あみだせ必殺技!
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帝国学園との練習試合からしばらく経ち、サッカー部員は部室に集まっていた。特訓ノートを机に置いた円堂守が、ホワイトボードの前に立っている風丸一郎太以外座っているメンバーを見渡す。
「帝国戦で俺たちの問題点がわかった。それで――」
「問題点も何も、まず体力なさすぎ」
「「「「「…………」」」」」
タイヤにもたれかかっている松野空介の言葉に井上瑞貴以外の部員全員の胸に刺さったのか、ズーンと部室が暗い雰囲気に陥った。
瑞貴は椅子に座っているが、その膝の上には少林寺歩が乗って瑞貴は小動物のように抱きしめている。
「……マックス、お願いだからみんなを落ち込ませないで」
「あっ、ごめん。今のヘコんだ?」
松野は謝りながら立ち上がると瑞貴を背中から抱きついた。もう松野の行動には慣れてしまったので最初のようにドキドキしない。しかし――。
「あの~マックス? 抱きつくのはいいけどさ、重いんだけど」
((ツッコむとこそこ!? てか、全然よくねーよ!!))
(ん? なんでこんなモヤモヤした気持ちになるんだ?)
瑞貴に好意を寄せている風丸、半田真一は同じことを思った。円堂は仲が良いと思いつつ、どこか胸がモヤモヤしていた。
「だって少林だけ膝に乗せるとかズルいんだよねー。ダメなら僕の膝に乗りなよ。少林も嫌がってんじゃない?」
「いーじゃん。歩、可愛いし。嫌がってるなら降ろしてっていうもん」
小動物類が好きな瑞貴にとって、小柄な少林寺はまさに瑞貴の心にドストライクだ。うらやましい、と思っている面子は少なくないだろう。
「ねぇ。そこ代わってよ、少林」
「嫌ですよ先輩。これは僕の特権なんですから」
「……円堂、話を続けてくれ」
松野と少林寺が言い争いを始めようとするのを察したのか、風丸は円堂に話を振った。
「まぁ……。体力作りはもちろんなんだけど、こんなフォーメーションを考えたんだ」
円堂は苦笑しながらも、ホワイトボードにあるコートにペンで書き込んでいく。そして書き終わったホワイトボードには、それぞれの背番号でポジションを確認するべく、全員ホワイトボードに凝視する。
「じいちゃんのメモがペーストなんだけどさ」
最初瑞貴の背番号は10番だったが帝国学園の一戦で目金欠流に渡してしまい、それから17番のユニフォームを着ることにした。一部は猛反対をしていたが、実力さえあれば10番も17番のユニフォームを着ても関係ない、と言って丸め込んだのだ。
しかし円堂が書いたポジションには10番の数字がなかった。目金は控えとなってしまったのだ。代わりに17番の数字があるのだが――。
「えー! 僕試合に出られないのー!?」
呆気に取られている瑞貴とは逆に目金は不服そうに言う。周りにいる半田と一年組は呆れた目をしていた。
「逃げた奴が何言ってんだか」
「戦略的撤退と言ってほしいね」
「「「「…………」」」
半田の言葉に目金はムッとしながらも反論した答えに半田と少林寺と栗松鉄平と宍戸佐吉はズルッとコケた。これには円堂も肩を落とす。
「ねぇ、守」
「ん?」
「欠流が試合に出れないのはどうでもいいんだけど」
「ど……瑞貴さんヒドいです!」
さり気なくヒドいことを言った瑞貴に目金は反論するが、瑞貴はプイッとそっぽを向いた。
「当たり前だろ。お前、瑞貴に『女だから』と言ったことを謝っていないからな。瑞貴はお前と違って最後まで戦ったし帝国からも点を取ったし」
目金は半田の言葉を詰まらせた。瑞貴はなるべく雷門中のダメージを減らすべく他の者より特訓をしていた。しかし試合には目金が「任せろ」とか言って前半に自分を控えにおいたから、みんなたくさん怪我をするハメになったのだ。
目金は瑞貴の隣に立つと頭を下げてきた。
「ごめんなさい」
「……もういいけど、次に女の子をバカにするような言い方をしたら怒るからね」
こうも素直に謝られると少し調子が狂うが、いつまで怒っても仕方ないので今回は許すことにした。
「で、話を戻してなんで私がFWなの?」
アニメでこの場面は目金がMFだったので、自分は目金の代わりに出るのだから当然MFになると思っていた。しかし円堂が書いたポジションには、17の数字はMFエリアでなくFWエリアにあった。
「えっ? だって瑞貴は入部するときポジションはどこでもいって言っただろ?」
「言ったけど、まさかFWになるとは……」
不思議そうに見る円堂に瑞貴は溜息を吐く。昔から人数やポジションの都合やらで、瑞貴はどのポジションでもできるオールプレーヤーになったのだ。
そしてチラリと同じポジションの染岡竜吾を見やった。染岡も視線に気づいたのか「なんだよ?」と言ってこっちを見る。
「……竜吾は私がFWでいいの?」
「ハッ? 俺は別に構わねぇよ。副キャプテンが弱気でどーんすんだよ」
「ハァッ!?」
どうやら自分は最初から染岡に敵視されているわけではなさそうだ。そのことにホッとするのも束の間、とんでもない爆弾を落とした。
「私が副キャプテンなんて聞いてないんだけど!」
「瑞貴が着替えている間にみんなで決めたんだ!」
円堂がニカッと笑い、瑞貴が周りを見ると全員頷いた。全員一致となると瑞貴はもう反対する気も失せた。
「あの~キャプテン」
恐る恐る宍戸が声を上げた。
「ん? なんだ?」
「この間の豪炎寺さん、呼べないんですかね」
「っ!」
帝国戦で瑞貴と同じく点をとった豪炎寺修也。彼の名前が出たことで染岡の表情が険しくなった。
「そうだよね。結局の所あの2点、瑞貴さんと豪炎寺くんのシュートだったんだからねぇ」
「今の俺たちじゃ、あんな風にはなれないっスよ……」
「あんなのは邪道だ……」
便乗して目金も壁山塀吾郎も言うと、染岡は堪忍袋の緒が切れたのか、コメカミに青筋を浮かべながらプルプルと震えて立ち上がった。
「俺が本当のサッカーを見せてやる!」
「そ、染岡……?」
「染岡さん……?」
瑞貴以外は驚いて染岡を見上げる。半田も栗松も呆気にとられていた。
「帝国戦で俺たちの問題点がわかった。それで――」
「問題点も何も、まず体力なさすぎ」
「「「「「…………」」」」」
タイヤにもたれかかっている松野空介の言葉に井上瑞貴以外の部員全員の胸に刺さったのか、ズーンと部室が暗い雰囲気に陥った。
瑞貴は椅子に座っているが、その膝の上には少林寺歩が乗って瑞貴は小動物のように抱きしめている。
「……マックス、お願いだからみんなを落ち込ませないで」
「あっ、ごめん。今のヘコんだ?」
松野は謝りながら立ち上がると瑞貴を背中から抱きついた。もう松野の行動には慣れてしまったので最初のようにドキドキしない。しかし――。
「あの~マックス? 抱きつくのはいいけどさ、重いんだけど」
((ツッコむとこそこ!? てか、全然よくねーよ!!))
(ん? なんでこんなモヤモヤした気持ちになるんだ?)
瑞貴に好意を寄せている風丸、半田真一は同じことを思った。円堂は仲が良いと思いつつ、どこか胸がモヤモヤしていた。
「だって少林だけ膝に乗せるとかズルいんだよねー。ダメなら僕の膝に乗りなよ。少林も嫌がってんじゃない?」
「いーじゃん。歩、可愛いし。嫌がってるなら降ろしてっていうもん」
小動物類が好きな瑞貴にとって、小柄な少林寺はまさに瑞貴の心にドストライクだ。うらやましい、と思っている面子は少なくないだろう。
「ねぇ。そこ代わってよ、少林」
「嫌ですよ先輩。これは僕の特権なんですから」
「……円堂、話を続けてくれ」
松野と少林寺が言い争いを始めようとするのを察したのか、風丸は円堂に話を振った。
「まぁ……。体力作りはもちろんなんだけど、こんなフォーメーションを考えたんだ」
円堂は苦笑しながらも、ホワイトボードにあるコートにペンで書き込んでいく。そして書き終わったホワイトボードには、それぞれの背番号でポジションを確認するべく、全員ホワイトボードに凝視する。
「じいちゃんのメモがペーストなんだけどさ」
最初瑞貴の背番号は10番だったが帝国学園の一戦で目金欠流に渡してしまい、それから17番のユニフォームを着ることにした。一部は猛反対をしていたが、実力さえあれば10番も17番のユニフォームを着ても関係ない、と言って丸め込んだのだ。
しかし円堂が書いたポジションには10番の数字がなかった。目金は控えとなってしまったのだ。代わりに17番の数字があるのだが――。
「えー! 僕試合に出られないのー!?」
呆気に取られている瑞貴とは逆に目金は不服そうに言う。周りにいる半田と一年組は呆れた目をしていた。
「逃げた奴が何言ってんだか」
「戦略的撤退と言ってほしいね」
「「「「…………」」」
半田の言葉に目金はムッとしながらも反論した答えに半田と少林寺と栗松鉄平と宍戸佐吉はズルッとコケた。これには円堂も肩を落とす。
「ねぇ、守」
「ん?」
「欠流が試合に出れないのはどうでもいいんだけど」
「ど……瑞貴さんヒドいです!」
さり気なくヒドいことを言った瑞貴に目金は反論するが、瑞貴はプイッとそっぽを向いた。
「当たり前だろ。お前、瑞貴に『女だから』と言ったことを謝っていないからな。瑞貴はお前と違って最後まで戦ったし帝国からも点を取ったし」
目金は半田の言葉を詰まらせた。瑞貴はなるべく雷門中のダメージを減らすべく他の者より特訓をしていた。しかし試合には目金が「任せろ」とか言って前半に自分を控えにおいたから、みんなたくさん怪我をするハメになったのだ。
目金は瑞貴の隣に立つと頭を下げてきた。
「ごめんなさい」
「……もういいけど、次に女の子をバカにするような言い方をしたら怒るからね」
こうも素直に謝られると少し調子が狂うが、いつまで怒っても仕方ないので今回は許すことにした。
「で、話を戻してなんで私がFWなの?」
アニメでこの場面は目金がMFだったので、自分は目金の代わりに出るのだから当然MFになると思っていた。しかし円堂が書いたポジションには、17の数字はMFエリアでなくFWエリアにあった。
「えっ? だって瑞貴は入部するときポジションはどこでもいって言っただろ?」
「言ったけど、まさかFWになるとは……」
不思議そうに見る円堂に瑞貴は溜息を吐く。昔から人数やポジションの都合やらで、瑞貴はどのポジションでもできるオールプレーヤーになったのだ。
そしてチラリと同じポジションの染岡竜吾を見やった。染岡も視線に気づいたのか「なんだよ?」と言ってこっちを見る。
「……竜吾は私がFWでいいの?」
「ハッ? 俺は別に構わねぇよ。副キャプテンが弱気でどーんすんだよ」
「ハァッ!?」
どうやら自分は最初から染岡に敵視されているわけではなさそうだ。そのことにホッとするのも束の間、とんでもない爆弾を落とした。
「私が副キャプテンなんて聞いてないんだけど!」
「瑞貴が着替えている間にみんなで決めたんだ!」
円堂がニカッと笑い、瑞貴が周りを見ると全員頷いた。全員一致となると瑞貴はもう反対する気も失せた。
「あの~キャプテン」
恐る恐る宍戸が声を上げた。
「ん? なんだ?」
「この間の豪炎寺さん、呼べないんですかね」
「っ!」
帝国戦で瑞貴と同じく点をとった豪炎寺修也。彼の名前が出たことで染岡の表情が険しくなった。
「そうだよね。結局の所あの2点、瑞貴さんと豪炎寺くんのシュートだったんだからねぇ」
「今の俺たちじゃ、あんな風にはなれないっスよ……」
「あんなのは邪道だ……」
便乗して目金も壁山塀吾郎も言うと、染岡は堪忍袋の緒が切れたのか、コメカミに青筋を浮かべながらプルプルと震えて立ち上がった。
「俺が本当のサッカーを見せてやる!」
「そ、染岡……?」
「染岡さん……?」
瑞貴以外は驚いて染岡を見上げる。半田も栗松も呆気にとられていた。