鬼道の決意!
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みんなの調子が悪い原因はイナビカリ修練場なのだ。個人の技や技術が格段に上がったせいで、相手の身体能力がどれくらい上がったか感覚で捕らえていないためタイミングが合わせられないのだ。能力の向上が裏目に出たのだ。
瑞貴自身は原作を知っているのでそのことに気づいているが、監督の響木正剛から「何も言うな」と言われたので黙っている。
「今度は瑞貴、お前と豪炎寺がやってみろよー」
「あっ、うん」
円堂は瑞貴に向かってボールを投げ瑞貴はそれを受け取り、ボールと自分自身を空高く飛ぶ。豪炎寺もゴールに向かって走り出した。
「シューティング……」
「トルネード!」
円堂が受け止めるも弾き飛ばされボールはそのまま見事にゴールに入った。
「……あれ?」
「スッゲーな瑞貴! 豪炎寺!」
「ああ」
「あっ、うん……」
シュートは決まったのに豪炎寺と違って瑞貴は浮かない顔をしているので、三人は不思議に思って瑞貴の周りに駆け寄る。
「どうしたんだ? シューティングトルネード決まったじゃねぇか」
「そうなんだけど威力がね……」
「円堂、いつもより弱く感じたか?」
「全っ然! むしろ前よりパワーが上がってるぞ」
そうシュートの感想を言う円堂に、瑞貴は目を見開いて顎に手をかけて悩む。
(みんなのパスや必殺技が決まらないのはレベルアップのため。ドラゴントルネードが決まらないのも同じ。なのに……)
瑞貴が参加した必殺技はちゃんと決まった。自分がレベルアップしていないのかと思ったが、シューティングトルネードのパワーは上がっていると言う。ますます何故だろう、と思い悩んだ。
すると秋のホイッスルが鳴り、全員顔を向ける。
「はい! ちょっと休憩!」
「スポーツドリンクで水分補給ー!」
「レモンの蜂蜜漬けもあるわ」
「「「「「おおおぉぉおおお!!」」」」」
いつもはない差し入れに部員は興奮し、それぞれドリンクとレモンの蜂蜜漬けを取る。
「すっぺー!」
「でも甘いね!」
円堂と瑞貴が笑い合いながら言うように、他のみんなも顔が綻んでいる。
「夏未さん、いつの間に蜂蜜漬けなんて作ったの?」
「暇だったから瑞貴に教えてもらったの」
「やっぱり、みんなのことが気になる?」
「負けてうちの評判が落とされると困るだけ」
素直じゃない夏未に秋は微笑む。二人がこんな会話をしていたことを知っているのはそばにいた春奈だけだった。
「「よーし! また練習だー!」」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
円堂と瑞貴を始め、全員フィールドに戻って練習を再開する。
――夏未は響木に、父・雷門総一郎からもらった影山零治のことに関する手紙を見せた。
「理事長も影山は危険だと思っているんだな」
「ええ……」
「とにかく何があるのかわからない気をつけてかかろう」
「はい」
響木は手紙をたたみ封筒に入れて夏未に手渡す。
「円堂くんや瑞貴たちには……」
「不安がらせるのもいかんだろう。それに――円堂も瑞貴もわかっている」
「二人が……?」
響木と夏未はピッチにいる円堂と瑞貴を見る。二人が話し合いをしているとそこへ駆けつけた秋と春奈から何か聞きだし、豪炎寺と土門を呼ぶ。
「バカや不思議そうに見えてあいつらはわかってるさ。フットボールフロンティアの素晴らしさも潜んでいる危険も……」
一方――春奈がまたフィールドから出て秋が残ると、豪炎寺が円堂に問いかける。
「円堂、本気で無限の壁を突き崩す気か?」
「ああ! 正面からズバーンと!」
「今の俺たちに、できんのかね……」
土門も心配そうに呟く。ドラゴントルネードすら決められない状況なのだ。円堂もそのことに気づいて顔を少しうつむける。
「っ、大丈夫さ。俺たちには炎の風見鶏だって、イナズマ1号だってある! それにシューティングトルネードもパワーアップしてるんだ!」
「決められればな……」
パスすらまともにできないこの状況の中、炎の風見鶏やイナズマ1号でも片方がよくなかったら成功しないし、威力が上がってもゴールできなかったら意味はない。
「気合いがあれば、なんでも決まるさ!」
「結局それかい」
瑞貴のツッコミに同意するように全員呆れた顔をする。
「ねぇ、土門くん」
「ん?」
「トライペガサスだったら?」
「ああ! 俺たちのトライペガサスか! あれなら……!」
「何? それ、どんな技!?」
秋と土門が会話している中にある聞き覚えのない技に円堂は食いつく。
「一之瀬と俺ともう一人の奴との技だったんだ」
「三人技か……」
「三人の息がピッタリ合わないとできないよなぁ……」
「でも、成功すれば帝国のデスゾーンや皇帝ペンギン2号みたいなスゴい技ができる!」
「なあなあ! その一之瀬ってどんな奴?」
円堂は土門の言葉に入っていた『一之瀬』という少年が気になるようだ。
「私と土門くんがアメリカに留学していた頃の友達。サッカースッゴく上手かったんだ」
「ああ。俺たちのチームをアメリカン少年リーグ優勝に導いた立役者だった。天才だったよ、『フィールドの魔術師』って呼ばれてた」
「フィールドの魔術師……カッコいいー! 会ってみてぇー!」
円堂と豪炎寺は顔を見合わせて笑うが、瑞貴は眉を少し顰めていた。何故なら秋も土門も、全て『過去形』で話しているからだ。
「その一之瀬ってどこにいるの?」
「……死んじまった」
土門は苦笑しながら空を指差して言う。その顔はどことなく悲しそうだ。
「でも土門くん、あなたなら、あの技みんなに教えることできるんじゃない?」
「かもな。う~ん……」
しかし、待っても待っても土門はうねるだけで説明が出てこない。
瑞貴自身は原作を知っているのでそのことに気づいているが、監督の響木正剛から「何も言うな」と言われたので黙っている。
「今度は瑞貴、お前と豪炎寺がやってみろよー」
「あっ、うん」
円堂は瑞貴に向かってボールを投げ瑞貴はそれを受け取り、ボールと自分自身を空高く飛ぶ。豪炎寺もゴールに向かって走り出した。
「シューティング……」
「トルネード!」
円堂が受け止めるも弾き飛ばされボールはそのまま見事にゴールに入った。
「……あれ?」
「スッゲーな瑞貴! 豪炎寺!」
「ああ」
「あっ、うん……」
シュートは決まったのに豪炎寺と違って瑞貴は浮かない顔をしているので、三人は不思議に思って瑞貴の周りに駆け寄る。
「どうしたんだ? シューティングトルネード決まったじゃねぇか」
「そうなんだけど威力がね……」
「円堂、いつもより弱く感じたか?」
「全っ然! むしろ前よりパワーが上がってるぞ」
そうシュートの感想を言う円堂に、瑞貴は目を見開いて顎に手をかけて悩む。
(みんなのパスや必殺技が決まらないのはレベルアップのため。ドラゴントルネードが決まらないのも同じ。なのに……)
瑞貴が参加した必殺技はちゃんと決まった。自分がレベルアップしていないのかと思ったが、シューティングトルネードのパワーは上がっていると言う。ますます何故だろう、と思い悩んだ。
すると秋のホイッスルが鳴り、全員顔を向ける。
「はい! ちょっと休憩!」
「スポーツドリンクで水分補給ー!」
「レモンの蜂蜜漬けもあるわ」
「「「「「おおおぉぉおおお!!」」」」」
いつもはない差し入れに部員は興奮し、それぞれドリンクとレモンの蜂蜜漬けを取る。
「すっぺー!」
「でも甘いね!」
円堂と瑞貴が笑い合いながら言うように、他のみんなも顔が綻んでいる。
「夏未さん、いつの間に蜂蜜漬けなんて作ったの?」
「暇だったから瑞貴に教えてもらったの」
「やっぱり、みんなのことが気になる?」
「負けてうちの評判が落とされると困るだけ」
素直じゃない夏未に秋は微笑む。二人がこんな会話をしていたことを知っているのはそばにいた春奈だけだった。
「「よーし! また練習だー!」」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
円堂と瑞貴を始め、全員フィールドに戻って練習を再開する。
――夏未は響木に、父・雷門総一郎からもらった影山零治のことに関する手紙を見せた。
「理事長も影山は危険だと思っているんだな」
「ええ……」
「とにかく何があるのかわからない気をつけてかかろう」
「はい」
響木は手紙をたたみ封筒に入れて夏未に手渡す。
「円堂くんや瑞貴たちには……」
「不安がらせるのもいかんだろう。それに――円堂も瑞貴もわかっている」
「二人が……?」
響木と夏未はピッチにいる円堂と瑞貴を見る。二人が話し合いをしているとそこへ駆けつけた秋と春奈から何か聞きだし、豪炎寺と土門を呼ぶ。
「バカや不思議そうに見えてあいつらはわかってるさ。フットボールフロンティアの素晴らしさも潜んでいる危険も……」
一方――春奈がまたフィールドから出て秋が残ると、豪炎寺が円堂に問いかける。
「円堂、本気で無限の壁を突き崩す気か?」
「ああ! 正面からズバーンと!」
「今の俺たちに、できんのかね……」
土門も心配そうに呟く。ドラゴントルネードすら決められない状況なのだ。円堂もそのことに気づいて顔を少しうつむける。
「っ、大丈夫さ。俺たちには炎の風見鶏だって、イナズマ1号だってある! それにシューティングトルネードもパワーアップしてるんだ!」
「決められればな……」
パスすらまともにできないこの状況の中、炎の風見鶏やイナズマ1号でも片方がよくなかったら成功しないし、威力が上がってもゴールできなかったら意味はない。
「気合いがあれば、なんでも決まるさ!」
「結局それかい」
瑞貴のツッコミに同意するように全員呆れた顔をする。
「ねぇ、土門くん」
「ん?」
「トライペガサスだったら?」
「ああ! 俺たちのトライペガサスか! あれなら……!」
「何? それ、どんな技!?」
秋と土門が会話している中にある聞き覚えのない技に円堂は食いつく。
「一之瀬と俺ともう一人の奴との技だったんだ」
「三人技か……」
「三人の息がピッタリ合わないとできないよなぁ……」
「でも、成功すれば帝国のデスゾーンや皇帝ペンギン2号みたいなスゴい技ができる!」
「なあなあ! その一之瀬ってどんな奴?」
円堂は土門の言葉に入っていた『一之瀬』という少年が気になるようだ。
「私と土門くんがアメリカに留学していた頃の友達。サッカースッゴく上手かったんだ」
「ああ。俺たちのチームをアメリカン少年リーグ優勝に導いた立役者だった。天才だったよ、『フィールドの魔術師』って呼ばれてた」
「フィールドの魔術師……カッコいいー! 会ってみてぇー!」
円堂と豪炎寺は顔を見合わせて笑うが、瑞貴は眉を少し顰めていた。何故なら秋も土門も、全て『過去形』で話しているからだ。
「その一之瀬ってどこにいるの?」
「……死んじまった」
土門は苦笑しながら空を指差して言う。その顔はどことなく悲しそうだ。
「でも土門くん、あなたなら、あの技みんなに教えることできるんじゃない?」
「かもな。う~ん……」
しかし、待っても待っても土門はうねるだけで説明が出てこない。