帝国が来た!
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《雷門イレブン打つ手ナシ! 成す術ナシ!》
「キャプテン……」
「円堂!」
ゴールに叩きつけられた円堂を心配して壁山や半田たちは駆け寄る。
「みんな……すまない。止められなかった……!」
「クソッ! あんな速い攻撃、どうしようもないよ」
「俺たちじゃ、付いていけないでヤンス……」
弱音を吐く半田と栗松だが、円堂は違った。
「何言ってんだ! まだ始まったばっかりだぞ!? がんばっていこうぜ!」
だが、真の姿を見せた帝国学園のサッカーは強く……ヒドいモノだった。雷門中サッカー部の体にファールギリギリでボールをくらわせ、次々とゴールにシュートを決めていく。
「ウッ!」
「っ!」
そのとき宍戸の動きが鈍ったのを発見し、瑞貴は眉を寄せる。
「マズいな……」
試合に夢中で誰にも気づかれずポツリと呟き、ベンチから立ち上がってウォーミングアップを始めた。そして10対0で前半が終了する。
――ベンチにやってきた雷門中サッカー部は息がヒドく乱れていた。
「みんな……」
「しゃべる元気すらないみたい……」
誰一人と立ち上がることもできず、秋と春奈は心配する。
「どうなってんだ、あいつら!? 誰一人息が乱れてないぜ」
「そりゃそうさ。奴ら走ってないからね」
「僕ら、ずっと『遊ばれてる』って感じですよ」
風丸が帝国学園サッカー部を見ながら言うと松野が答える。帝国学園サッカー部はほとんど自分たちのエリアからシュートを決めているので雷門エリアに向かった者は少ない。少林寺もその感覚に気づいている。
「クソッ! このまま終わってたまるか! 後半は奴らを走らせて消耗させるんだ!」
「消耗って……ムリでヤンスよ。もうヘロヘロでヤンスから……」
「ああ。俺ももう走れない……」
「なんだなんだ! どうした!? まだ前半が終わったばかりじゃないか!」
「後半もやるんスかぁ? やるまでもないっスよ」
「やっぱりこの試合、ムチャにも程があったんですよ」
栗松と宍戸と壁山の言葉に同意するメンバーは少なくないだろう。円堂は怒りに震えながらも立ち上がった。
「何言ってる!? まだやるぞ! 勝利の女神がどっちに微笑むかなんて最後までやってみなくちゃわからないじゃないか! そうだろう!? なあ、みんな!」
「「「「「…………」」」」」
しかし円堂の言葉に同意の声を上げる者はいなかった。……ただ一人を除いて。
「守の言う通り。あきらめるには早いよ」
「瑞貴!」
円堂を始め全員がウォーミングアップを終えた瑞貴を見る。瑞貴の目は栗松たちのように落胆ではなく、逆に円堂のように闘志があった。
「後半は私が入る」
「「「「「えっ!」」」」」
誰もが驚いた。確かに瑞貴のプレーはこの一週間で目金と春奈以外は知っている。彼女が入ることで少し戦力が上がるかもしれないが、問題がある。
「何言ってんだ瑞貴! さっきまでの試合見ただろ!? 相手はボールを使って俺たちを攻撃するんだぜ!?」
「だから何?」
「なっ!?」
淡々と返した瑞貴に半田たちは驚く。それを覚悟で瑞貴は声を上げたのだから。
「危険だから試合に出るなってこと? 私は雷門中サッカー部の選手だ。それに……」
「えっ!?」
瑞貴は宍戸に近づく。宍戸は先ほどの表情が少し怖かったのか肩をビクッと震わせた。
「佐吉、あんた前半で足を挫いたでしょ」
「ど、どうしてそれを――……あっ」
誰も気づかなかったのか全員驚いたように宍戸と瑞貴を見ると、円堂が宍戸のそばに来た。
「本当なのか宍戸!?」
「す、すみません……キャプテン……」
心配かけたくなかったのか、宍戸はバツが悪そうに顔をうつむけた。秋が診た結果、ヒドくはないがムリは禁物だということだ。
「ってことで、私は佐吉のポジションに着く。帝国を見返したやるって決めたからね」
「わかった。頼むぞ、瑞貴」
――後半が始まり、両チームがポジションに着く。
《さあ、後半戦のスタートです! 雷門は8番・宍戸に代わり、雷門中サッカー部の紅一点、17番・井上が入ります。圧倒的な帝国リードの前にどう立ち向かうのか!? 雷門イレブン!!》
帝国学園のキックオフで始まり、佐久間に渡されたボールを寺門が鬼道に回す。
「いくぞ……デスゾーン、開始」
鬼道の言葉を合図に帝国学園サッカー部が雷門エリアに上がって行く。
「そして奴を――引きずり出せ!」
鬼道が上げたボールを佐久間と寺門と洞面が続いて体を回転させながら飛び上がる。空中で三角形を作って回り続け、中心のボールへパワーを注いだ。
「「「デスゾーン!」」」
三人が撃ったボールは真っ直ぐゴールへ向かい、円堂は反応できず顔面にぶつかってゴールへ叩きつけられた。
「守!」
「続けろ。奴をあぶり出すまで」
「キャプテン……」
「円堂!」
ゴールに叩きつけられた円堂を心配して壁山や半田たちは駆け寄る。
「みんな……すまない。止められなかった……!」
「クソッ! あんな速い攻撃、どうしようもないよ」
「俺たちじゃ、付いていけないでヤンス……」
弱音を吐く半田と栗松だが、円堂は違った。
「何言ってんだ! まだ始まったばっかりだぞ!? がんばっていこうぜ!」
だが、真の姿を見せた帝国学園のサッカーは強く……ヒドいモノだった。雷門中サッカー部の体にファールギリギリでボールをくらわせ、次々とゴールにシュートを決めていく。
「ウッ!」
「っ!」
そのとき宍戸の動きが鈍ったのを発見し、瑞貴は眉を寄せる。
「マズいな……」
試合に夢中で誰にも気づかれずポツリと呟き、ベンチから立ち上がってウォーミングアップを始めた。そして10対0で前半が終了する。
――ベンチにやってきた雷門中サッカー部は息がヒドく乱れていた。
「みんな……」
「しゃべる元気すらないみたい……」
誰一人と立ち上がることもできず、秋と春奈は心配する。
「どうなってんだ、あいつら!? 誰一人息が乱れてないぜ」
「そりゃそうさ。奴ら走ってないからね」
「僕ら、ずっと『遊ばれてる』って感じですよ」
風丸が帝国学園サッカー部を見ながら言うと松野が答える。帝国学園サッカー部はほとんど自分たちのエリアからシュートを決めているので雷門エリアに向かった者は少ない。少林寺もその感覚に気づいている。
「クソッ! このまま終わってたまるか! 後半は奴らを走らせて消耗させるんだ!」
「消耗って……ムリでヤンスよ。もうヘロヘロでヤンスから……」
「ああ。俺ももう走れない……」
「なんだなんだ! どうした!? まだ前半が終わったばかりじゃないか!」
「後半もやるんスかぁ? やるまでもないっスよ」
「やっぱりこの試合、ムチャにも程があったんですよ」
栗松と宍戸と壁山の言葉に同意するメンバーは少なくないだろう。円堂は怒りに震えながらも立ち上がった。
「何言ってる!? まだやるぞ! 勝利の女神がどっちに微笑むかなんて最後までやってみなくちゃわからないじゃないか! そうだろう!? なあ、みんな!」
「「「「「…………」」」」」
しかし円堂の言葉に同意の声を上げる者はいなかった。……ただ一人を除いて。
「守の言う通り。あきらめるには早いよ」
「瑞貴!」
円堂を始め全員がウォーミングアップを終えた瑞貴を見る。瑞貴の目は栗松たちのように落胆ではなく、逆に円堂のように闘志があった。
「後半は私が入る」
「「「「「えっ!」」」」」
誰もが驚いた。確かに瑞貴のプレーはこの一週間で目金と春奈以外は知っている。彼女が入ることで少し戦力が上がるかもしれないが、問題がある。
「何言ってんだ瑞貴! さっきまでの試合見ただろ!? 相手はボールを使って俺たちを攻撃するんだぜ!?」
「だから何?」
「なっ!?」
淡々と返した瑞貴に半田たちは驚く。それを覚悟で瑞貴は声を上げたのだから。
「危険だから試合に出るなってこと? 私は雷門中サッカー部の選手だ。それに……」
「えっ!?」
瑞貴は宍戸に近づく。宍戸は先ほどの表情が少し怖かったのか肩をビクッと震わせた。
「佐吉、あんた前半で足を挫いたでしょ」
「ど、どうしてそれを――……あっ」
誰も気づかなかったのか全員驚いたように宍戸と瑞貴を見ると、円堂が宍戸のそばに来た。
「本当なのか宍戸!?」
「す、すみません……キャプテン……」
心配かけたくなかったのか、宍戸はバツが悪そうに顔をうつむけた。秋が診た結果、ヒドくはないがムリは禁物だということだ。
「ってことで、私は佐吉のポジションに着く。帝国を見返したやるって決めたからね」
「わかった。頼むぞ、瑞貴」
――後半が始まり、両チームがポジションに着く。
《さあ、後半戦のスタートです! 雷門は8番・宍戸に代わり、雷門中サッカー部の紅一点、17番・井上が入ります。圧倒的な帝国リードの前にどう立ち向かうのか!? 雷門イレブン!!》
帝国学園のキックオフで始まり、佐久間に渡されたボールを寺門が鬼道に回す。
「いくぞ……デスゾーン、開始」
鬼道の言葉を合図に帝国学園サッカー部が雷門エリアに上がって行く。
「そして奴を――引きずり出せ!」
鬼道が上げたボールを佐久間と寺門と洞面が続いて体を回転させながら飛び上がる。空中で三角形を作って回り続け、中心のボールへパワーを注いだ。
「「「デスゾーン!」」」
三人が撃ったボールは真っ直ぐゴールへ向かい、円堂は反応できず顔面にぶつかってゴールへ叩きつけられた。
「守!」
「続けろ。奴をあぶり出すまで」