破れ! 忍者サッカー!!
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――試合後、風丸は宮坂と二人だけで会っていた。
「スゴい試合でしたね。僕、感動しました。特に最後の、霧隠をかわした場面は鮮やかだった。まるで疾風のようなダッシュでしたよ」
「宮坂。俺――サッカーが大好きなんだ」
「はい……。ボールを追う姿から伝わりました。風丸さんが走る場所は、今はこのフィールドなんだって」
宮坂の言葉に驚いた風丸だが、次いで笑顔になる。
「陸上のトラックを走るのは楽しい。でもサッカーには自分一人では見られない世界がある。俺はイレブンを……イレブンは俺の感じる者を感じる。今は、それを追いかけてみたいと思うんだ」
「はい! フィールドを駆ける風丸さんはカッコいいです! 僕、応援してますから!」
「ありがとう。宮坂」
宮坂は風丸に一礼して去ろうとしたが、足を止める。
「井上先輩、カッコいいですね。まさかキーパーまでやれるなんて……僕、井上先輩のファンになっちゃいました!」
「ええっ!?」
後輩の思いがけない言葉に風丸は目を白黒させ、激しく動揺する。
「安心してください。僕はあくまで『憧れ』の対象です。僕は風丸さんを応援してますから。敵は多いですよ?」
「み、宮坂!」
顔を赤くして慌てる風丸は今まで見たことがないので、宮坂はつい微笑んでしまう。
「またいつか、一緒に走ってください。僕と――」
その言葉に落ち着いた風丸は何も言わずに笑った。
☆☆☆☆☆
病院で夏未が総一郎の病室から出ると、円堂と瑞貴がやって来た。
「よっ」
「お父さん……大丈夫?」
「……心配ないわ」
「よかった」
少し浮かない顔をしつつも笑う夏未に、瑞貴も微笑んだ。
「ええ……。あっ、それは?」
夏未は円堂の右手に巻かれている包帯に目が留まる。
「あっ、これ? 今日の試合でちょっとね。だけど瑞貴が代わりに守ってくれたおかげで勝ったぜ! 一回戦突破だ!」
「ホント!? やったわね! ならばそれは、名誉の負傷というところかしら?」
「大したことないよ。さっき診てもらったけど、二、三日したら動かせるってさ」
「よかったわ。瑞貴がいるとはいえ、我がチームのキーパーはあなたなんですからね。『無事これ名馬』という、諺(コトワザ)もあることだし」
「名馬? 誰が馬だよ!」
褒めたはずなのに悪口と勘違いした円堂。夏未は呆れ、瑞貴は肩を落とす。
「そういう意味じゃありません……」
「守、これは諺(コトワザ)に使われるだけで、別に守を馬って言ったわけじゃ……」
「でも、馬って言っただろ? 言っただろ!?」
「馬に例えてるだけです!」
「ほらやっぱり馬だと思ってんじゃん!」
「わからない人ね!」
「わかってるよ! 馬ってこう、走る馬のことだろ!?」
夏未の言う諺(コトワザ)の意味をわかっていない円堂が食いついている間、秋は微笑ましそうにして、瑞貴は溜息を吐いた。
「仲がいいんだか悪いんだか」
「あとで守に意味を教えとこ……」
「まったくあなたは! 下に鹿の字がつく馬だわね!」
「えっ? 下に鹿、しか、うま……それなんて読むんだよ!?」
「わからなくて結構よ! ――バカ!」
☆副キャプテン 今日の格言☆
このグローブに誓って、絶対に点はやらない!!
以上!!
「スゴい試合でしたね。僕、感動しました。特に最後の、霧隠をかわした場面は鮮やかだった。まるで疾風のようなダッシュでしたよ」
「宮坂。俺――サッカーが大好きなんだ」
「はい……。ボールを追う姿から伝わりました。風丸さんが走る場所は、今はこのフィールドなんだって」
宮坂の言葉に驚いた風丸だが、次いで笑顔になる。
「陸上のトラックを走るのは楽しい。でもサッカーには自分一人では見られない世界がある。俺はイレブンを……イレブンは俺の感じる者を感じる。今は、それを追いかけてみたいと思うんだ」
「はい! フィールドを駆ける風丸さんはカッコいいです! 僕、応援してますから!」
「ありがとう。宮坂」
宮坂は風丸に一礼して去ろうとしたが、足を止める。
「井上先輩、カッコいいですね。まさかキーパーまでやれるなんて……僕、井上先輩のファンになっちゃいました!」
「ええっ!?」
後輩の思いがけない言葉に風丸は目を白黒させ、激しく動揺する。
「安心してください。僕はあくまで『憧れ』の対象です。僕は風丸さんを応援してますから。敵は多いですよ?」
「み、宮坂!」
顔を赤くして慌てる風丸は今まで見たことがないので、宮坂はつい微笑んでしまう。
「またいつか、一緒に走ってください。僕と――」
その言葉に落ち着いた風丸は何も言わずに笑った。
☆☆☆☆☆
病院で夏未が総一郎の病室から出ると、円堂と瑞貴がやって来た。
「よっ」
「お父さん……大丈夫?」
「……心配ないわ」
「よかった」
少し浮かない顔をしつつも笑う夏未に、瑞貴も微笑んだ。
「ええ……。あっ、それは?」
夏未は円堂の右手に巻かれている包帯に目が留まる。
「あっ、これ? 今日の試合でちょっとね。だけど瑞貴が代わりに守ってくれたおかげで勝ったぜ! 一回戦突破だ!」
「ホント!? やったわね! ならばそれは、名誉の負傷というところかしら?」
「大したことないよ。さっき診てもらったけど、二、三日したら動かせるってさ」
「よかったわ。瑞貴がいるとはいえ、我がチームのキーパーはあなたなんですからね。『無事これ名馬』という、諺(コトワザ)もあることだし」
「名馬? 誰が馬だよ!」
褒めたはずなのに悪口と勘違いした円堂。夏未は呆れ、瑞貴は肩を落とす。
「そういう意味じゃありません……」
「守、これは諺(コトワザ)に使われるだけで、別に守を馬って言ったわけじゃ……」
「でも、馬って言っただろ? 言っただろ!?」
「馬に例えてるだけです!」
「ほらやっぱり馬だと思ってんじゃん!」
「わからない人ね!」
「わかってるよ! 馬ってこう、走る馬のことだろ!?」
夏未の言う諺(コトワザ)の意味をわかっていない円堂が食いついている間、秋は微笑ましそうにして、瑞貴は溜息を吐いた。
「仲がいいんだか悪いんだか」
「あとで守に意味を教えとこ……」
「まったくあなたは! 下に鹿の字がつく馬だわね!」
「えっ? 下に鹿、しか、うま……それなんて読むんだよ!?」
「わからなくて結構よ! ――バカ!」
☆副キャプテン 今日の格言☆
このグローブに誓って、絶対に点はやらない!!
以上!!