出撃! 雷門イレブン!!
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「……っつ……あっ……」
瑞貴が目を覚めるとそこは見慣れた自分の部屋だった。日が差してあるということは朝になっているのだろう。痛む体を抑えてゆっくり起き上がり顔をうつむける。
「私、負けたんだ……」
脳裏に浮かぶのは、昨日のジェミニストームとの試合。自然の(ナチュラル)プレーヤーと呼ばれ、フットボールフロンティアで優勝した自分はどこかいい気になっていたかもしれない。それが昨日思い知らされた。
バンッ!!
「瑞貴!」
瑞貴は顔を上げると扉から現れた一之瀬に抱きつかれた。その体は震えている。
「一哉?」
「ごめん……ホントにごめん! 俺、瑞貴を守れなかった! 俺が試合に出ても何もできなかったかもしれないけど……瑞貴のそばにいることができなかった……!」
顔は見えないが彼は泣いている。瑞貴はそれがわかると抱きしめ返して一之瀬の頭を優しく撫でる。
「大丈夫だよ。むしろ木戸川に行った一哉になんともなくて本当によかった」
「瑞貴……!」
こんなときでも自分の心配をしてくれる彼女がとても愛おしくて、一之瀬は瑞貴から少し離れ、頬に手を添え、そのままゆっくり顔を近づける――。
「そういえば他のみんなは?」
発せられた言葉に一之瀬はガクッと肩を落とした。もちろん瑞貴はワザとやったわけではない。こんな事態にしようとしていた自分にとって天罰か何かだろうか。
「……瑞貴のようにケガがまだマシな人たちは自宅にいるけど、他の奴は稲妻総合病院で入院してるよ」
「わかった。私、出かけてくる!」
着替えるから出てって、と言われ部屋の外に出された一之瀬は、未だに溜息をついた。
――とりあえず瑞貴は雷門のジャージに着替えて円堂の自宅へと向かって走る。
「瑞貴ちゃん!」
前方から秋の姿が見え、彼女もこっちに向かって来た。
「秋ちゃんも守の所へ?」
「うん。瑞貴ちゃんは大丈夫なの?」
「大したことないよ。さっ、早く行こう」
瑞貴と秋は円堂の家に向かい、「ごめんください!」と言うと、円堂温子が出てきて二人を中へと案内する。リビングでは円堂がヤケ食いでおにぎりをたくさん食べている。
「今朝からずっとこうなのよ」
円堂はまるで悔しさと悲しさを穴埋めしているみたいだ。それを見かねて秋と瑞貴が声をかける。
「円堂くん」
「おはよう」
「秋、瑞貴……」
「あんたのことを心配して来てくれたんだよ」
苦笑する温子に、円堂は初めて我に返ったように呆然としていた。