾刈斗中との試合が決まり豪炎寺に負けたくないという心が練習にも現れ、仲間にも危害が及ぶプレーをしていたとき目を覚まさせてくれ、練習にもつきあってもらいシュートが入らないことに悩んでいると相談に乗ってくれたのも瑞貴だ。
「瑞貴、ありがとな」
「うん!」
染岡は感謝の気持ちを表し礼を言って瑞貴の頭を撫でた。そのことが嬉しかったのか瑞貴も頬をほころばす。
「「いつまでくっついてんだ!」」
ベリッと風丸と半田が瑞貴と染岡を引き剥がす。瑞貴は風丸と半田の本心には全く気づいていなかった。
「よし。このシュートに名前つけようぜ!」
「あっ、それいいね」
円堂が提案すると松野も賛成し、みんな口々に「竜吾シュート」「ドラゴンシュート」「染岡スペシャル」「ドラゴン染岡スペシャルシュート」という名前が上がっていく。微笑ましい光景に瑞貴も笑った。
するとその場に足音が聞こえる。円堂と瑞貴が顔を向けると豪炎寺がやってきた。
「あっ、豪炎寺」
「豪炎寺くん……」
その名前に嬉しそうな声を上げる一年、驚く二年、そして敵意を剥きだしている染岡。豪炎寺は黙って雷門イレブンに近づく。
「円堂、井上、俺……――やるよ」
瞳を開けた豪炎寺に出ている強い意志。円堂はそれに気づくと笑顔になった。
「豪炎寺!」
嬉しそうに声を上げる円堂と特に喜ぶ一年たち。喜びの声が上がる中、瑞貴は先程まで豪炎寺がいた橋に視線を向ける。
「……ありがとう、夏未ちゃん」
夏未が乗っていた車が去ったであろう方角に向け、瑞貴はポツリと呟いた。
「井上」
声をかけられたので振り向くと豪炎寺が瑞貴のもとへ歩み寄った。そのうしろでは彼の入部の決意に嬉しそうな声が聞こえる。瑞貴は一度目を閉じて豪炎寺に向き直った。
「豪炎寺くん、これからよろしくお願いします」
深々と礼をすると豪炎寺は顔を上げるように肩を叩く。瑞貴はその手に驚いて顔を上げると豪炎寺の優しい微笑みがあった。
「修也でいい。――瑞貴」
「うん!」
その言葉の意味に気づいた瑞貴は満面の笑みを浮かべた。
豪炎寺はそれを愛しそうに見つめ、その視線に気づいた半田と風丸が顔をしかめていたことや、複雑そうな顔をした円堂がいたことに気づかなかった。
☆副キャプテン 今日の格言☆
人間は『誰か』を目標にすることはできても『誰かに』なれるわけじゃない。
以上!!
「井上瑞貴先輩ですよね!? 私、新聞部の音無春奈といいます。今日からサッカー部のマネージャーを勤めさせていただきます!」
「あっ、うん……。よろしく」
キラキラと目を輝かせて見つめてくる春奈の瞳に瑞貴は圧倒され、春奈から「どうぞ!」と言って差し出されたドリンクを受け取る。
「私、帝国との試合で雷門中サッカー部のファンになっちゃって。特に井上先輩の!」
「あ、ありがとう音無さん」
「嫌だなぁ~音無だなんて水臭いです! 春奈って呼んでください!」
「わ、わかった。私のことも名前で呼んでいいから」
「やったー!」
そういうと春奈は飛び上がらんばかりに喜んで瑞貴に再び抱きつく。春奈のテンションに驚くばかりである瑞貴は苦笑するしかなかった。
どこかで「やっぱり音無じゃなくてやかましだ」と言った者がいたとかいないとか。
☆☆☆☆☆
あれから尾刈斗中との試合に向けて練習の日々が続く。染岡のシュートは日に日に威力上がっていった。普通のノーマルシュートとは思えないほどだ。
「よーし! いいぞ染岡ー。もう一回やってみようぜ!」
「オウッ!」
最初の頃より調子が良くなってきて瑞貴は嬉しそうに笑う。
チラッと瑞貴は橋を見ると豪炎寺が今日も来ていた。あの病院以来豪炎寺は毎日練習を見に来てくれていた。すると見覚えのある黒い車が通り、豪炎寺のそばに止まる。それがなんなのかわかると瑞貴は一つ微笑んで練習に戻った。
何度目か送られたパスを瑞貴は受け取ると染岡に渡す。
「竜吾!」
パスを受けとった染岡はそのままシュートを放つ。しかしそれはいつもと違っていた。
なんと青いドラゴンが吠えてゴールへと向かう。それに円堂も対応できずに驚いていると、ボールはそのままゴールに入った。その様子に瑞貴と染岡以外は呆気に取られていた。
「スッゲー……」
「今までのシュートと、まるで違う……」
「今なんかドラゴンがガーッと吠えたような……」
「僕もそんな感じしましたよ……」
栗松と風丸が驚き、半田も手でドラゴンを表現して少林寺も同意する。ついに完成したのだ。染岡の――染岡竜吾シュートが。
自分でも実感が湧かないのか、ひと言も声を上げない染岡。円堂は嬉しさのあまりに染岡の元へ駆け寄る。
「染岡! スッゲーシュートだったな!」
「これだ……これが俺のシュートだ!」
「ああ! やったな!」
「スゴいよ竜吾!」
ガバッ!
「えっ?」
「「「「「ああぁぁあああ!!」」」」
「なっ!?」
瑞貴は染岡に抱きついた。突然の円堂は目を丸くし、他のメンバーは声を上げ、染岡は顔を赤くする。
「自分だけのシュート、見つけたね!」
瑞貴がそう言うと染岡は今までのことを思い出した。
尾刈斗中との試合が決まり豪炎寺に負けたくないという心が練習にも現れ、仲間にも危害が及ぶプレーをしていたとき目を覚まさせてくれ、練習にもつきあってもらいシュートが入らないことに悩んでいると相談に乗ってくれたのも瑞貴だ。
「瑞貴、ありがとな」
「うん!」
染岡は感謝の気持ちを表し礼を言って瑞貴の頭を撫でた。そのことが嬉しかったのか瑞貴も頬をほころばす。
「「いつまでくっついてんだ!」」
ベリッと風丸と半田が瑞貴と染岡を引き剥がす。瑞貴は風丸と半田の本心には全く気づいていなかった。
「よし。このシュートに名前つけようぜ!」
「あっ、それいいね」
円堂が提案すると松野も賛成し、みんな口々に「竜吾シュート」「ドラゴンシュート」「染岡スペシャル」「ドラゴン染岡スペシャルシュート」という名前が上がっていく。微笑ましい光景に瑞貴も笑った。
するとその場に足音が聞こえる。円堂と瑞貴が顔を向けると豪炎寺がやってきた。
「あっ、豪炎寺」
「豪炎寺くん……」
その名前に嬉しそうな声を上げる一年、驚く二年、そして敵意を剥きだしている染岡。豪炎寺は黙って雷門イレブンに近づく。
「円堂、井上、俺……――やるよ」
瞳を開けた豪炎寺に出ている強い意志。円堂はそれに気づくと笑顔になった。
「豪炎寺!」
嬉しそうに声を上げる円堂と特に喜ぶ一年たち。喜びの声が上がる中、瑞貴は先程まで豪炎寺がいた橋に視線を向ける。
「……ありがとう、夏未ちゃん」
夏未が乗っていた車が去ったであろう方角に向け、瑞貴はポツリと呟いた。
「井上」
声をかけられたので振り向くと豪炎寺が瑞貴のもとへ歩み寄った。そのうしろでは彼の入部の決意に嬉しそうな声が聞こえる。瑞貴は一度目を閉じて豪炎寺に向き直った。
「豪炎寺くん、これからよろしくお願いします」
深々と礼をすると豪炎寺は顔を上げるように肩を叩く。瑞貴はその手に驚いて顔を上げると豪炎寺の優しい微笑みがあった。
「修也でいい。――瑞貴」
「うん!」
その言葉の意味に気づいた瑞貴は満面の笑みを浮かべた。
豪炎寺はそれを愛しそうに見つめ、その視線に気づいた半田と風丸が顔をしかめていたことや、複雑そうな顔をした円堂がいたことに気づかなかった。
☆副キャプテン 今日の格言☆
人間は『誰か』を目標にすることはできても『誰かに』なれるわけじゃない。
以上!!