「いくぞ！」

「まさか！」


一之瀬を中心として土門と円堂も上がると、その体勢に一之瀬たちと同じくアメリカにいた木戸川清修の西垣守は目を見開いた。そして三人の力が一つに集まりペガサスに変形した。


「あれはトライペガサス！　一之瀬が言ってたことは本当だったのか！」

｢｢｢トライペガサス！｣｣｣


そしてボールはそのまま木戸川清修のゴールへ突き刺さった。


｢｢｢｢よぉし！｣｣｣｣

｢｢やったぁ！｣｣

「フゥ……。ハラハラさせるわね」


ベンチにいる宍戸佐吉と半田真一と目金欠流と影野仁と少林寺歩、木野秋と音無春奈は喜び合い、雷門夏未はホッと一息をつく。監督の響木正剛も白い歯を出してニッと笑った。


「よぉっしゃぁあ！」

《なんとキーパー円堂も加わった攻撃で、雷門中が同点に追いついた――っ!!》

「ナイスシュート！」

「ああ！」


円堂と瑞貴は笑い合ってハイタッチを交わした。

そして前半戦が終了し１対１のまま勝負は後半戦に委ねられることになった。正に準決勝に相応しい勝負となっているだろう。両校の選手はベンチへ向かう。


「豪炎寺！」


ピッチから出ようとする豪炎寺を勝が呼び止め、豪炎寺が振り向くと三兄弟がそろっていた。


「あなたにだけは絶対に負けない！」

「豪炎寺を倒して証明しちゃうからね！」

「武方三兄弟は、豪炎寺を超えたって！」


豪炎寺はいつものポーカーフェイスのままでいた。それからベンチに戻った選手は各自で水分補給を取る。


「みんながんばって！　三兄弟と中盤の連携を崩せば、必ず逆転できるわ！」


秋が励ますも一部の選手は厳しい顔つきのままでいた。


「だが、奴らも後半は修正してくるだろう」

「それに、あの技もまだ出していない」

「トライアングルＺか……」

「このまま終わるはずがない……」


鬼道と豪炎寺と一之瀬と瑞貴を始め他のみんなもまだ油断ならないと思った。