「本当の神はどちらかな？」


するとゴッドノウズのパワーに負けたゴッドハンドは砕け散り、ボールは円堂ごとゴールに入った。


《恐るべきシュート……！　ゴッドノウズが雷門ゴールに炸裂！　世宇子中先制!!》

「守……」

「ゴッドハンドが……」

「やはり通じないのか……」


瑞貴と豪炎寺と鬼道はゴッドハンドがあっさり破られたことに悔しがり、仲間たちもその光景に唖然とした。


《なんということだぁ！　世宇子キャプテン・アフロディ、雷門イレブンにボールを全く触らせることなく得点！　これぞまさに神の領域のプレー!!》

「わかったかい？　これが君が愚かにも勝とうとしていた相手の実力だよ」

｢｢｢｢｢円堂/キャプテン!!｣｣｣｣｣


アフロディはポジションに戻るために足を進めると、円堂の周りに風丸一郎太と栗松鉄平と一之瀬と壁山を始めみんなが集まった。


「ああ！　大丈夫だ！」

「円堂……。っつ！」


風丸はゴッドハンドを出した右手のグローブが焦げていることに気づいた。


「たった一度のシュートで……！」

「ああ、スゴいシュートだった。でも、次は止めてみせる！」

「円堂……」

「よし、みんな！　今度はこっちの番だ！　取られたら取り返そうぜ！」

「点を取るぞ！」

「攻めて攻めて攻めまくろう！」

｢｢｢｢｢オウッ!!｣｣｣｣｣


一之瀬と風丸と瑞貴の掛け声で士気は上がる。世宇子イレブンはデメテルを始めみんな呆れていた。


「あきらめの悪い連中だな」

「フッ、彼ららしいよ。プシュケがいるのもそれが理由だろうね」


アフロディは瑞貴を見つめて笑う。

影山に彼女のことを聞かれたとき、どんな少女なのだろうとずっと考えていた。帝国戦のときはすぐに会場を出て行ったので見えなかった。

だが、先日雷門中に訪れたとき初めて実際に目にすることができた。異世界から来たなんて信じられないくらい普通の少女だが、その瞳の奥には確かな強さがあった。アフロディはそこに惹かれたのだ。


（プシュケ……絶対に君をこちらに引き入れるよ）