来たぜ! 全国大会!!
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「何があったんですか?」
「全国大会会場となる、フロンティアスタジアムを下見した帰りに事故に遭われたのです。同車した関係者の皆さんも傷を負われましたが……もっとも重いのは旦那様でして……」
円堂が事情を聞き、場寅の話を聞いて段々と夏未が嗚咽を漏らしていく。その度に瑞貴は頭や背中を優しく撫でる。
夏未の様子を見る円堂が口を開いた。
「……お前、お父さんについててやれよ」
「えっ……」
「そのほうがいい気がするんだ」
「そうだね。夏未ちゃん、ついててあげて」
「お父さんが目覚めたとき、一番最初に夏未さんの顔を見せてあげて」
「そうそう。そういうこと! 俺もそう言いたかったんだよな!」
瑞貴の言葉に秋が紡ぎ、円堂もそれに明るい声で賛同する。そんな様子に女子三人組はクスッと笑う。
「俺たちのことなら心配すんな! 一回戦は絶対に勝つ!」
「私たちに任せといて!」
「――威勢がいいな兄ちゃん、嬢ちゃん」
突如の第三者の声に全員が振り向くと、入り口に鬼瓦源五郎がいた。
「「鬼瓦さん/刑事さん!」」
「理事長が事故だと聞いてな。ちょっと、気になって来てみたんだ。――だが今の奴に手が出せるわけがない」
鬼瓦の言う『奴』という単語に円堂は瞳を揺らし瑞貴は眉を下げた。その人物の名は――影山零治。
☆☆☆☆☆
「ハァ……」
もうこれで何回目かわからない溜息を瑞貴は吐いていた。夏未や総一郎のことも心配だし、自分がいることで原作と大きく違う展開が待っているのではないかと不安なのだ。
「――あれ? 瑞貴」
「守……?」
声がして瑞貴は振り向くと、そこにはジャージ姿で泥だらけの円堂がいた。様子からして特訓の帰りなのだろう。
「今日も特訓お疲れ様」
「サンキュ。初めて出場する全国大会だし、なんだか気合いが入るんだ!」
「うん。私もがんばる」
ニコッと弱々しく微笑む瑞貴に、円堂は彼女の心境を理解した。話に聞けば夏未は雷門中に来て初めての友達だし、影山の可能性も少なからずある。だから内心穏やかではないだろう。
(俺に何かできることはないのかな……?)
普通に言っても「大丈夫」と片付けられるのがオチだ。円堂は両腕を組んで頭を悩ませると、瑞貴はその様子に目をパチクリさせた。
(どうしたんだろ?)
「そうだ!」
「みぎゃ!?」
突然声を上げた円堂に不意を突かれて瑞貴は驚いた。それに構わず円堂が瑞貴に声をかける。
「なあ、今日は晩飯の支度とかしたか?」
「えっ? う、ううん」
「ならよかった! うちで一緒に食おうぜ!」
「えっ!?」
さらに驚くことを言われて瑞貴が聞き返そうとすると、円堂は携帯を取り出して通話を始めた。
「あっ、母ちゃん。今日晩飯に一人招待していいかな? ほら、前に話した……そうそう! うん、じゃあこれから帰るから」
「あの……」
当の本人を無視して電話の相手と話すと円堂は通話を切り、瑞貴の手をギュッと握る。
「全国大会会場となる、フロンティアスタジアムを下見した帰りに事故に遭われたのです。同車した関係者の皆さんも傷を負われましたが……もっとも重いのは旦那様でして……」
円堂が事情を聞き、場寅の話を聞いて段々と夏未が嗚咽を漏らしていく。その度に瑞貴は頭や背中を優しく撫でる。
夏未の様子を見る円堂が口を開いた。
「……お前、お父さんについててやれよ」
「えっ……」
「そのほうがいい気がするんだ」
「そうだね。夏未ちゃん、ついててあげて」
「お父さんが目覚めたとき、一番最初に夏未さんの顔を見せてあげて」
「そうそう。そういうこと! 俺もそう言いたかったんだよな!」
瑞貴の言葉に秋が紡ぎ、円堂もそれに明るい声で賛同する。そんな様子に女子三人組はクスッと笑う。
「俺たちのことなら心配すんな! 一回戦は絶対に勝つ!」
「私たちに任せといて!」
「――威勢がいいな兄ちゃん、嬢ちゃん」
突如の第三者の声に全員が振り向くと、入り口に鬼瓦源五郎がいた。
「「鬼瓦さん/刑事さん!」」
「理事長が事故だと聞いてな。ちょっと、気になって来てみたんだ。――だが今の奴に手が出せるわけがない」
鬼瓦の言う『奴』という単語に円堂は瞳を揺らし瑞貴は眉を下げた。その人物の名は――影山零治。
☆☆☆☆☆
「ハァ……」
もうこれで何回目かわからない溜息を瑞貴は吐いていた。夏未や総一郎のことも心配だし、自分がいることで原作と大きく違う展開が待っているのではないかと不安なのだ。
「――あれ? 瑞貴」
「守……?」
声がして瑞貴は振り向くと、そこにはジャージ姿で泥だらけの円堂がいた。様子からして特訓の帰りなのだろう。
「今日も特訓お疲れ様」
「サンキュ。初めて出場する全国大会だし、なんだか気合いが入るんだ!」
「うん。私もがんばる」
ニコッと弱々しく微笑む瑞貴に、円堂は彼女の心境を理解した。話に聞けば夏未は雷門中に来て初めての友達だし、影山の可能性も少なからずある。だから内心穏やかではないだろう。
(俺に何かできることはないのかな……?)
普通に言っても「大丈夫」と片付けられるのがオチだ。円堂は両腕を組んで頭を悩ませると、瑞貴はその様子に目をパチクリさせた。
(どうしたんだろ?)
「そうだ!」
「みぎゃ!?」
突然声を上げた円堂に不意を突かれて瑞貴は驚いた。それに構わず円堂が瑞貴に声をかける。
「なあ、今日は晩飯の支度とかしたか?」
「えっ? う、ううん」
「ならよかった! うちで一緒に食おうぜ!」
「えっ!?」
さらに驚くことを言われて瑞貴が聞き返そうとすると、円堂は携帯を取り出して通話を始めた。
「あっ、母ちゃん。今日晩飯に一人招待していいかな? ほら、前に話した……そうそう! うん、じゃあこれから帰るから」
「あの……」
当の本人を無視して電話の相手と話すと円堂は通話を切り、瑞貴の手をギュッと握る。