イプシロン来襲!
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「お前は、俺を裏切らないか?」
「木暮くんが私を見放さないまではね」
「お前が、俺の姉ちゃんになってくれるか?」
「わかった。じゃあ今日から君は私の弟だね。――夕弥」
瑞貴がそう言うと、木暮はさらにギュッと強く抱きつく。
「明日の朝、雷門のマネージャーが俺の実力を確かめるつもりなんだ。だから、瑞貴姉も見に来てくれよ」
「わかった。夕弥の実力、しっかり見ているからね」
それから二人は別れるまで手を繋いで帰って行った。
☆☆☆☆☆
早朝――。瑞貴は木暮との約束通りグラウンドへ来ると、そこには春奈と古株もいる。まさかの瑞貴の登場に驚く。
「な、なんで瑞貴先輩がここにいるんですか!?」
「夕弥に招待されたんだよ」
「瑞貴姉! 俺の活躍しっかり見ててくれよ!」
「うん」
「ゆ、夕弥!? み、瑞貴姉!?」
春奈はショックを受けて顔を青ざめると、視界に木暮が「いいだろ~」とでも言うような顔をしている。瑞貴は春奈を見ていたので木暮の表情には気づいていない。
「春奈ちゃん、どうしたの?」
「俺が瑞貴姉って呼んでいることが羨ましいみたいだぜ」
「そうなの? 別に春奈ちゃんも呼んで構わないけど……」
「ダメです! それは将来のために取っておきたいんです!」
「しょ、将来のため?」
瑞貴が首を傾げてそう言うと、春奈は勢いよく「はい!」と返事をして木暮を見る。
「瑞貴先輩はお兄ちゃんと結婚して、私のお義姉ちゃんになるんだからね!」
「なんだと!?」
「こらこらケンカしないの。それより春奈ちゃん、古株さんが待ちぼうけをくらってるけど」
「ああっ! しまったー!」
春奈は急いで古株の元へ行くと、木暮は瑞貴に尋ねる。
「なあ、あいつの兄って誰だ?」
「鬼道有人っていう雷門の天才ゲームメーカーだよ。ほら、マントにゴーグルを付けた人」
「えぇ~? あんなのが俺の義兄になるなんて嫌だぞ」
「ないない。有人が私みたいな平凡な女に恋愛感情を持つわけないもん」
その『平凡な女』を鬼道が好きになっていることは、自分への恋愛感情に鈍感な瑞貴が気づくわけもない。
「ふ~ん。で、あのジジイが俺の相手か?」
「そうみたいだね。古株さんは昔、サッカーをやってたんだよ」
「フンッ。どんなスゴい奴が来んのかと思ったら、あんなジジイに負けるかよ」
古株もボールを足に置いて準備ができたようで、瑞貴は春奈とピッチの外で見守る。
勝負の内容は木暮が古株にボールを奪い、古株は木暮にボールを奪われないようにすればいいのだ。
「いいわよ!」
春奈が合図をすると同時に木暮が走り出す。そのスゴいスピードには三人とも目を見開いたほどだ。
「俺の勝ちだ!」
だが、ボールを取る直前で古株がかわしたので、木暮はボールを取れなかった。
「もう一回だ!」
そのあとも何回もやっているが、やはり古株が一枚上手なので全然取れていない。
あれほど自分に歯向かったほど実力がないので、春奈は溜息をつく。
「この子、本当にサッカーやったことあるんでしょうか……?」
「でも、結構いい動きをしているよ」
それから二時間が経ち、古株は腰をかけて瑞貴が持ってきたペットボトルの水を飲む。
「大丈夫ですか?」
「ああ。やっぱりいいねぇ~。体を動かすのって」
「いつまで水飲んでるんだよ!」
まだグラウンドにいる元気満々の木暮が叫ぶ。それを見かねた瑞貴がもう一つのペットボトルを持って木暮の元へ向かう。
「木暮くんが私を見放さないまではね」
「お前が、俺の姉ちゃんになってくれるか?」
「わかった。じゃあ今日から君は私の弟だね。――夕弥」
瑞貴がそう言うと、木暮はさらにギュッと強く抱きつく。
「明日の朝、雷門のマネージャーが俺の実力を確かめるつもりなんだ。だから、瑞貴姉も見に来てくれよ」
「わかった。夕弥の実力、しっかり見ているからね」
それから二人は別れるまで手を繋いで帰って行った。
☆☆☆☆☆
早朝――。瑞貴は木暮との約束通りグラウンドへ来ると、そこには春奈と古株もいる。まさかの瑞貴の登場に驚く。
「な、なんで瑞貴先輩がここにいるんですか!?」
「夕弥に招待されたんだよ」
「瑞貴姉! 俺の活躍しっかり見ててくれよ!」
「うん」
「ゆ、夕弥!? み、瑞貴姉!?」
春奈はショックを受けて顔を青ざめると、視界に木暮が「いいだろ~」とでも言うような顔をしている。瑞貴は春奈を見ていたので木暮の表情には気づいていない。
「春奈ちゃん、どうしたの?」
「俺が瑞貴姉って呼んでいることが羨ましいみたいだぜ」
「そうなの? 別に春奈ちゃんも呼んで構わないけど……」
「ダメです! それは将来のために取っておきたいんです!」
「しょ、将来のため?」
瑞貴が首を傾げてそう言うと、春奈は勢いよく「はい!」と返事をして木暮を見る。
「瑞貴先輩はお兄ちゃんと結婚して、私のお義姉ちゃんになるんだからね!」
「なんだと!?」
「こらこらケンカしないの。それより春奈ちゃん、古株さんが待ちぼうけをくらってるけど」
「ああっ! しまったー!」
春奈は急いで古株の元へ行くと、木暮は瑞貴に尋ねる。
「なあ、あいつの兄って誰だ?」
「鬼道有人っていう雷門の天才ゲームメーカーだよ。ほら、マントにゴーグルを付けた人」
「えぇ~? あんなのが俺の義兄になるなんて嫌だぞ」
「ないない。有人が私みたいな平凡な女に恋愛感情を持つわけないもん」
その『平凡な女』を鬼道が好きになっていることは、自分への恋愛感情に鈍感な瑞貴が気づくわけもない。
「ふ~ん。で、あのジジイが俺の相手か?」
「そうみたいだね。古株さんは昔、サッカーをやってたんだよ」
「フンッ。どんなスゴい奴が来んのかと思ったら、あんなジジイに負けるかよ」
古株もボールを足に置いて準備ができたようで、瑞貴は春奈とピッチの外で見守る。
勝負の内容は木暮が古株にボールを奪い、古株は木暮にボールを奪われないようにすればいいのだ。
「いいわよ!」
春奈が合図をすると同時に木暮が走り出す。そのスゴいスピードには三人とも目を見開いたほどだ。
「俺の勝ちだ!」
だが、ボールを取る直前で古株がかわしたので、木暮はボールを取れなかった。
「もう一回だ!」
そのあとも何回もやっているが、やはり古株が一枚上手なので全然取れていない。
あれほど自分に歯向かったほど実力がないので、春奈は溜息をつく。
「この子、本当にサッカーやったことあるんでしょうか……?」
「でも、結構いい動きをしているよ」
それから二時間が経ち、古株は腰をかけて瑞貴が持ってきたペットボトルの水を飲む。
「大丈夫ですか?」
「ああ。やっぱりいいねぇ~。体を動かすのって」
「いつまで水飲んでるんだよ!」
まだグラウンドにいる元気満々の木暮が叫ぶ。それを見かねた瑞貴がもう一つのペットボトルを持って木暮の元へ向かう。