ゴッドハンドを超えろ!
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『お前のせいで俺がレギュラーを落とされたんだぞ!』
『一回試合に出られたからって調子のんな!』
『監督に媚売って試合に出たらしいよ』
『うっそー! 最悪ー』
『女なんかがサッカーするんじゃねぇ!』
――ハッと飛び起きた井上瑞貴は、自分の頬から流れる一筋の涙に気づいた。
「……っつ!」
二度と思い出したくもない悪夢の記憶。体育座りをして瑞貴は隣の部屋にいる一之瀬一哉に聞かれないよう、ただ静かに泣いていた。
☆☆☆☆☆
生徒たちが登校する時間帯の朝、思いっきり暗い顔をして目に隈がある円堂守の周りには、木野秋と豪炎寺修也と鬼道有人と風丸一郎太と一之瀬と瑞貴がいた。
「どーしたの、その顔!?」
「ダメなんだ……ダメなんだよ……」
「ダメって……何が?」
「なぁ俺……ゴッドハンドで世宇子のシュート止められるのかな……?」
「らしくないぞ。いつものお前なら『やってみなくちゃわからない』って真正面からぶつかっていくじゃないか」
「この決勝、絶対に負けられないんだ! 『やってみなくちゃわからない』じゃダメなんだ! わかるだろ!?」
必死な円堂に圧されて鬼道は思わず頷いた。風丸も円堂の様子に呆気に取られていた。
「もしかして、昨日の木戸川戦で自信を失くしたのか?」
「失くしたっていうか、不安なんだよ……。どうしたらいいのか考えてたら眠れなくなっちゃって、頭の中グチャグチャで……」
豪炎寺の問いに円堂はそう言うと、みんなを置いて先に校舎の中へ向かった。そんな円堂の様子を一之瀬は秋に問いかける。
「彼、今までにあんなことあった?」
「ううん。あんな円堂くん、見たことない……」
雷門中サッカー部を作るときから一緒だった秋は驚いた。彼はいつだって明るさを忘れず、どんな困難も気合で乗り越えていたのだから。
「ねぇ、瑞貴ちゃん。瑞貴ちゃんからも何か言っ――」
最後まで言い終える前に、秋は瑞貴が円堂と同じように暗い表情をしていたことに気づいた。瑞貴はハッと我に返って秋を見る。
「ごめん。聞こえなかった。もう一回いいかな?」
「う、ううん。なんでもないよ」
「そっか」
言い辛くなった秋に瑞貴は笑う。だがそこにはいつもの明るい表情は見えずムリして笑っている気がする。
『一回試合に出られたからって調子のんな!』
『監督に媚売って試合に出たらしいよ』
『うっそー! 最悪ー』
『女なんかがサッカーするんじゃねぇ!』
――ハッと飛び起きた井上瑞貴は、自分の頬から流れる一筋の涙に気づいた。
「……っつ!」
二度と思い出したくもない悪夢の記憶。体育座りをして瑞貴は隣の部屋にいる一之瀬一哉に聞かれないよう、ただ静かに泣いていた。
☆☆☆☆☆
生徒たちが登校する時間帯の朝、思いっきり暗い顔をして目に隈がある円堂守の周りには、木野秋と豪炎寺修也と鬼道有人と風丸一郎太と一之瀬と瑞貴がいた。
「どーしたの、その顔!?」
「ダメなんだ……ダメなんだよ……」
「ダメって……何が?」
「なぁ俺……ゴッドハンドで世宇子のシュート止められるのかな……?」
「らしくないぞ。いつものお前なら『やってみなくちゃわからない』って真正面からぶつかっていくじゃないか」
「この決勝、絶対に負けられないんだ! 『やってみなくちゃわからない』じゃダメなんだ! わかるだろ!?」
必死な円堂に圧されて鬼道は思わず頷いた。風丸も円堂の様子に呆気に取られていた。
「もしかして、昨日の木戸川戦で自信を失くしたのか?」
「失くしたっていうか、不安なんだよ……。どうしたらいいのか考えてたら眠れなくなっちゃって、頭の中グチャグチャで……」
豪炎寺の問いに円堂はそう言うと、みんなを置いて先に校舎の中へ向かった。そんな円堂の様子を一之瀬は秋に問いかける。
「彼、今までにあんなことあった?」
「ううん。あんな円堂くん、見たことない……」
雷門中サッカー部を作るときから一緒だった秋は驚いた。彼はいつだって明るさを忘れず、どんな困難も気合で乗り越えていたのだから。
「ねぇ、瑞貴ちゃん。瑞貴ちゃんからも何か言っ――」
最後まで言い終える前に、秋は瑞貴が円堂と同じように暗い表情をしていたことに気づいた。瑞貴はハッと我に返って秋を見る。
「ごめん。聞こえなかった。もう一回いいかな?」
「う、ううん。なんでもないよ」
「そっか」
言い辛くなった秋に瑞貴は笑う。だがそこにはいつもの明るい表情は見えずムリして笑っている気がする。