あみだせ必殺技!
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「豪炎寺はもうやらないんだろ!?」
「それは……わからないけど」
「円堂まであいつを頼りすぎだ」
染岡の発言にムッときたのか円堂は眉根を寄せた。
「そんなことは……」
「ちょっと竜吾、言い過ぎ」
「お前は黙ってろ。俺たちだってできるさ。もっと俺たちを信じろよ!」
最初の円堂に対する言葉はともかく、これは染岡の言う通りだった。
誰もが最初から天才というわけではない。豪炎寺も帝国学園もきっと努力してあそこまで強くなったんだ。ここにいる彼らだって強くなれる。
ガラッ。
「みんな、お客さんよ――……ん?」
扉から入って来た木野秋は部室が異様な雰囲気になっていることに気づいた。
「何かあったの?」
「えっ、あっ、ちょっとな」
なんでもない、というように言う円堂。秋はとりあえず客人を部室に招き入れた。入ってきたのはもちろん――。
「夏未ちゃん!」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
理事長代理である雷門夏未を『夏未ちゃん』呼びしていることに、一部の部員は驚いて目を向いた。夏未は瑞貴に少し微笑むと、部室の臭いに鼻をつまんだ。
「臭いわ……」
それはそうだ。運動部の部室だから汗や泥で臭くなるだろう。
「こんな奴、なんで連れてきたんだよ!」
「話があるって言うから……」
先程のこともあるせいか染岡は苛々しながら舌打ちをした。夏未は染岡の態度にも構わず部室に足を踏み入れて円堂を見る。
「帝国学園との練習試合、廃部だけは逃れたわね」
「オ、オウッ。これからガンガン試合していくからな!」
円堂の答えに満足そうに夏未は微笑む。
「次の対戦校を決めてあげたわ」
試合が決まったことにサッカー部は驚く。円堂と瑞貴だけは試合ができることに喜んでいたが、他の部員は驚いている。
「次の試合……!?」
帝国学園との試合以来、すぐに試合ができるとは思わなかったんだろう。
だが実質は『帝国に勝った』ということで試合の申し込みがあとを絶たない。それを知っているのはトリップして物語を知っている瑞貴と、理事長代理の夏未、校長の火来伸蔵、そしてサッカー部顧問の冬海卓。そして帝国学園だろう。あそこは情報収集が高度だから。
「スゴいでヤンスね! もう次の試合が決まるなんて!」
「やったな、円堂」
「ああ、夢みたいだよ。また試合ができるなんて」
みんなも実感がわいてきたのか、栗松が声を上げ半田が円堂の肩に手を置いた。
「今度こそ僕の出番だろうね」
「目金先輩は試合に出られないでしょう」
「俺も、次こそ目立つよ。フ、フフフ……」
「話を聞くの? 聞かないの?」
目金、宍戸、影野仁が次々言うと、さっきから発言させてくれない夏未は少しきつめの口調で言う。
「ああ、すまない。で、どこの学校なんだ?」
「尾刈斗中――。試合は一週間後よ」
その学校名に瑞貴はゲッと内心震わせた。心なしか青ざめている。
「尾刈斗中か……」
「尾刈斗中?」
円堂や半田を始めとする部員は聞いたことがない学校に、頭に「?」が浮かぶ顔をしている。
「もちろん、ただ試合をやればいいというわけではないわ」
「えっ?」
「今度負けたらこのサッカー部は直ちに廃部」
「またかよ……」
逃れたと思われた廃部がまた現れた。円堂は半田と肩を落とし、風丸は苦笑いをする。
「ただし勝利をすれば――フットボールフロンティアへの参加を認めましょう」
「「「「「!」」」」」
フットボールフロンティア――この言葉に全員驚いたように夏未を見る。
「せいぜいがんばることね」
そう上品に言って夏未は部室を後にした。瑞貴は微笑みながら軽く手を振って見送る。一同はしばらく夏未が閉じた扉を見つめる。
「フットボールフロンティア……これに出られるのか」
円堂は部室にあるフットボールフロンティアのポスターを見て呟く。
「スゴいですね! 中学サッカー日本一を決める大会ですよ!?」
「オー! 俺、盛り上がってきたでヤンスよ!」
「部員七人の頃じゃ考えられなかったもんな」
「考えるどころか十一人そろえようと勧誘もしなかったし、それどころかグラウンドが借りれない、って理由で練習サボってたもんね」
「「「「「「うっ!」」」」」」
宍戸、栗松、半田が喜びの声を上げるなか、サラリと瑞貴が言った言葉に円堂、風丸、秋、松野、目金、影野以外の部員はバツが悪そうに冷や汗をかきながら目を反らす。
円堂と秋があれほど声をかけたのに無視した罰だ。それどころかそのせいで体が鈍っていたことに気づいてほしい。染岡は半ば慌てて話を変える。
「よ、喜ぶのはまだ早い。俺たちは今度の試合に勝たない限り出場できないんだぜ」
「わかってるさ。みんな、この一戦、絶対に負けられないぞ。練習やろうぜ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
「あっ、ごめん。私ちょっと抜けるね」
「「「「「だあぁぁあああ!?」」」」」
瑞貴のひと言で雷門イレブンはガクッと肩を下したりズッコケる者も数名いた。
「いきなりなんだよー瑞貴ー」
「夏未ちゃんに用事が出来たんだ。河川敷に行くんでしょ? あとから向かうから」
じゃ、と言って瑞貴は部室を出て行き、一同は唖然としていた。
「それは……わからないけど」
「円堂まであいつを頼りすぎだ」
染岡の発言にムッときたのか円堂は眉根を寄せた。
「そんなことは……」
「ちょっと竜吾、言い過ぎ」
「お前は黙ってろ。俺たちだってできるさ。もっと俺たちを信じろよ!」
最初の円堂に対する言葉はともかく、これは染岡の言う通りだった。
誰もが最初から天才というわけではない。豪炎寺も帝国学園もきっと努力してあそこまで強くなったんだ。ここにいる彼らだって強くなれる。
ガラッ。
「みんな、お客さんよ――……ん?」
扉から入って来た木野秋は部室が異様な雰囲気になっていることに気づいた。
「何かあったの?」
「えっ、あっ、ちょっとな」
なんでもない、というように言う円堂。秋はとりあえず客人を部室に招き入れた。入ってきたのはもちろん――。
「夏未ちゃん!」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
理事長代理である雷門夏未を『夏未ちゃん』呼びしていることに、一部の部員は驚いて目を向いた。夏未は瑞貴に少し微笑むと、部室の臭いに鼻をつまんだ。
「臭いわ……」
それはそうだ。運動部の部室だから汗や泥で臭くなるだろう。
「こんな奴、なんで連れてきたんだよ!」
「話があるって言うから……」
先程のこともあるせいか染岡は苛々しながら舌打ちをした。夏未は染岡の態度にも構わず部室に足を踏み入れて円堂を見る。
「帝国学園との練習試合、廃部だけは逃れたわね」
「オ、オウッ。これからガンガン試合していくからな!」
円堂の答えに満足そうに夏未は微笑む。
「次の対戦校を決めてあげたわ」
試合が決まったことにサッカー部は驚く。円堂と瑞貴だけは試合ができることに喜んでいたが、他の部員は驚いている。
「次の試合……!?」
帝国学園との試合以来、すぐに試合ができるとは思わなかったんだろう。
だが実質は『帝国に勝った』ということで試合の申し込みがあとを絶たない。それを知っているのはトリップして物語を知っている瑞貴と、理事長代理の夏未、校長の火来伸蔵、そしてサッカー部顧問の冬海卓。そして帝国学園だろう。あそこは情報収集が高度だから。
「スゴいでヤンスね! もう次の試合が決まるなんて!」
「やったな、円堂」
「ああ、夢みたいだよ。また試合ができるなんて」
みんなも実感がわいてきたのか、栗松が声を上げ半田が円堂の肩に手を置いた。
「今度こそ僕の出番だろうね」
「目金先輩は試合に出られないでしょう」
「俺も、次こそ目立つよ。フ、フフフ……」
「話を聞くの? 聞かないの?」
目金、宍戸、影野仁が次々言うと、さっきから発言させてくれない夏未は少しきつめの口調で言う。
「ああ、すまない。で、どこの学校なんだ?」
「尾刈斗中――。試合は一週間後よ」
その学校名に瑞貴はゲッと内心震わせた。心なしか青ざめている。
「尾刈斗中か……」
「尾刈斗中?」
円堂や半田を始めとする部員は聞いたことがない学校に、頭に「?」が浮かぶ顔をしている。
「もちろん、ただ試合をやればいいというわけではないわ」
「えっ?」
「今度負けたらこのサッカー部は直ちに廃部」
「またかよ……」
逃れたと思われた廃部がまた現れた。円堂は半田と肩を落とし、風丸は苦笑いをする。
「ただし勝利をすれば――フットボールフロンティアへの参加を認めましょう」
「「「「「!」」」」」
フットボールフロンティア――この言葉に全員驚いたように夏未を見る。
「せいぜいがんばることね」
そう上品に言って夏未は部室を後にした。瑞貴は微笑みながら軽く手を振って見送る。一同はしばらく夏未が閉じた扉を見つめる。
「フットボールフロンティア……これに出られるのか」
円堂は部室にあるフットボールフロンティアのポスターを見て呟く。
「スゴいですね! 中学サッカー日本一を決める大会ですよ!?」
「オー! 俺、盛り上がってきたでヤンスよ!」
「部員七人の頃じゃ考えられなかったもんな」
「考えるどころか十一人そろえようと勧誘もしなかったし、それどころかグラウンドが借りれない、って理由で練習サボってたもんね」
「「「「「「うっ!」」」」」」
宍戸、栗松、半田が喜びの声を上げるなか、サラリと瑞貴が言った言葉に円堂、風丸、秋、松野、目金、影野以外の部員はバツが悪そうに冷や汗をかきながら目を反らす。
円堂と秋があれほど声をかけたのに無視した罰だ。それどころかそのせいで体が鈍っていたことに気づいてほしい。染岡は半ば慌てて話を変える。
「よ、喜ぶのはまだ早い。俺たちは今度の試合に勝たない限り出場できないんだぜ」
「わかってるさ。みんな、この一戦、絶対に負けられないぞ。練習やろうぜ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
「あっ、ごめん。私ちょっと抜けるね」
「「「「「だあぁぁあああ!?」」」」」
瑞貴のひと言で雷門イレブンはガクッと肩を下したりズッコケる者も数名いた。
「いきなりなんだよー瑞貴ー」
「夏未ちゃんに用事が出来たんだ。河川敷に行くんでしょ? あとから向かうから」
じゃ、と言って瑞貴は部室を出て行き、一同は唖然としていた。