帝国が来た!
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「ロッカーがぁ! さっきから、さっきから揺れてるでヤンスよぉ!」
ガンッ!
「うわあっ! 出たぁ~!」
大きな音を立てると栗松は飛び上がる。
「出たって、オバケが入っているわけないだろ」
「えっ!? オバケ!?」
瑞貴は『オバケ』という単語に思わず角に隠れた。しかし構わずロッカーに進む円堂。
「そこにいるのか? 壁山」
円堂がロッカーを開けると反動で思いっきりドアが開き飛ばされた。ロッカーの中には予想通り壁山がいた。
「どうも、キャプテン。どうも。どうも……」
「「「壁山……」」」
呆れながら壁山の名を呼ぶ宍戸と松野と半田。瑞貴もホッと息を吐くと三人の元に近づき、円堂も立ち上がる。
「お前何やってんだよ? 早く出ろよ。試合始まっちゃうだろ」
「それがその~……抜けられないんスよ、助けて~!」
壁山はビョンビョンとロッカーごと跳ぶ。ある意味スゴい。
「じゃあいっそ、そのままサッカーやるでヤンスね。鉄壁の守り、なんちって」
「あっ、鉄平うまい」
「違うだろ」
「そんな~! 出して欲しいっス~」
栗松と瑞貴の冗談に半田がツッコミを入れ、壁山がさらに跳ぶとその反動で倒れてしまった。しかもドアがバタンと閉じ、また開いた。怪我していないのが不思議だ。
「――俺がやってみますキャプテン!」
「少林、頼むぞ!」
「アチャチャチャ、アチャァ――ッ!!」
うしろから少林寺がスゴい勢いで走ってくる。円堂が頼むと少林寺は跳び上がりと言ってロッカーを蹴り、壁山はなんとか出れた。
「で、出た……」
みんなが驚いている中、瑞貴はポーズを決めている少林寺に拍手を送った。
「歩、スゴい!」
「さすがだな、少林。試合でもそのキックで頼むぜ」
円堂も少林寺を褒めていると、壁山が上半身を起こす。
「すみませんキャプテン。俺、ちょっと怖くなっちゃたんス……」
「壁山、逃げたら何も始まらない。一度逃げたらずーっと逃げ続けなきゃならなくなる。そんなのカッコ悪いだろ」
瑞貴は円堂の言葉にジーンと胸を打たれた。アニメの『キャプテン・今日の格言』にも使えそうな気がする。
壁山も言葉の意味を理解したのか片目に涙が少し出て円堂を見る。
「キャプテン……すみません。俺、やるだけやってみるっス!」
やる気を出した壁山に瑞貴は立ち上がらせるべく手を貸す。
「がんばろうね、塀吾郎」
「はいっス!」
「おっと」
壁山も瑞貴の手を取るが体格差があるため、瑞貴は少しよろめいてしまった。
☆☆☆☆☆
やっと試合が始められる。もちろん瑞貴は帝国学園サッカー部にお詫びと待っていてくれたことの感謝を告げた。再び謝罪をしに来たことに帝国学園はまた驚いて瑞貴を見た。鬼道は少し別の意味で見ていたが。
雷門中と帝国学園がセンターラインに並び向かい合う。ベンチでは見ていた秋と冬海の元にペンと手帳を持った一人の女子生徒がやってきた。
「あの~。ここで一緒に見ててもいいですか?」
「えっ?」
女子生徒は秋の了承を得るまでもなく隣に座る。
「私、新聞部の音無春奈です。どうぞよろしく」
「ああ取材ね。どうぞ」
「やっと十一人そろったんですね。よかった」
「うん」
どうやら女子生徒――音無春奈も気にかけていたようだ。まあ新聞部の取材にコメントではなく部員募集の宣伝をしてほしい、と頼まれたら印象に残るだろう。
「それで?」
「それで?」
「勝つ自信ありますか?」
「勝つ自信?」
春奈に尋ねられた秋は少し悩む。
ガンッ!
「うわあっ! 出たぁ~!」
大きな音を立てると栗松は飛び上がる。
「出たって、オバケが入っているわけないだろ」
「えっ!? オバケ!?」
瑞貴は『オバケ』という単語に思わず角に隠れた。しかし構わずロッカーに進む円堂。
「そこにいるのか? 壁山」
円堂がロッカーを開けると反動で思いっきりドアが開き飛ばされた。ロッカーの中には予想通り壁山がいた。
「どうも、キャプテン。どうも。どうも……」
「「「壁山……」」」
呆れながら壁山の名を呼ぶ宍戸と松野と半田。瑞貴もホッと息を吐くと三人の元に近づき、円堂も立ち上がる。
「お前何やってんだよ? 早く出ろよ。試合始まっちゃうだろ」
「それがその~……抜けられないんスよ、助けて~!」
壁山はビョンビョンとロッカーごと跳ぶ。ある意味スゴい。
「じゃあいっそ、そのままサッカーやるでヤンスね。鉄壁の守り、なんちって」
「あっ、鉄平うまい」
「違うだろ」
「そんな~! 出して欲しいっス~」
栗松と瑞貴の冗談に半田がツッコミを入れ、壁山がさらに跳ぶとその反動で倒れてしまった。しかもドアがバタンと閉じ、また開いた。怪我していないのが不思議だ。
「――俺がやってみますキャプテン!」
「少林、頼むぞ!」
「アチャチャチャ、アチャァ――ッ!!」
うしろから少林寺がスゴい勢いで走ってくる。円堂が頼むと少林寺は跳び上がりと言ってロッカーを蹴り、壁山はなんとか出れた。
「で、出た……」
みんなが驚いている中、瑞貴はポーズを決めている少林寺に拍手を送った。
「歩、スゴい!」
「さすがだな、少林。試合でもそのキックで頼むぜ」
円堂も少林寺を褒めていると、壁山が上半身を起こす。
「すみませんキャプテン。俺、ちょっと怖くなっちゃたんス……」
「壁山、逃げたら何も始まらない。一度逃げたらずーっと逃げ続けなきゃならなくなる。そんなのカッコ悪いだろ」
瑞貴は円堂の言葉にジーンと胸を打たれた。アニメの『キャプテン・今日の格言』にも使えそうな気がする。
壁山も言葉の意味を理解したのか片目に涙が少し出て円堂を見る。
「キャプテン……すみません。俺、やるだけやってみるっス!」
やる気を出した壁山に瑞貴は立ち上がらせるべく手を貸す。
「がんばろうね、塀吾郎」
「はいっス!」
「おっと」
壁山も瑞貴の手を取るが体格差があるため、瑞貴は少しよろめいてしまった。
☆☆☆☆☆
やっと試合が始められる。もちろん瑞貴は帝国学園サッカー部にお詫びと待っていてくれたことの感謝を告げた。再び謝罪をしに来たことに帝国学園はまた驚いて瑞貴を見た。鬼道は少し別の意味で見ていたが。
雷門中と帝国学園がセンターラインに並び向かい合う。ベンチでは見ていた秋と冬海の元にペンと手帳を持った一人の女子生徒がやってきた。
「あの~。ここで一緒に見ててもいいですか?」
「えっ?」
女子生徒は秋の了承を得るまでもなく隣に座る。
「私、新聞部の音無春奈です。どうぞよろしく」
「ああ取材ね。どうぞ」
「やっと十一人そろったんですね。よかった」
「うん」
どうやら女子生徒――音無春奈も気にかけていたようだ。まあ新聞部の取材にコメントではなく部員募集の宣伝をしてほしい、と頼まれたら印象に残るだろう。
「それで?」
「それで?」
「勝つ自信ありますか?」
「勝つ自信?」
春奈に尋ねられた秋は少し悩む。