イプシロン来襲!

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「はい。夕弥も水どうぞ」

「ありがとう」


どうやら木暮は瑞貴にだけは素直のようで、先ほどの古株への態度とは違う。木暮は水を受けとって飲んだ。


瑞貴姉! 俺、今度こそあのジジイからボールを奪ってやるからな!」

「がんばれ。でも、夕弥ってスゴいね。二時間もやっているのに、全然スピードが落ちてないもの。それに動きにキレがあるし」

「ヘヘッ」


褒められて気をよくした木暮はますますやる気を出し、少しでも早くいいところを見せたいのか、古株に向かって叫ぶ。


「早くしろよ!」

「ああ。はいはい」

「よーし! 今度こそ!」


古株が再びピッチに入るのと入れ替わりに、瑞貴もピッチの外に出る。


瑞貴先輩も気づいていましたか? あの子のスピードが落ちてないことを」

「まあね。ほら、今度は春奈ちゃんもよく見て」


瑞貴がピッチに向かって指差し、春奈も促されて木暮を見ると……。


「――もしかしてあの子!」

「気づいたみたいだね」

「はい!」


木暮のスピードとキレの秘密は、廊下や天井拭いたりしている内に、自然と力がついたのだ。


「もっと練習したら、彼はきっとスゴい選手になるよ。漫遊寺も勿体無いことをするもんだね~」

「アハハハ……」


どうやら瑞貴は、昨日の一件によって漫遊寺イレブンのことをよく思っていないらしい。

すると黒い霧が漫遊寺中を包み、先ほどまで晴れていた空も不気味に曇ってきた。木暮たちも異変に気づいたようで動きを止める。


「黒い霧……。もしかして!」

「うん。奴らが現れたみたいだね……」


見れば学校に設置されている鳥の像の上に、黒いサッカーボールを持ったエイリア学園イプシロンのキャプテン・デザームがいた。

彼はイプシロンのメンバーを引き連れてグラウンドに下りてくる。それと道寺に異変に気づいた漫遊寺イレブンもグラウンドにやってきた。


瑞貴!」

「守! みんなも!」


円堂たちもデザームたちが現れたことに気づいたようだ。イプシロンと漫遊寺イレブンが対面しているのをピッチの外で見守る。


「何度言われても答えは同じです。私たちに、戦う意志はありません」

「ならば仕方ない……」


デザームがボールを頭上に掲げると、ゼルがそのボールを蹴り、校舎の一部が破壊されてしまった。その光景を見た漫遊寺中の生徒は悲鳴を上げる。

影田たちはデザームを睨むと、彼らは挑発するように笑った。


「……やむを得ません。その勝負、お受けいたしましょう!」


試合をすることが決まった。ユニフォームに着替えた漫遊寺イレブンは、拳を突くように手の平に当て、目を閉じて祈る。


「お許しください……。一時の激情に負けた心弱き私たちを……」


目を見開いた影田たちを確認すると、古株はホイッスルを鳴らす。


「遠慮はいりません! 邪悪なる魂に天罰を下すのです!」


手始めに天神阿太郎がドリブルで上がっていき、天神吽助にボールが渡る。そのあと学舎一筋から影田にボールを繋ぎ、また阿太郎に渡る。


「わぁっ!」

「なんてボールさばきだ!」

「これなら、イプシロンに勝てるかもしれないっス!」


円堂たちが漫遊寺イレブンの動きに感心している中、瑞貴はゴールにいるデザームに目を向ける。


「愚かな。6分で片づけてやる」


ドリブルする阿太郎の前にクリプトが立ち塞がる。


「竜巻旋風!」


阿太郎は突破しようとしたが、クリプトは平然とボールを奪った。必殺技が効いてないことに、阿太郎も円堂も木暮も驚く。

そのままクリプトはドリブルで上がって吽助や影田を抜き、学舎がブロックに入ったがヒールリフトでボールをあげ、そのボールをマキュアが取った。


「四股踏み!」


真仮名井承が必殺技を放つが、マキュアはそのままボールを蹴って真仮名井ごとゴールに入れた。イプシロンが先制点を奪ったのだ。


「クンフーアタック!」

「火炎放射!」


漫遊寺イレブンが攻撃も防御もしていくが、イプシロンは一度も必殺技を使わないでシュートを止めたり点を取っていく。
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