よみがえった天才!
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トライペガサスは結局できずに夕方になり、さすがに遅くなるので解散することになった。
「ただいまー」
「お邪魔します」
夕飯の買い物を追えて家の扉を開けた瑞貴のうしろにいるのは一之瀬だ。一応シンに連絡を取り、とりあえず一之瀬は瑞貴の家に泊まることになった。
開口一番に帰りの挨拶をしたが、返ってくる言葉がなくて一之瀬は首を傾げた。
「誰もいないの?」
「両親がいないから私一人暮らしなんだ」
「ご、ごめん!」
「もう慣れているから構わないよ」
一之瀬は慌てて謝ると、瑞貴は苦笑しながら自分の部屋の隣部屋に案内する。
「この空き部屋を使って。掃除はちゃんとしているから大丈夫だよ」
「ごめんね。いろいろと迷惑をかけちゃって」
「これぐらい平気だって」
瑞貴が部屋の扉を開くと、そこはベッドやクローゼットや机など定番な家具しか置かれていない部屋だが、確かに綺麗に掃除されていた。
「こんないい部屋使って構わないの?」
「他の空き部屋も似たようなものだから遠慮なくくつろいでいいよ」
そう言って瑞貴はリビングでお茶を用意すると一之瀬も来たのでお茶をテーブルに置く。
「そういえばシンと一哉ってどうやって会ったの?」
「ああ。実は――」
一之瀬の話によると、事故で入院していた大病院は神崎グループが経営している病院らしい。
『こんにちは、僕は神崎シンっていうんだ』
『…………』
たまたまアメリカに来たシンがついでに病院へ様子を見に行き、そこで一之瀬を見かけたのだ。そのときの一之瀬は『一生サッカーができない』と診断されてショックを受けていたのでシンと話すのも拒んでいた。
『やあ、一哉くん』
『シンさん!』
だがシンは何度も何度も一之瀬に会いに行って励まし、だんだんと一之瀬は心を開いた。
「俺が退院してからはあまり会えなくなったけど、この間、仕事の合間を縫って会いに来てくれたんだ。そしたら、日本にいる君のことを聞いて会ってみたいなって思ったんだ。それに秋と同じ学校だっていうし」
「男勝りな女の子でガッカリした?」
「全然! むしろシンさんが言ってた通り、笑顔がステキな可愛い子だよ!」
忘れてはならないが一之瀬もイケメンだ。笑ってそう口説かれれば瑞貴だって顔を赤くしないわけがない。どう返事するか瑞貴が迷っていると――。
♪ピリリリ、ピリリリ♪
メールの着信音が流れて瑞貴は誤魔化すようにとっさに携帯を取ってメールを開く。
「一哉。守が一哉の話を聞きたいから、うちに来てくれって」
「うん! 俺は構わないよ」
「みんなも来るようだし、大人数なんだから何か作っていこうかな」
「俺も手伝うよ」
瑞貴はそう言って腕をまくりキッチンに向かうと、一之瀬もそのあとを追いかけた。
――準備が済んだので瑞貴と一之瀬は円堂の家に向かった。
「こんばんはー」
「いらっしゃい、瑞貴ちゃん。それとそっちの子が一之瀬くんね」
「こんばんは、温子さん」
「初めまして」
瑞貴と一之瀬が同時に頭を下げると、円堂の母・円堂温子が「どうぞ上がって」と言ったので二人は靴を脱いで玄関に上がる。
「これ、うちで作った野菜やクリームシチューや肉のミニコロッケです。お口に合うといいんですが……」
「ありがとう。守から瑞貴ちゃんの料理は上手って聞いてるのよ」
学校では昼食はいつもサッカー部の仲間と食べているため、たまにおかずの交換が行われているので円堂も瑞貴からおかずをもらっている。それで味を占めたのだろう。