来たぜ! 全国大会!!
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「えっ」
「行くぞ! 俺、もう腹ペコなんだー!」
「みぎゃあぁぁあああ!!」
瑞貴は円堂に引っ張られながら、この連行は何度目だろうと頭に思い浮かべて現実逃避した。
そして円堂家に着いたとき、突然引っ張られて連れて行かれたので瑞貴は肩で息をしていた。さすがに円堂も反省する。
「ご、ごめん」
「そう…思うなら…初めから…抑えてよ……」
瑞貴の息が整うのを確認すると、円堂は鍵を開けて扉を開く。
「ただいまー!」
「お邪魔します」
「お帰り、守。あなたが瑞貴ちゃんね、いらっしゃい」
「はい。改めまして井上瑞貴です」
「守の母の円堂温子よ。よろしくね」
二人を笑顔で出迎えてくれたのは円堂の母・円堂温子だ。瑞貴は深々と頭を下げる。
「この度は急なことで申し訳ありません」
「いいのよ。いつものことだから気にしないで。守はお風呂に入って来なさい」
「はーい!」
円堂が風呂場に向かう間、瑞貴は温子に案内されてリビングに向かった。まだ準備できていないということで、瑞貴は手伝いを申し出て二人はキッチンに立つ。今日のメニューはどうやらハンバーグとポテトサラダのようだ。
「会えて嬉しいわー。守からいつも聞いてるのよ」
「守…くんから?」
「ええ。『瑞貴のシュートはスゴい』とか、『瑞貴ってスゲー奴だ』とか、ほとんどあなたの話ばかりよ」
「なっ……!」
まさか覚えてもらうほど円堂が家族に話していたとは知らず、瑞貴は頬を朱に染めた。
「もしかして瑞貴ちゃん、守の彼女?」
「かっ!? ち、違いますよ。私は親友みたいなもので、守くんには……もっとステキな女の子が好意を持ってくれてます」
「あら。あの子ったら意外とモテてるのね」
「ええ……」
自分で言ったはずなのに瑞貴は胸がチクッとした。先ほど赤くなった頬も冷めてしまっている。
「でも、おばさんは瑞貴ちゃんでも大歓迎よ」
「ありがとうございます」
「――ただいま。おや、お客さんかい?」
帰って来たのは円堂の父・円堂広志だ。温子も瑞貴も彼の存在に気づいて振り向く。
「お帰りなさい。よく守が話していた瑞貴ちゃんよ」
「初めまして、井上瑞貴です」
「守の父・円堂広志だよ。よく来たね」
優しく微笑む彼も、瑞貴の突然の訪問を快く歓迎してくれた。
「腹減ったー! 母ちゃん、メシー!」
「こら守! ちゃんと髪を拭きなさい!」
続いて元気よく入って来た円堂は、髪に水気が残ってタオルを首に掛けたままだ。温子が咎めるが円堂は何も行動しようとしないので、瑞貴が円堂からタオルを取って髪を拭く。
「うわっ! 瑞貴、自分でやるって!」
「ちゃんと乾かさなきゃ。明日は大事な開会式なんだから、キャプテンがそんなのでどうするの!」
瑞貴や円堂にとっては日常茶飯事なのだが、温子や広志には初めて見る光景で、とても微笑ましく思えた。
できあがった料理を並べて全員が椅子に座る。久々に大勢で食べる夕食は瑞貴にとってとても嬉しいことだった。
「じゃあ瑞貴ちゃんは一人暮らしなのね。家事とか大変じゃない?」
「もう慣れちゃいました。それに家事をするのって楽しいんです」
「スゴいね。守、見習ったらどうだい?」
「うえー!?」
「アハハッ」
瑞貴が円堂に会う前の悲しさなど吹き飛んでしまうくらいだったので、心から笑っている瑞貴に円堂もホッとした。
そして夕食を食べ終わり瑞貴は自宅に帰ることにした。玄関で靴を履くと温子も広志も見送りに来てくれると円堂が話しかける。
「送って行く」
「近いから大丈夫だよ?」
「ダメよ。夜に女の子一人は危険だわ」
「そうだね。守、ちゃんと送ってきなさい」
「わかってるって」
円堂も靴を履き始める。円堂だけでなく温子も広志も心配してくれることに嬉しく思った。
「お邪魔しました。夕飯、とてもおいしかったです」
「また来てね。たまに差し入れもするから」
「いつでも歓迎するよ」
「ありがとうございます!」
優しく微笑む円堂夫妻に瑞貴は深々と頭を下げる。家族のような時間だったのでお腹も心も温かくなった。
「行くぞ! 俺、もう腹ペコなんだー!」
「みぎゃあぁぁあああ!!」
瑞貴は円堂に引っ張られながら、この連行は何度目だろうと頭に思い浮かべて現実逃避した。
そして円堂家に着いたとき、突然引っ張られて連れて行かれたので瑞貴は肩で息をしていた。さすがに円堂も反省する。
「ご、ごめん」
「そう…思うなら…初めから…抑えてよ……」
瑞貴の息が整うのを確認すると、円堂は鍵を開けて扉を開く。
「ただいまー!」
「お邪魔します」
「お帰り、守。あなたが瑞貴ちゃんね、いらっしゃい」
「はい。改めまして井上瑞貴です」
「守の母の円堂温子よ。よろしくね」
二人を笑顔で出迎えてくれたのは円堂の母・円堂温子だ。瑞貴は深々と頭を下げる。
「この度は急なことで申し訳ありません」
「いいのよ。いつものことだから気にしないで。守はお風呂に入って来なさい」
「はーい!」
円堂が風呂場に向かう間、瑞貴は温子に案内されてリビングに向かった。まだ準備できていないということで、瑞貴は手伝いを申し出て二人はキッチンに立つ。今日のメニューはどうやらハンバーグとポテトサラダのようだ。
「会えて嬉しいわー。守からいつも聞いてるのよ」
「守…くんから?」
「ええ。『瑞貴のシュートはスゴい』とか、『瑞貴ってスゲー奴だ』とか、ほとんどあなたの話ばかりよ」
「なっ……!」
まさか覚えてもらうほど円堂が家族に話していたとは知らず、瑞貴は頬を朱に染めた。
「もしかして瑞貴ちゃん、守の彼女?」
「かっ!? ち、違いますよ。私は親友みたいなもので、守くんには……もっとステキな女の子が好意を持ってくれてます」
「あら。あの子ったら意外とモテてるのね」
「ええ……」
自分で言ったはずなのに瑞貴は胸がチクッとした。先ほど赤くなった頬も冷めてしまっている。
「でも、おばさんは瑞貴ちゃんでも大歓迎よ」
「ありがとうございます」
「――ただいま。おや、お客さんかい?」
帰って来たのは円堂の父・円堂広志だ。温子も瑞貴も彼の存在に気づいて振り向く。
「お帰りなさい。よく守が話していた瑞貴ちゃんよ」
「初めまして、井上瑞貴です」
「守の父・円堂広志だよ。よく来たね」
優しく微笑む彼も、瑞貴の突然の訪問を快く歓迎してくれた。
「腹減ったー! 母ちゃん、メシー!」
「こら守! ちゃんと髪を拭きなさい!」
続いて元気よく入って来た円堂は、髪に水気が残ってタオルを首に掛けたままだ。温子が咎めるが円堂は何も行動しようとしないので、瑞貴が円堂からタオルを取って髪を拭く。
「うわっ! 瑞貴、自分でやるって!」
「ちゃんと乾かさなきゃ。明日は大事な開会式なんだから、キャプテンがそんなのでどうするの!」
瑞貴や円堂にとっては日常茶飯事なのだが、温子や広志には初めて見る光景で、とても微笑ましく思えた。
できあがった料理を並べて全員が椅子に座る。久々に大勢で食べる夕食は瑞貴にとってとても嬉しいことだった。
「じゃあ瑞貴ちゃんは一人暮らしなのね。家事とか大変じゃない?」
「もう慣れちゃいました。それに家事をするのって楽しいんです」
「スゴいね。守、見習ったらどうだい?」
「うえー!?」
「アハハッ」
瑞貴が円堂に会う前の悲しさなど吹き飛んでしまうくらいだったので、心から笑っている瑞貴に円堂もホッとした。
そして夕食を食べ終わり瑞貴は自宅に帰ることにした。玄関で靴を履くと温子も広志も見送りに来てくれると円堂が話しかける。
「送って行く」
「近いから大丈夫だよ?」
「ダメよ。夜に女の子一人は危険だわ」
「そうだね。守、ちゃんと送ってきなさい」
「わかってるって」
円堂も靴を履き始める。円堂だけでなく温子も広志も心配してくれることに嬉しく思った。
「お邪魔しました。夕飯、とてもおいしかったです」
「また来てね。たまに差し入れもするから」
「いつでも歓迎するよ」
「ありがとうございます!」
優しく微笑む円堂夫妻に瑞貴は深々と頭を下げる。家族のような時間だったのでお腹も心も温かくなった。