必殺のトライアングルZ!
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――場所を変えて雷雷軒。カウンター席に風丸と宍戸、二人用のテーブル席に鬼道と円堂、瑞貴と豪炎寺と座り、食事を取りがてら作戦会議を開くことにした。
「問題は、あのパワーとスピードをどう阻止するかだが……」
「トライアングルZか」
「あんなスゴい技見たことないですよ……」
風丸と宍戸は先ほどの勝負を思い出す。三人の連携技とはいえ、凄まじいパワーとスピードを持っていた。
「今まで対戦した中でも、最強のシュートじゃないか?」
「ああ。単純なパワーの比較なら、帝国のデスゾーンより強力かもしれない」
「デスゾーンもスゴい技だったのに、それより上だと厄介だね……」
「大丈夫! 今日は初めてだったから驚いただけさ。試合では絶対止めてみせる!」
自信満々に言う円堂に風丸と鬼道は少し疑いの眼差しで見る。
「本当に、できるのか?」
「根拠は?」
「死に物狂いで練習する!」
「「だああぁぁあああ!!」」
「物凄く単純な理論だな……」
予想通りというか、当たり前のように言った円堂の言葉に風丸と宍戸はズッコケ、鬼道は口の端を引きつらせる。その光景に瑞貴はコッソリ笑っていた。
「円堂の言うことも間違ってるわけじゃないぞ」
言葉を発したのは響木正剛に、全員真剣な面差しで顔を向ける。
「サッカーの中で絶対に嘘をつかないものが一つだけある。なんだと思う?」
響木は瑞貴に顔を向けた。瑞貴は自分が答えろと言っていることに気づき微笑んで答える。
「練習、ですよね」
「そうだ。練習で得たものしか試合には出てこない」
「確かに、それは正論ですね」
今度は鬼道も頷けるほど納得の理論だった。
「よぉ~し! 明日から特訓だー!」
「わかってると思うけど、ムチャしすぎて体を壊さないで」
「ハイ……」
瑞貴の低く鋭い声に円堂は冷や汗をかきながら素直に頷いた。次いで瑞貴は決意するように拳を握る。
「私もあの三兄弟に、ひと泡吹かせてやらないと気が済まないしね……!」
コメカミに青筋を立ててプルプルと拳を震わせる瑞貴の姿に、向かいにいる豪炎寺はもちろん、周りにいる円堂たちも背筋が凍るくらいだ。
その様子に心当たりがある風丸と宍戸は、円堂と鬼道にそれぞれ訊く。
「え、円堂……。もしかして瑞貴の奴……」
「あいつらの言い分にキレた……」
「鬼道さん……。見たんですか……?」
「ある意味、瑞貴は只者ではない気がした……」
誰もが瑞貴をキレさせるべきではないと、再認識した瞬間でもあった。
☆☆☆☆☆
――それから特訓の日々が始まる。円堂もイナビカリ修練場でムチャだというくらい特訓をし、瑞貴も部活時間外では河川敷で特訓をしていた。
コーンを反対側の陣にあちこちに置き、瑞貴はセンターサークルでボールを構える。
「よしっ!」
瑞貴がコーンを次々よけていくと、体の回りから神秘的な光と妖精が現れてコーンを飛ばす。驚いた瑞貴がつい足を止めると光も妖精も消えた。
「も、もしかして新必殺技……?」
パチパチパチ――……。
瑞貴が唖然としていると、拍手が聞こえた。なんだかデジャヴを感じて振り向くと、そこには神崎シンではなく、四、五歳くらいの男の子だった。
「お姉ちゃんスゴいね! 今のって新しい技?」
男の子はキラキラと目を輝かせながら瑞貴の元へ駆け寄ると、瑞貴はとりあえず男の子と同じ目線になるように腰を落とす。
「えーと……君は?」
「僕、南沢篤志っていうんだ!」
ピシリ、と瑞貴は固まった。それは十年後に雷門のエースストライカーとなる少年だった。
「お姉ちゃん?」
何も言わない瑞貴を不思議に思ったのか、男の子――南沢篤志は首を傾げると瑞貴はハッと我に返り「なんでもないよ!」と首を振る。
「そのユニフォーム雷門中だよね? フットボールフロンティアでお姉ちゃんの活躍いつも見てるよ! 僕、お姉ちゃんのファンなんだ!」
「あ、ありがとう……」
再び目を輝かせる南沢に、瑞貴はもう苦笑する他なかった。
「ねぇ、お姉ちゃん。一緒にサッカーやって!」
子供特有のキラキラとした可愛い笑顔に瑞貴は迷いもなく頷いた。
「問題は、あのパワーとスピードをどう阻止するかだが……」
「トライアングルZか」
「あんなスゴい技見たことないですよ……」
風丸と宍戸は先ほどの勝負を思い出す。三人の連携技とはいえ、凄まじいパワーとスピードを持っていた。
「今まで対戦した中でも、最強のシュートじゃないか?」
「ああ。単純なパワーの比較なら、帝国のデスゾーンより強力かもしれない」
「デスゾーンもスゴい技だったのに、それより上だと厄介だね……」
「大丈夫! 今日は初めてだったから驚いただけさ。試合では絶対止めてみせる!」
自信満々に言う円堂に風丸と鬼道は少し疑いの眼差しで見る。
「本当に、できるのか?」
「根拠は?」
「死に物狂いで練習する!」
「「だああぁぁあああ!!」」
「物凄く単純な理論だな……」
予想通りというか、当たり前のように言った円堂の言葉に風丸と宍戸はズッコケ、鬼道は口の端を引きつらせる。その光景に瑞貴はコッソリ笑っていた。
「円堂の言うことも間違ってるわけじゃないぞ」
言葉を発したのは響木正剛に、全員真剣な面差しで顔を向ける。
「サッカーの中で絶対に嘘をつかないものが一つだけある。なんだと思う?」
響木は瑞貴に顔を向けた。瑞貴は自分が答えろと言っていることに気づき微笑んで答える。
「練習、ですよね」
「そうだ。練習で得たものしか試合には出てこない」
「確かに、それは正論ですね」
今度は鬼道も頷けるほど納得の理論だった。
「よぉ~し! 明日から特訓だー!」
「わかってると思うけど、ムチャしすぎて体を壊さないで」
「ハイ……」
瑞貴の低く鋭い声に円堂は冷や汗をかきながら素直に頷いた。次いで瑞貴は決意するように拳を握る。
「私もあの三兄弟に、ひと泡吹かせてやらないと気が済まないしね……!」
コメカミに青筋を立ててプルプルと拳を震わせる瑞貴の姿に、向かいにいる豪炎寺はもちろん、周りにいる円堂たちも背筋が凍るくらいだ。
その様子に心当たりがある風丸と宍戸は、円堂と鬼道にそれぞれ訊く。
「え、円堂……。もしかして瑞貴の奴……」
「あいつらの言い分にキレた……」
「鬼道さん……。見たんですか……?」
「ある意味、瑞貴は只者ではない気がした……」
誰もが瑞貴をキレさせるべきではないと、再認識した瞬間でもあった。
☆☆☆☆☆
――それから特訓の日々が始まる。円堂もイナビカリ修練場でムチャだというくらい特訓をし、瑞貴も部活時間外では河川敷で特訓をしていた。
コーンを反対側の陣にあちこちに置き、瑞貴はセンターサークルでボールを構える。
「よしっ!」
瑞貴がコーンを次々よけていくと、体の回りから神秘的な光と妖精が現れてコーンを飛ばす。驚いた瑞貴がつい足を止めると光も妖精も消えた。
「も、もしかして新必殺技……?」
パチパチパチ――……。
瑞貴が唖然としていると、拍手が聞こえた。なんだかデジャヴを感じて振り向くと、そこには神崎シンではなく、四、五歳くらいの男の子だった。
「お姉ちゃんスゴいね! 今のって新しい技?」
男の子はキラキラと目を輝かせながら瑞貴の元へ駆け寄ると、瑞貴はとりあえず男の子と同じ目線になるように腰を落とす。
「えーと……君は?」
「僕、南沢篤志っていうんだ!」
ピシリ、と瑞貴は固まった。それは十年後に雷門のエースストライカーとなる少年だった。
「お姉ちゃん?」
何も言わない瑞貴を不思議に思ったのか、男の子――南沢篤志は首を傾げると瑞貴はハッと我に返り「なんでもないよ!」と首を振る。
「そのユニフォーム雷門中だよね? フットボールフロンティアでお姉ちゃんの活躍いつも見てるよ! 僕、お姉ちゃんのファンなんだ!」
「あ、ありがとう……」
再び目を輝かせる南沢に、瑞貴はもう苦笑する他なかった。
「ねぇ、お姉ちゃん。一緒にサッカーやって!」
子供特有のキラキラとした可愛い笑顔に瑞貴は迷いもなく頷いた。