来たぜ! 全国大会!!
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「で、お父様。そろそろ練習を再開したいんですけど」
「いや。用事はもう一つあるんだ」
――総一郎のもう一つの用事とやらで、全員サッカー部の部室にやってきた。
「んー……。こりゃ年季ものだ」
総一郎はあまり表情は変わっていなくとも難しそうな顔をする。円堂はそのひと言で総一郎の目的がなんとなくわかった。
「部室を見たかったんですか?」
「かなり古いと夏未から聞いていてね」
「我々の時代からの部室ですからなぁ」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
知られざる事実に円堂たちは驚きの声を上げた。
「あの落書きはやっぱり監督たちが書いたんですね」
「なんだ。気づいていたのか」
「掃除していれば嫌でも気づきますよ」
全然知らなかった夏未を除くメンバーは驚いて目を丸くしていたり、バツが悪そうにそっぽを向いている者もいた。部室に入ると響木はボールのカゴを除けて軽く壁を拭く。
「ほら。こんな落書きも残っている」
かなり古いので薄くなっているものの、そこには『俺たちは逃げたんじゃない!』と書かれていた。他にも『必殺技完成』や『強くなりたい』とあちこち書いてある。
「気がつかなかったなぁ……」
「ああ……。俺たちずっとここ使ってたのに」
「まさに影の存在…………」
「アハッ。こいつはじいちゃんのだな!」
「え~と……『コツはズバーン! ガキーン!』って書いてあるのかな?」
「なにもかも、あの頃のままさ……」
一年の頃からいる染岡や半田真一すら今まで知らなかったようだ。今年から入部した影野たちも同じだ。円堂と瑞貴は他よりも大きく汚い字で書かれている円堂の祖父・円堂大介が書いた落書きに注目していた。この独特な字は間違いないだろう。
響木は四十年前のことを懐かしむようにポツリと呟く。
「ここにはイナズマイレブンの全てがあるんですなぁ。選手たちの血と汗と涙を感じます」
総一郎はカゴからボールを一つ取りリフティングを始める。現役の自分たちと違って少しおぼつかないが初心者より上手だ。ボールの音に全員総一郎に注目する。
「アハッ。やる~」
「理事長スゴいです!」
「なかなかの、もんだろう。こう見えても昔からサッカーが好きでねぇ。おっ、よっ、ほっ」
バランスを崩してしまい、総一郎が蹴ったボールは円堂の顔面に当たってしまった。総一郎は申し訳なさそうに「スマン……」と言った。瑞貴は片目を手で覆い、身内として恥ずかしく思う夏未の顔は真っ赤だ。
「ところで、これから部員が増えることを考えると、ここはもう狭いのではないかね?」
ボールを片付ける総一郎の突然の言葉に円堂たちは目を丸くする。
「そう言われれば……」
「そうですね……」
円堂と瑞貴は部室を見て言った。
現在部室には十七人もいて今は狭いとはいえない。しかしこれから来るかもしれない、次の年に来る新入生に入部希望者が続出すればあっという間にいっぱいになるだろう。
「確かにここは懐かしい。しかし、いつまでも古いものにこだわっていても仕方なかろう。新しい部室を用意したいのだがどうかな。サッカー部復活のお祝いと全国大会出場のご褒美と思ってくれたまえ」
「スゲーッスねキャプテン!」
「理事長、太っ腹でヤンス!」
「新しい部室バンザーイ!」
「お・い・わい! ご・褒・美! 理事長カッコいい~!」
壁山と栗松と少林寺歩と宍戸佐吉の一年組は喜んでいるが、円堂は対照的に浮かない顔をしている。瑞貴はポンッと円堂の肩を叩いて頷き、円堂も頷き返した。
「俺、このままでいい」
「私も賛成」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
キャプテンと副キャプテンの反対に一年組は驚きの声を上げる。だが秋は二人が断ることをわかっていたらしく驚いていない。
「この部室は試合もできなかった俺たちのことも、昔のイナズマイレブンのこともみんな知ってる……」
「それにこうして仲間も増えてきました。この部室は雷門イレブンの歴史そのものなんです」
「「俺たち/私たちの大事な仲間なんだよ/です!」」
数拍の静寂。最初に言葉を発したのは染岡だった。
「いや。用事はもう一つあるんだ」
――総一郎のもう一つの用事とやらで、全員サッカー部の部室にやってきた。
「んー……。こりゃ年季ものだ」
総一郎はあまり表情は変わっていなくとも難しそうな顔をする。円堂はそのひと言で総一郎の目的がなんとなくわかった。
「部室を見たかったんですか?」
「かなり古いと夏未から聞いていてね」
「我々の時代からの部室ですからなぁ」
「「「「「えぇっ!?」」」」」
知られざる事実に円堂たちは驚きの声を上げた。
「あの落書きはやっぱり監督たちが書いたんですね」
「なんだ。気づいていたのか」
「掃除していれば嫌でも気づきますよ」
全然知らなかった夏未を除くメンバーは驚いて目を丸くしていたり、バツが悪そうにそっぽを向いている者もいた。部室に入ると響木はボールのカゴを除けて軽く壁を拭く。
「ほら。こんな落書きも残っている」
かなり古いので薄くなっているものの、そこには『俺たちは逃げたんじゃない!』と書かれていた。他にも『必殺技完成』や『強くなりたい』とあちこち書いてある。
「気がつかなかったなぁ……」
「ああ……。俺たちずっとここ使ってたのに」
「まさに影の存在…………」
「アハッ。こいつはじいちゃんのだな!」
「え~と……『コツはズバーン! ガキーン!』って書いてあるのかな?」
「なにもかも、あの頃のままさ……」
一年の頃からいる染岡や半田真一すら今まで知らなかったようだ。今年から入部した影野たちも同じだ。円堂と瑞貴は他よりも大きく汚い字で書かれている円堂の祖父・円堂大介が書いた落書きに注目していた。この独特な字は間違いないだろう。
響木は四十年前のことを懐かしむようにポツリと呟く。
「ここにはイナズマイレブンの全てがあるんですなぁ。選手たちの血と汗と涙を感じます」
総一郎はカゴからボールを一つ取りリフティングを始める。現役の自分たちと違って少しおぼつかないが初心者より上手だ。ボールの音に全員総一郎に注目する。
「アハッ。やる~」
「理事長スゴいです!」
「なかなかの、もんだろう。こう見えても昔からサッカーが好きでねぇ。おっ、よっ、ほっ」
バランスを崩してしまい、総一郎が蹴ったボールは円堂の顔面に当たってしまった。総一郎は申し訳なさそうに「スマン……」と言った。瑞貴は片目を手で覆い、身内として恥ずかしく思う夏未の顔は真っ赤だ。
「ところで、これから部員が増えることを考えると、ここはもう狭いのではないかね?」
ボールを片付ける総一郎の突然の言葉に円堂たちは目を丸くする。
「そう言われれば……」
「そうですね……」
円堂と瑞貴は部室を見て言った。
現在部室には十七人もいて今は狭いとはいえない。しかしこれから来るかもしれない、次の年に来る新入生に入部希望者が続出すればあっという間にいっぱいになるだろう。
「確かにここは懐かしい。しかし、いつまでも古いものにこだわっていても仕方なかろう。新しい部室を用意したいのだがどうかな。サッカー部復活のお祝いと全国大会出場のご褒美と思ってくれたまえ」
「スゲーッスねキャプテン!」
「理事長、太っ腹でヤンス!」
「新しい部室バンザーイ!」
「お・い・わい! ご・褒・美! 理事長カッコいい~!」
壁山と栗松と少林寺歩と宍戸佐吉の一年組は喜んでいるが、円堂は対照的に浮かない顔をしている。瑞貴はポンッと円堂の肩を叩いて頷き、円堂も頷き返した。
「俺、このままでいい」
「私も賛成」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
キャプテンと副キャプテンの反対に一年組は驚きの声を上げる。だが秋は二人が断ることをわかっていたらしく驚いていない。
「この部室は試合もできなかった俺たちのことも、昔のイナズマイレブンのこともみんな知ってる……」
「それにこうして仲間も増えてきました。この部室は雷門イレブンの歴史そのものなんです」
「「俺たち/私たちの大事な仲間なんだよ/です!」」
数拍の静寂。最初に言葉を発したのは染岡だった。