エイリア学園を倒すために、チームの戦力アップで北海道へ訪れた雷門イレブン。そこの白恋中で氷のストライカーと呼ばれる吹雪士郎を仲間に引き入れる。

しかし、エイリア学園は次の狙いを白恋中に定め、雷門イレブンはそれに備えてさっそく練習を始めることにした。


「今日から、吹雪と一緒に練習だ。今度こそエイリア学園に必ず勝つ！」

「そのためにも、今まで以上に特訓して――こんにちは！」


円堂守と一緒に意気込んだ瑞貴が言葉を止め、別の方向へ目を向けると、そこには雷門のユニフォームを着た吹雪がいた。


「わぁー！似合ってるよ、吹雪くん！」

「カッコいいだぁ～」

「ありがとう、みんな。僕もこれで雷門イレブンの一人だ。この白恋中を絶対守ってみせるからね」


荒谷紺子や雪野星也に褒められ、吹雪は学校を守ろうと張り切っている。そんな吹雪に円堂は背中を叩き、瑞貴も吹雪の隣に立って微笑む。


「その意気だ！」

「期待してます！」

「で、どんな練習するの？」


今回は白と赤でチームを二つに分ける。それぞれ攻守を交代して、コンビネーションの練習をするのだ。


「面白そうだね、いいよ」

「吹雪くん」


吹雪を呼び止めたのは監督の吉良瞳子だ。


「あなたにはＦＷをお願いするわ」

「僕が…ＦＷ……」

「ええ。不服かしら？」

「……いや、問題ありません」


瞳子と吹雪が会話している中、彼を敵視している染岡竜吾は舌打ちをした。

そんな光景をしっかり見た瑞貴は人知れず溜息を吐いた。


「井上さん」

「あっ、はい」

「あなたはＧＫをやってもらうわ。聞いた話じゃ、ＧＫの必殺技も使えるようだしね」

「わかりました！」


円堂が負傷したときに備えてだろう。瑞貴はＧＫのユニフォームに着替える。


「瑞貴、今日は別チームだな」

「私がいないからって、やる気を失うんじゃないよ」

「言ったな～？」


笑い合う円堂と瑞貴。吹雪はそれを見つめていたので、財前搭子が声をかける。


「どうしたの？」

「あっ、うん。キャプテンと井上さん、仲がいいなぁって」

「ああ、二人は相棒だからね。特にお互いを信頼しあってるんだ」

「そうなんだ……」


搭子と壁山塀吾郎と土門飛鳥と鬼道有人と染岡と瑞貴のチームと、目金欠流と風丸一郎太と栗松鉄平と一之瀬一哉と円堂のチームで対戦することになった。

瞳子がホイッスルを鳴らすと同時にボールを上げ、それを取りに両チームの選手が上がっていく。落ちたボールを先に取り合ったのは鬼道と風丸だ。


「いいぞ、二人共！」

「お互いに食らい付いていって！」

「疾風ダッシュ！」


ボールを奪った風丸に、鬼道は「いい動きだ。風丸」と褒める。ドリブルをしていく風丸を吹雪が追いかけ、いつの間にか隣に並ぶ。


「風になろうよ」

「なっ……!?」


なんと吹雪は風丸からボールを奪った。そのスピードは雷門一の速さを持つ風丸より上だ。


「ス、スゴい。風丸くんをあんな簡単に……！」

「やっぱり吹雪さんは強力なストライカーというだけでなく、ＤＦでも力を発揮するんですね」


雷門夏未と木野秋と音無春奈が、吹雪のスピードとテクニックに感心している中、瞳子だけが難しい表情でいた。


「風丸、何やってんだ！　　いくぞ！」

「クッ！」


思わず呆然としていた風丸は、染岡に促されて吹雪を追いかける。


「スピードは、お前だけのものじゃない！」

「吹雪！　ムリするな！」

「こっちに回せ！」


一之瀬と鬼道が指示を出すが吹雪は聞く耳持たず。風丸がうしろからスライディングをかけると、吹雪はボールと共に飛んだ。