鬼道の決意!
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「「早く教えろ/てよ!」」
痺れを切らした円堂と瑞貴がそう叫ぶと豪炎寺も同じように頷く。
「言葉にすんのムズいんだよ」
「だったら、図で説明すればいいんじゃない?」
「おおっ。瑞貴ちゃんナイスアイデア!」
土門が瑞貴にグッと親指を立てるとしゃがみこんで地面に図を書き、他の四人もそれに続く。
「えっ? なんでそうなんだよ」
「だからさ、こっからこう力がぶつかるだろ? そうすっと――」
「ああ、そうか! わかった! おもしれー……!」
円堂が土門の説明に納得していると、豪炎寺が図ではなく別の方向へ顔を向けていることに瑞貴は気づいた。
「修也?」
「ちょっと付き合ってくれ」
豪炎寺はいきなり立ち上がったと思うと瑞貴の腕を引き、ボールを一つ取ってそのまま学校の外へ連れて行った。
突然の出来事に円堂と秋と土門はポカーンとする。
「あー豪炎寺! まさか練習サボって瑞貴ちゃんとデートする気か!?」
「えぇ!? 瑞貴ちゃんとデートなんて許せないわ!」
キョトンとしている円堂とは違い、土門と秋は練習をサボることよりデートの方が真っ先に頭に思い浮かんだらしい。
円堂は頭の中で楽しそうに笑い合ってデートをする豪炎寺と瑞貴を想像してみた。
(……なんか嫌だ)
土門と秋は興奮しているため、円堂が悲しそうに顔をうつむけているなど気づかなかった。
――さすがにずっと手は引かず、豪炎寺が瑞貴を連れて辿り着いた場所は河川敷だった。豪炎寺の意図を思い出した瑞貴は橋で周りを見渡すと、ある一点を指差した。
「いたよ、修也」
「ああ」
その先には土手に座っている春奈と、そのそばには鬼道がいた。
豪炎寺はボールを軽く上げファイアトルネードを撃つ。鬼道はすぐにその気配を察し、そのまま蹴り返す。
「こんなボールを蹴ることができる奴……!」
弾き返されたボールは橋に当たり、その反動で上がると豪炎寺の手に治まった。
「豪炎寺か! それに井上も!」
鬼道がそう叫ぶと豪炎寺は二人に向かって歩き出し、瑞貴もそのうしろを付いて行く。
「豪炎寺先輩、瑞貴先輩! お兄ちゃんは別に、スパイをしてたわけじゃないんです! 本当です!」
「……お兄ちゃん、か」
豪炎寺をこの世で『兄』と呼ぶ妹は現在眠ったまま。今は声を聞くことすらできない。
「来いよ」
「ああ」
グラウンドに下りる豪炎寺。それを追うように、鬼道は春奈に安心させるように肩に手を置いてからそれに続く。
「瑞貴先輩! 本当にお兄ちゃんは――」
「わかってるから落ち着いて春奈ちゃん。あれは『拳の語り合い』みたいなものだから」
「えっ?」
瑞貴が苦笑しながら人差し指を立てて説明し、フィールドに目を向けると、豪炎寺と鬼道は本気でボールを蹴り合いしていた。
「鬼道! そんなに悔しいか!」
「悔しいさ! 世宇子中を俺は倒したい!」
「だったらやれよ!」
「ムリだ! 帝国はフットボールフロンティアから敗退した……」
「自分から負けを認めるのか! 鬼道!」
豪炎寺がファイアトルネードを撃つと、それは鬼道を通り過ぎ、土手に大きなクレーターを作りボールは破裂する。
「一つだけ方法がある。お前は円堂を正面しか見たことがなく、瑞貴を追いかけるしか走ってないだろう? あいつらに背中を任せ、一緒に走る気はないか?」
「!」
豪炎寺の言葉に驚く鬼道を見て、瑞貴は楽しそうに微笑んで携帯を取り出した。
「さて、やることがいっぱいだね」
電話帳を開いて選んだ名前は……『雷門夏未』である。
☆☆☆☆☆
瑞貴が河川敷で言った『やること』は夜まで続いてしまった。急いで帰宅すると自宅の前に誰かがいることに気づき、よく目を凝らすと……正体は円堂だった。
「守?」
「あっ、瑞貴! ちょうどよかった。今、インターフォンを鳴らそうとしてからさ」
円堂も気づいて瑞貴の元へ駆け寄ると、手に持っていたタッパーが入っている袋を渡す。
「これ、母ちゃん特製の肉じゃが。差し入れだ」
「ありがとう! 温子さんの料理っておいしいんだよね!」
「本当は晩飯に誘おうとしたんだけど、なんでかお前の携帯が繋がらなかったんだ」
「あっ、別の人と連絡していたから繋がらなかったんだ。ごめんね」
「いや、それなら仕方ないよな……」
痺れを切らした円堂と瑞貴がそう叫ぶと豪炎寺も同じように頷く。
「言葉にすんのムズいんだよ」
「だったら、図で説明すればいいんじゃない?」
「おおっ。瑞貴ちゃんナイスアイデア!」
土門が瑞貴にグッと親指を立てるとしゃがみこんで地面に図を書き、他の四人もそれに続く。
「えっ? なんでそうなんだよ」
「だからさ、こっからこう力がぶつかるだろ? そうすっと――」
「ああ、そうか! わかった! おもしれー……!」
円堂が土門の説明に納得していると、豪炎寺が図ではなく別の方向へ顔を向けていることに瑞貴は気づいた。
「修也?」
「ちょっと付き合ってくれ」
豪炎寺はいきなり立ち上がったと思うと瑞貴の腕を引き、ボールを一つ取ってそのまま学校の外へ連れて行った。
突然の出来事に円堂と秋と土門はポカーンとする。
「あー豪炎寺! まさか練習サボって瑞貴ちゃんとデートする気か!?」
「えぇ!? 瑞貴ちゃんとデートなんて許せないわ!」
キョトンとしている円堂とは違い、土門と秋は練習をサボることよりデートの方が真っ先に頭に思い浮かんだらしい。
円堂は頭の中で楽しそうに笑い合ってデートをする豪炎寺と瑞貴を想像してみた。
(……なんか嫌だ)
土門と秋は興奮しているため、円堂が悲しそうに顔をうつむけているなど気づかなかった。
――さすがにずっと手は引かず、豪炎寺が瑞貴を連れて辿り着いた場所は河川敷だった。豪炎寺の意図を思い出した瑞貴は橋で周りを見渡すと、ある一点を指差した。
「いたよ、修也」
「ああ」
その先には土手に座っている春奈と、そのそばには鬼道がいた。
豪炎寺はボールを軽く上げファイアトルネードを撃つ。鬼道はすぐにその気配を察し、そのまま蹴り返す。
「こんなボールを蹴ることができる奴……!」
弾き返されたボールは橋に当たり、その反動で上がると豪炎寺の手に治まった。
「豪炎寺か! それに井上も!」
鬼道がそう叫ぶと豪炎寺は二人に向かって歩き出し、瑞貴もそのうしろを付いて行く。
「豪炎寺先輩、瑞貴先輩! お兄ちゃんは別に、スパイをしてたわけじゃないんです! 本当です!」
「……お兄ちゃん、か」
豪炎寺をこの世で『兄』と呼ぶ妹は現在眠ったまま。今は声を聞くことすらできない。
「来いよ」
「ああ」
グラウンドに下りる豪炎寺。それを追うように、鬼道は春奈に安心させるように肩に手を置いてからそれに続く。
「瑞貴先輩! 本当にお兄ちゃんは――」
「わかってるから落ち着いて春奈ちゃん。あれは『拳の語り合い』みたいなものだから」
「えっ?」
瑞貴が苦笑しながら人差し指を立てて説明し、フィールドに目を向けると、豪炎寺と鬼道は本気でボールを蹴り合いしていた。
「鬼道! そんなに悔しいか!」
「悔しいさ! 世宇子中を俺は倒したい!」
「だったらやれよ!」
「ムリだ! 帝国はフットボールフロンティアから敗退した……」
「自分から負けを認めるのか! 鬼道!」
豪炎寺がファイアトルネードを撃つと、それは鬼道を通り過ぎ、土手に大きなクレーターを作りボールは破裂する。
「一つだけ方法がある。お前は円堂を正面しか見たことがなく、瑞貴を追いかけるしか走ってないだろう? あいつらに背中を任せ、一緒に走る気はないか?」
「!」
豪炎寺の言葉に驚く鬼道を見て、瑞貴は楽しそうに微笑んで携帯を取り出した。
「さて、やることがいっぱいだね」
電話帳を開いて選んだ名前は……『雷門夏未』である。
☆☆☆☆☆
瑞貴が河川敷で言った『やること』は夜まで続いてしまった。急いで帰宅すると自宅の前に誰かがいることに気づき、よく目を凝らすと……正体は円堂だった。
「守?」
「あっ、瑞貴! ちょうどよかった。今、インターフォンを鳴らそうとしてからさ」
円堂も気づいて瑞貴の元へ駆け寄ると、手に持っていたタッパーが入っている袋を渡す。
「これ、母ちゃん特製の肉じゃが。差し入れだ」
「ありがとう! 温子さんの料理っておいしいんだよね!」
「本当は晩飯に誘おうとしたんだけど、なんでかお前の携帯が繋がらなかったんだ」
「あっ、別の人と連絡していたから繋がらなかったんだ。ごめんね」
「いや、それなら仕方ないよな……」