倒せ! 黒の11人!!
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「みんな聞いて。後半の作戦を伝えるわ。染岡くん、風丸くん、壁山くん、あなたたちはベンチに下がって」
「「「ええっ!?」」」
「なんだって!?」
指名された三人と円堂は声を上げる。今いるメンバーはギリギリ十一人で交代要員がいないのに、下げられたことに驚きを隠せなかった。
「空いたスペースは、残りのメンバーでカバーして。よろしくね」
「なんで俺が下げられなきゃいけないんだ!」
「監督の考えがわかりません! ただでさえ厳しい状況なのに……!」
「俺、さっき転ばされたからっスか?」
「勝つための作戦よ」
不満を言う染岡と風丸と壁山だが、瞳子はその場から立ち去ろうとすると、「待ってください」と鬼道が声を上げた。
「これでは戦えません!」
「いいえ。これで戦うのよ」
「しかし!」
「後半、始まるわよ」
鬼道に簡潔に言って、瞳子は古株にメンバーが代わることを伝えに行った。
「ったく……いったい何を考えているんだ」
「あの人、本当にサッカーを知ってるのか?」
瞳子の意図がわからない鬼道と土門が呟く。すると豪炎寺が瑞貴の隣に寄った。
「瑞貴、お前はどう思う?」
「……監督が勝つための作戦だというなら大丈夫だよ。もし、それでも不満があるなら、本人たちが理由を一番よく知っているはずだし」
瑞貴は染岡と風丸と壁山に目を向ける。そばで聞いていた円堂もわからなかったが、気を取り直すことにした。
「とにかく、今はこの試合に全力でぶつかるんだ! 全力でがんばれば、一人の力を二人分にも三人分にもできるはずだ!」
――ハーフタイムも終了し後半開始となるが……。
「何!?」
搭子が雷門を見て驚くのもムリはないだろう。彼らはピッチには八人しかいないのだ。
「なんのつもり!? あたしたちをバカにしてんの!?」
「……これは作戦だ」
不満はあるが口ではそう言って鬼道もポジションに着く。マネージャーたちは上手くいくか不安になっている。そして試合再開のホイッスルが鳴る。
「うぉおおおぉぉ!!」
鬼道は館野からスライディングしてボールを奪う。そのプレーに豪炎寺が「ナイスディフェンス!」というと鬼道は親指を立てた。ふとSPフィクサーズのエリアを見ると、DFとゴールの間が空いていることに気づいた。
先手が上がると一之瀬と鬼道が止めに入り、ボールを奪った鬼道は上がっていく。
「瑞貴、上がれ!」
瑞貴に向かって鬼道がパスをすると搭子がそれを防いだ。さらにラインギリギリで搭子と鬼道がボールを奪い合うと、隙をついて鬼道がボールをラインの外に出した。先ほどから激しく動く鬼道を、円堂は心配する。
「鬼道! 大丈夫か!?」
「ああ。お前はゴールの守りに集中しろ!」
《雷門の中盤が目まぐるしく動くー! 人数が少ないハンデを運動量でカバーしている!》
(不思議だ……。さっきまでと違って、思い通りに試合が動く……)
「クソー! これで勝てたらマンガだぜ!」
染岡は恨めしげに瞳子を見てそっぽを向く。
「あなたたち」
「「は、はい」」
それを気にせず瞳子はマネージャーたちを呼び、秋と春奈が返事をする。
「彼らにアイシングを」
「えっ!?」
その言葉にキョトンとした秋たちだが、三人の体を見ると壁山は背中を、風丸は膝を、染岡は足首を怪我していた。
「もぉー。ケガしてたならどうして言ってくれないのよ」
「だって、報告するほどじゃなかったし……」
「一人でも、多くの力が必要だと思ったんだ」
「動けないみんなの分まで、俺たちががんばらなきゃいけないのに……クソッ!」
鬼道はその光景を見ていた。三人はどこか動き不調だったので、彼らが外れたから思うようにゲームメイクがしやすくなっている。
それはケガした彼らがムリをしないためにも、そして相手を前に誘い出し裏を着く攻撃をするための、瞳子の作戦だった。
「「「ええっ!?」」」
「なんだって!?」
指名された三人と円堂は声を上げる。今いるメンバーはギリギリ十一人で交代要員がいないのに、下げられたことに驚きを隠せなかった。
「空いたスペースは、残りのメンバーでカバーして。よろしくね」
「なんで俺が下げられなきゃいけないんだ!」
「監督の考えがわかりません! ただでさえ厳しい状況なのに……!」
「俺、さっき転ばされたからっスか?」
「勝つための作戦よ」
不満を言う染岡と風丸と壁山だが、瞳子はその場から立ち去ろうとすると、「待ってください」と鬼道が声を上げた。
「これでは戦えません!」
「いいえ。これで戦うのよ」
「しかし!」
「後半、始まるわよ」
鬼道に簡潔に言って、瞳子は古株にメンバーが代わることを伝えに行った。
「ったく……いったい何を考えているんだ」
「あの人、本当にサッカーを知ってるのか?」
瞳子の意図がわからない鬼道と土門が呟く。すると豪炎寺が瑞貴の隣に寄った。
「瑞貴、お前はどう思う?」
「……監督が勝つための作戦だというなら大丈夫だよ。もし、それでも不満があるなら、本人たちが理由を一番よく知っているはずだし」
瑞貴は染岡と風丸と壁山に目を向ける。そばで聞いていた円堂もわからなかったが、気を取り直すことにした。
「とにかく、今はこの試合に全力でぶつかるんだ! 全力でがんばれば、一人の力を二人分にも三人分にもできるはずだ!」
――ハーフタイムも終了し後半開始となるが……。
「何!?」
搭子が雷門を見て驚くのもムリはないだろう。彼らはピッチには八人しかいないのだ。
「なんのつもり!? あたしたちをバカにしてんの!?」
「……これは作戦だ」
不満はあるが口ではそう言って鬼道もポジションに着く。マネージャーたちは上手くいくか不安になっている。そして試合再開のホイッスルが鳴る。
「うぉおおおぉぉ!!」
鬼道は館野からスライディングしてボールを奪う。そのプレーに豪炎寺が「ナイスディフェンス!」というと鬼道は親指を立てた。ふとSPフィクサーズのエリアを見ると、DFとゴールの間が空いていることに気づいた。
先手が上がると一之瀬と鬼道が止めに入り、ボールを奪った鬼道は上がっていく。
「瑞貴、上がれ!」
瑞貴に向かって鬼道がパスをすると搭子がそれを防いだ。さらにラインギリギリで搭子と鬼道がボールを奪い合うと、隙をついて鬼道がボールをラインの外に出した。先ほどから激しく動く鬼道を、円堂は心配する。
「鬼道! 大丈夫か!?」
「ああ。お前はゴールの守りに集中しろ!」
《雷門の中盤が目まぐるしく動くー! 人数が少ないハンデを運動量でカバーしている!》
(不思議だ……。さっきまでと違って、思い通りに試合が動く……)
「クソー! これで勝てたらマンガだぜ!」
染岡は恨めしげに瞳子を見てそっぽを向く。
「あなたたち」
「「は、はい」」
それを気にせず瞳子はマネージャーたちを呼び、秋と春奈が返事をする。
「彼らにアイシングを」
「えっ!?」
その言葉にキョトンとした秋たちだが、三人の体を見ると壁山は背中を、風丸は膝を、染岡は足首を怪我していた。
「もぉー。ケガしてたならどうして言ってくれないのよ」
「だって、報告するほどじゃなかったし……」
「一人でも、多くの力が必要だと思ったんだ」
「動けないみんなの分まで、俺たちががんばらなきゃいけないのに……クソッ!」
鬼道はその光景を見ていた。三人はどこか動き不調だったので、彼らが外れたから思うようにゲームメイクがしやすくなっている。
それはケガした彼らがムリをしないためにも、そして相手を前に誘い出し裏を着く攻撃をするための、瞳子の作戦だった。