エースストライカーは誰だ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いくよ……!」
吹雪がマフラーに手をかけると、目つきが鋭くなり、瞳がオレンジ色になっていた。
「よっしゃあ!」
「ま、まただ!」
前の練習試合でもそうだったが、吹雪は攻撃に入ると人が変わったかのように荒くなる。
「どけどけどけどけぇ!!」
そのスピードと迫力で、あっという間に搭子と土門を抜いた。
「ったく、ショボイなお前ら! 俺についてこれる奴はいねぇのか!?」
「勝手すぎるぞ……」
「僕ら、もう完全に無視されてますよね……」
一之瀬と目金は吹雪のプレーに呆れる。
とうとうゴール前まで来た吹雪のシュートを止めるべく、瑞貴は構える。
「いくぜ!」
「オッケー! 来い!」
「ちょっと待ったぁ!」
「だぁあ!」
染岡の突然の制止により、またしても吹雪と勝負できなかった瑞貴はズッコケ、さらに心の中で嘆いた。
「えっ?」
振り返った吹雪は攻撃に入る前と同じで、穏やかな雰囲気だ。
「お前なぁ! 一之瀬も鬼道も、こっちに回せって声かけてんだろうが!」
「だって……僕いつもこうしてたし」
「白恋じゃそうでも、雷門(ウチ)じゃそんなの通用しねぇんだよ! お前は雷門イレブンに入ったんだ。俺たちのやり方に合わせろ!」
「そんなこと急に言われても……。そうゆう汗臭いの疲れるなぁ」
「誰が臭いって!? 誰が!」
「まあまあまあ!」
「落ち着け染岡!」
今にも吹雪に殴りかかりそうな染岡を、一之瀬と土門は慌てて止める。
「とはいえ、世界トップレベルのチームの中には、個人技を生かしたプレースタイルを重視した所もあります。吹雪くんを中心とした白恋中は、まさしくそうしたタイプなのでは?」
「うちはうちだ!」
「「ヒィィイイイィィ!!」」
「白恋じゃねぇ!」
目金の説明に染岡は怒鳴る。何も言ってない壁山も染岡の迫力に目金同様ビビッた。
「どんなにスピードがあろうと、こんな自分勝手な奴と一緒にやれるか! ムリなんだよ……こいつに豪炎寺の代わりなんて!」
「っつ!」
その言葉に、瑞貴は静かに染岡の前に立ち――。
パシンッ!
なんと染岡の頬を叩いた。あまりの事にみんな驚くが、円堂や風丸のように最初から雷門にいた者は似たような光景を思い出した。
「いい加減にしなさい! 前からそう思ったけど、私たちは『修也の代わり』を必要として吹雪くんをチームに入れたんじゃないんだよ!?」
「…………!」
染岡のときは動じなかった吹雪だが、瑞貴の言葉に初めて目を見開いた。
「いきなり合わせろなんて、それこそムリな話だよ。吹雪くんにとっては慣れ親しんだプレースタイルなんだから。それに、私たちが吹雪くんに合わせるということもアリでしょ?」
「なんだと!?」
「俺も瑞貴に賛成だ」
瑞貴の提案に同意したのは風丸だった。
「ハァッ!? お前何言って……――っ!」
反論しようとした染岡だが、風丸の表情を見て言葉を止める。
「俺にも、吹雪のあのスピードは必要なんだ。エイリア学園からボールを奪うには……あのスピードがなくちゃダメなんだ……。そうでなきゃ……また前の繰り返しだ……」
風丸は辛そうにしている顔をうつむける。雷門はエイリア学園に手も足も出なかった。風丸は勝敗だけでなく、自慢のスピードを簡単に越されて悔しかったのだ。
「一郎太……」
「だったら、風になればいいんだよ」
唐突に言った吹雪の言葉に、円堂はキョトンとした顔をする。
「えっ? 風?」
「おいで。見せてあげるから」
――吹雪に案内され、雷門イレブンたちは白恋中の裏側にあるゲレンデに来た。
「スッゲー。校舎の裏がゲレンデなのか」
「やっぱりこれも、雪国ならではなのかな?」
円堂と瑞貴が感嘆の声を上げていると、白恋イレブンが大きな雪玉を用意していた。そしてその奥にはスノーボードに乗る吹雪がいる。
「スノーボードか!」
「それでどうやって……?」
「まあ見ててよ。雪が僕たちを風にしてくれるんだ」
吹雪がゲレンデに下りると、軽やかな身のこなしと速さで滑っていく。
「わぁ、速い!」
「カッコいいっス~!」
「やるな~吹雪」
「スゴい!」
「ハッ。ただのスノボじゃねぇか」
春奈や壁山や瑞貴や円堂が褒める中、染岡はどうってことのないように言う。
「吹雪くんは小さいころからスキーやスノーボードが得意で、よく遊んでたんだって。走るよりも、雪を滑るほうがもっと速くなって風を感じるから、好きだって言ってた」
「風か……」
紺子が説明すると、風丸は何かを感じ取ったのか小さく呟いた。
吹雪がマフラーに手をかけると、目つきが鋭くなり、瞳がオレンジ色になっていた。
「よっしゃあ!」
「ま、まただ!」
前の練習試合でもそうだったが、吹雪は攻撃に入ると人が変わったかのように荒くなる。
「どけどけどけどけぇ!!」
そのスピードと迫力で、あっという間に搭子と土門を抜いた。
「ったく、ショボイなお前ら! 俺についてこれる奴はいねぇのか!?」
「勝手すぎるぞ……」
「僕ら、もう完全に無視されてますよね……」
一之瀬と目金は吹雪のプレーに呆れる。
とうとうゴール前まで来た吹雪のシュートを止めるべく、瑞貴は構える。
「いくぜ!」
「オッケー! 来い!」
「ちょっと待ったぁ!」
「だぁあ!」
染岡の突然の制止により、またしても吹雪と勝負できなかった瑞貴はズッコケ、さらに心の中で嘆いた。
「えっ?」
振り返った吹雪は攻撃に入る前と同じで、穏やかな雰囲気だ。
「お前なぁ! 一之瀬も鬼道も、こっちに回せって声かけてんだろうが!」
「だって……僕いつもこうしてたし」
「白恋じゃそうでも、雷門(ウチ)じゃそんなの通用しねぇんだよ! お前は雷門イレブンに入ったんだ。俺たちのやり方に合わせろ!」
「そんなこと急に言われても……。そうゆう汗臭いの疲れるなぁ」
「誰が臭いって!? 誰が!」
「まあまあまあ!」
「落ち着け染岡!」
今にも吹雪に殴りかかりそうな染岡を、一之瀬と土門は慌てて止める。
「とはいえ、世界トップレベルのチームの中には、個人技を生かしたプレースタイルを重視した所もあります。吹雪くんを中心とした白恋中は、まさしくそうしたタイプなのでは?」
「うちはうちだ!」
「「ヒィィイイイィィ!!」」
「白恋じゃねぇ!」
目金の説明に染岡は怒鳴る。何も言ってない壁山も染岡の迫力に目金同様ビビッた。
「どんなにスピードがあろうと、こんな自分勝手な奴と一緒にやれるか! ムリなんだよ……こいつに豪炎寺の代わりなんて!」
「っつ!」
その言葉に、瑞貴は静かに染岡の前に立ち――。
パシンッ!
なんと染岡の頬を叩いた。あまりの事にみんな驚くが、円堂や風丸のように最初から雷門にいた者は似たような光景を思い出した。
「いい加減にしなさい! 前からそう思ったけど、私たちは『修也の代わり』を必要として吹雪くんをチームに入れたんじゃないんだよ!?」
「…………!」
染岡のときは動じなかった吹雪だが、瑞貴の言葉に初めて目を見開いた。
「いきなり合わせろなんて、それこそムリな話だよ。吹雪くんにとっては慣れ親しんだプレースタイルなんだから。それに、私たちが吹雪くんに合わせるということもアリでしょ?」
「なんだと!?」
「俺も瑞貴に賛成だ」
瑞貴の提案に同意したのは風丸だった。
「ハァッ!? お前何言って……――っ!」
反論しようとした染岡だが、風丸の表情を見て言葉を止める。
「俺にも、吹雪のあのスピードは必要なんだ。エイリア学園からボールを奪うには……あのスピードがなくちゃダメなんだ……。そうでなきゃ……また前の繰り返しだ……」
風丸は辛そうにしている顔をうつむける。雷門はエイリア学園に手も足も出なかった。風丸は勝敗だけでなく、自慢のスピードを簡単に越されて悔しかったのだ。
「一郎太……」
「だったら、風になればいいんだよ」
唐突に言った吹雪の言葉に、円堂はキョトンとした顔をする。
「えっ? 風?」
「おいで。見せてあげるから」
――吹雪に案内され、雷門イレブンたちは白恋中の裏側にあるゲレンデに来た。
「スッゲー。校舎の裏がゲレンデなのか」
「やっぱりこれも、雪国ならではなのかな?」
円堂と瑞貴が感嘆の声を上げていると、白恋イレブンが大きな雪玉を用意していた。そしてその奥にはスノーボードに乗る吹雪がいる。
「スノーボードか!」
「それでどうやって……?」
「まあ見ててよ。雪が僕たちを風にしてくれるんだ」
吹雪がゲレンデに下りると、軽やかな身のこなしと速さで滑っていく。
「わぁ、速い!」
「カッコいいっス~!」
「やるな~吹雪」
「スゴい!」
「ハッ。ただのスノボじゃねぇか」
春奈や壁山や瑞貴や円堂が褒める中、染岡はどうってことのないように言う。
「吹雪くんは小さいころからスキーやスノーボードが得意で、よく遊んでたんだって。走るよりも、雪を滑るほうがもっと速くなって風を感じるから、好きだって言ってた」
「風か……」
紺子が説明すると、風丸は何かを感じ取ったのか小さく呟いた。