神の挑戦状!
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次の日の日曜日。朝食を食べた瑞貴は自主トレをしようと雷門のジャージを身に包んだ。
「それじゃ一哉、行ってくるね。出かけるときは戸締りよろしく」
「うん。行ってらっしゃい」
ピンポ――ン。
「瑞貴ー! いるのかー!?」
「守? すぐに開けるから待ってて」
あまり叫び声が大きいと近所迷惑になりかねないので、瑞貴は慌てて扉を開けると自分と同じようにジャージを着てリュックを背負っている円堂の姿があった。
「おはよう!」
「おはよう。どうしたの? こんな朝から……」
「これから特訓をしに鉄塔広場へ行くんだ。瑞貴も一緒に来ないか?」
別段断る理由もなかったし、瑞貴もちょうど鉄塔広場で特訓しようと思っていたので頷いた。
――そして鉄塔広場に着くと、円堂はさっそくタイヤを背負って特訓を開始した。
「俺が世宇子中のボールを止めなきゃ……!」
「守……」
その隣でシュートの特訓をしていた瑞貴は円堂を心配していたが、自分もここで立ち止まるわけにはいかないと思い再び特訓を始めた。
そんな二人の様子を、離れた場所で鬼道と一之瀬と豪炎寺が見ていた。
「やっぱりここか」
「いいの? 手伝ってあげなくて」
「あいつが戦っているのが敵ならな」
円堂はタイヤにぶつかりながら立ち上がる。何度も何度もそれを続けている。
「あいつは今、自分と戦ってるんだ」
「壁は誰かが作るわけじゃないからな」
「そうか。壁はここにあるんだな……」
一之瀬は自分の胸を押さえて言った。
「円堂のじいさんもそれが言いたかったんだ、なんて言うなよ」
「バレた?」
鬼道の正確なツッコミに一之瀬はイタズラっ子のように笑った。豪炎寺もその様子に笑みをこぼすが、円堂の隣にいる瑞貴に目を向けると悲しげな表情をする。
「……瑞貴は、円堂とは違う壁にぶち当たっているな」
「ああ。世宇子のこともあるだろうが、自分自身に負い目を感じている気がする」
「俺も何度か聞いてみたんだけど、『なんでもないよ』ですまされるんだ……」
好意を寄せている女子が困っていたら助けてあげたい、そう思う三人だが何もできずにいた。
――それから特訓を重ねる二人だが時はすでに夕方になっていた。瑞貴は一息ついてドリンクを飲むと、円堂がタイヤに弾き飛ばされたのが見えた。
「守!」
ぶつかった音が結構大きかったので、瑞貴は心配になって円堂の元へ駆け寄る。
「大丈夫!?」
「これぐらい平気だ!」
今まで見たことのない必死な円堂の姿に、瑞貴は自分の特訓も忘れるくらいずっと見ていた。