破れ! 忍者サッカー!!
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「男にも負けない技術と、その大自然を用いる華麗で幻想的なプレーと必殺技でついたアダ名が自然の(ナチュラル)プレーヤー。今じゃサッカー界では有名だぞ」
(知らなかった……)
瑞貴は知られざる新事実に驚きを隠せなかった。他のメンバーを見る限り彼らも瑞貴と同じようだ。
「そ、それで私に用ってなんですか霧隠くん」
「才次って呼べ。あんたは俺の相棒になるんだからな!」
「「あ、相棒!?」」
霧隠が発した言葉に瑞貴と円堂は同時に声を上げた。
瑞貴が誰か助けてくれと視線を向ければ、豪炎寺と風丸と半田を必死で押さえつけている仲間たちがいた。もちろん松野も土門も押さえていたが内心穏やかではないので黒い笑みを浮かべている。
「あの忍者野郎ー! 瑞貴から離れろー!」
「ハハハッ。佐久間、殴り込みはよくないぞ。するなら試合のあとで闇討ちだ」
「……源田、お前も何気に恐ろしいこと言うな」
観客席では今にもグラウンドに乗り込もうとする佐久間次郎、それを怖い笑顔で抑える源田幸次郎、それに呆れている鬼道有人がいたのだが……知らぬが花だ。
そんな中、霧隠は胸を張って威張るように言う。
「FWかと思いきやDF技も使え、そして選手を支える……副キャプテンとしてキャプテンとともにチームを導く素質もある。さらにひと目見たときにビビッと来た! まさしく俺の相棒にふさわしい!」
「あっ、でも私なんかより同じチームの選手が良いのでは? 私は雷門中サッカー部ですし」
なんとかあきらめてもらおうと言葉を連ねる瑞貴に、霧隠は握る力を強くする。
「そんなのお前が戦国伊賀島にくれば済むことだ。俺はお前が良いんだ! お前じゃなきゃ嫌なんだよ!」
真っ直ぐに見据えられた瑞貴の顔に朱が走る。
中身がだいぶ残念とはいえ見た目はそれなりに美少年。しかも物凄く熱烈に口説かれているような台詞に、こういうことに対する免疫のない瑞貴が照れるのも致し方ないだろう。
「お前だってあんな腰抜け野郎より、俺のほうがいいだろう?」
「腰抜けだと!?」
「お前には言ってない!」
「仲間をバカにされて黙ってられるか! っていうか瑞貴から離れろ!」
「「「「「!?」」」」」
ムスッと膨れた円堂の台詞に全員が驚く。恋愛方面ではとんと鈍い円堂がついに自覚をしたのか――!?
「瑞貴の相棒は俺だ!」
(((((……ああそういうことか)))))
仲間の心の声が一つになった。彼はただ相棒の座を取られるのが嫌だからそう言ったようだ。
相棒のことはうらやましつつも、豪炎寺も風丸も半田も松野も土門も円堂が気づいてなかったことにホッとする。今や瑞貴に最も近く仲がいいのは彼であるのだから。
「お前より俺のほうが相棒にふさわしい!」
「なんだと!? よし。その勝負、俺が受ける!」
「冷静になれよ円堂。ここは相手にしないほうがいい」
「だけどさ!」
食い下がる霧隠に再び突っかかる円堂。風丸はそれを制するが、観客席に宮坂を始め陸上部のみんながいるのを見つけた。
「……一番足が速いのは俺だ」
「えっ?」
「俺がやる」
「風丸…お前、今相手にするなって自分で……」
わかってはいたが止めてほしかったと、瑞貴は涙が流れそうになる。
「誰だ? お前は」
「お前に名乗る名はない!」
「っ!」
霧隠は先ほど円堂に向けて言った自分の台詞を、風丸に取られたことに顔を歪めた。
「いいな?」
「フッ……面白い。叩きのめしてやるよ」
「あの、すみません」
「なんだ?」
「これ、離してもらえませんか?」
そう、未だに霧隠は瑞貴の手をつかんだままなのだ。別に嫌ではないが勝負するならさっさと離してほしいと思い、瑞貴は縦にも横にも振り払おうにも振り払えないので霧隠に頼んだ。霧隠はニヤッとドヤ顔をする。
「今後敬語を使わず、才次と呼べば離してやろう」
「……才次」
観念したようにそう呼べば霧隠はパッと手を離してくれた。
いろんな意味で始まった勝負。ゴール前にコーンを置いて、風丸と霧隠はセンターラインに並んだ。審判は春奈が勤める。
「さあ。見せてもらおうか。チーム一番の足の速さを。見てろよ井上。お前の相棒にふさわしいのは俺だと証明してやる」
「はいはい……」
うしろで仲間と見ていた瑞貴は苦笑する。風丸の横に立った霧隠が、ビシッとこちらに指を指しているのだ。どうにも今までにないタイプの人間で対処に困る。
(知らなかった……)
瑞貴は知られざる新事実に驚きを隠せなかった。他のメンバーを見る限り彼らも瑞貴と同じようだ。
「そ、それで私に用ってなんですか霧隠くん」
「才次って呼べ。あんたは俺の相棒になるんだからな!」
「「あ、相棒!?」」
霧隠が発した言葉に瑞貴と円堂は同時に声を上げた。
瑞貴が誰か助けてくれと視線を向ければ、豪炎寺と風丸と半田を必死で押さえつけている仲間たちがいた。もちろん松野も土門も押さえていたが内心穏やかではないので黒い笑みを浮かべている。
「あの忍者野郎ー! 瑞貴から離れろー!」
「ハハハッ。佐久間、殴り込みはよくないぞ。するなら試合のあとで闇討ちだ」
「……源田、お前も何気に恐ろしいこと言うな」
観客席では今にもグラウンドに乗り込もうとする佐久間次郎、それを怖い笑顔で抑える源田幸次郎、それに呆れている鬼道有人がいたのだが……知らぬが花だ。
そんな中、霧隠は胸を張って威張るように言う。
「FWかと思いきやDF技も使え、そして選手を支える……副キャプテンとしてキャプテンとともにチームを導く素質もある。さらにひと目見たときにビビッと来た! まさしく俺の相棒にふさわしい!」
「あっ、でも私なんかより同じチームの選手が良いのでは? 私は雷門中サッカー部ですし」
なんとかあきらめてもらおうと言葉を連ねる瑞貴に、霧隠は握る力を強くする。
「そんなのお前が戦国伊賀島にくれば済むことだ。俺はお前が良いんだ! お前じゃなきゃ嫌なんだよ!」
真っ直ぐに見据えられた瑞貴の顔に朱が走る。
中身がだいぶ残念とはいえ見た目はそれなりに美少年。しかも物凄く熱烈に口説かれているような台詞に、こういうことに対する免疫のない瑞貴が照れるのも致し方ないだろう。
「お前だってあんな腰抜け野郎より、俺のほうがいいだろう?」
「腰抜けだと!?」
「お前には言ってない!」
「仲間をバカにされて黙ってられるか! っていうか瑞貴から離れろ!」
「「「「「!?」」」」」
ムスッと膨れた円堂の台詞に全員が驚く。恋愛方面ではとんと鈍い円堂がついに自覚をしたのか――!?
「瑞貴の相棒は俺だ!」
(((((……ああそういうことか)))))
仲間の心の声が一つになった。彼はただ相棒の座を取られるのが嫌だからそう言ったようだ。
相棒のことはうらやましつつも、豪炎寺も風丸も半田も松野も土門も円堂が気づいてなかったことにホッとする。今や瑞貴に最も近く仲がいいのは彼であるのだから。
「お前より俺のほうが相棒にふさわしい!」
「なんだと!? よし。その勝負、俺が受ける!」
「冷静になれよ円堂。ここは相手にしないほうがいい」
「だけどさ!」
食い下がる霧隠に再び突っかかる円堂。風丸はそれを制するが、観客席に宮坂を始め陸上部のみんながいるのを見つけた。
「……一番足が速いのは俺だ」
「えっ?」
「俺がやる」
「風丸…お前、今相手にするなって自分で……」
わかってはいたが止めてほしかったと、瑞貴は涙が流れそうになる。
「誰だ? お前は」
「お前に名乗る名はない!」
「っ!」
霧隠は先ほど円堂に向けて言った自分の台詞を、風丸に取られたことに顔を歪めた。
「いいな?」
「フッ……面白い。叩きのめしてやるよ」
「あの、すみません」
「なんだ?」
「これ、離してもらえませんか?」
そう、未だに霧隠は瑞貴の手をつかんだままなのだ。別に嫌ではないが勝負するならさっさと離してほしいと思い、瑞貴は縦にも横にも振り払おうにも振り払えないので霧隠に頼んだ。霧隠はニヤッとドヤ顔をする。
「今後敬語を使わず、才次と呼べば離してやろう」
「……才次」
観念したようにそう呼べば霧隠はパッと手を離してくれた。
いろんな意味で始まった勝負。ゴール前にコーンを置いて、風丸と霧隠はセンターラインに並んだ。審判は春奈が勤める。
「さあ。見せてもらおうか。チーム一番の足の速さを。見てろよ井上。お前の相棒にふさわしいのは俺だと証明してやる」
「はいはい……」
うしろで仲間と見ていた瑞貴は苦笑する。風丸の横に立った霧隠が、ビシッとこちらに指を指しているのだ。どうにも今までにないタイプの人間で対処に困る。