伝説のイレブン!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その後も――宍戸が中間を抜き、栗松が定良からスライディングでボールを奪い、土門が民山からトラップする。はっきり言って雷門イレブンが勝っていた。
碇がシュートを撃つと、円堂はそれをなんなく止める。
「なんでぇ近頃の若いモンは。遠慮というモンを知らんのかい。ったく」
「っ!」
円堂に毒を吐きながらポジションに戻る碇。円堂は別段気にしていないが瑞貴のコメカミにピキッと青筋が一つ立った。
(信じらんねぇ……。いくら四十年ぶりだからって、あのイナズマイレブンの強さの片鱗もありゃしねぇ……)
過去の彼らを知る鬼瓦も、信じられない気持ちでOBイレブンを見た。
円堂は先ほどのシュートといい、伝説と呼ばれし彼らのプレーに期待していたのと違ったようで眉を下げた。
「これが、伝説の『イナズマイレブン』……」
「守ー! 早くボールを回して!」
「あっ、オウッ!」
瑞貴の声に我に返った円堂はボールを高く蹴り上げた。
しかしそれからもOBイレブンは相変わらずのプレーで練習にもならない。民山がシュートを撃つと円堂がキャッチするが、悔しがる様子もなかった。
「やっぱしダメか」
「まっ、こんなもんだよな」
「四十年も前だもんなぁ」
民山と備流田と碇が笑い合うと、瑞貴と風丸が円堂の元に走ってきた。
「円堂、瑞貴。全然スゴくないぞこの人たち」
円堂と瑞貴は風丸の言葉に答えず、眉をつり上げてOBイレブンを見る。
「――これでわかっただろう」
浮島が円堂と瑞貴に声をかけると二人は振り向く。
「伝説のイナズマイレブンは、もう存在しないんだ」
「「伝説なんて関係ないよ!」」
「どうしていい加減なプレーをするんですか!」
「こんな魂の抜けた試合して、おじさんたちが大好きだったサッカーに対して、恥ずかしくないの!?」
瑞貴と円堂の強い眼差しに浮島は少し戸惑いポジションに着く。何も言わない浮島に対し、瑞貴のコメカミにまた青筋が浮かんだ。今のままではこの試合は何も得るものはない――。
豪炎寺が会田と中間と浮島を抜いてシュートをする。しかし響木に弾かれた。弾かれたボールを浮島が蹴り、染岡がヘディングで軌道を変える。会田が取ろうとしたがボールはそのまま抜けてしまい、瑞貴が胸で受け止めてゴールへ向かう。
「浮島ぁ! 止めろ!」
瑞貴の前に浮島が立ちはだかるが瑞貴はバックパスで松野に渡す。松野はボールを高く上げ、その隙をついた豪炎寺が飛んだ。
「ファイアトルネード!」
今度は響木も取れず、雷門中サッカー部に追加点が入った。
「……錆びついちまってる。やっぱり、あきらめたときに終わっちまったんだ……。俺のサッカーは……ハハハッ」
自嘲気味に笑う浮島を始まめ、響木以外のOBイレブンは三人ずつ集まって駄弁っている。追加点を取られたというのに悔しそうな表情が微塵もない。
ぷっつん。
「「「「「!?」」」」」
グラウンドに何かが切れる音が聞こえた。それが聞こえた雷門中サッカー部は青ざめながらサッと発信源に振り向くと、そこには肩を震わせている瑞貴の姿があった。
「いい加減にしろやこのおっさん共!!」
「「「「「!?」」」」」
(((((ぎゃ――っ!!)))))
瑞貴の怒鳴り声にOBイレブンは驚いて瑞貴を見る。響木もキレた瑞貴の姿を見るのは初めてだから若干ビビッた。雷門中サッカー部の心の悲鳴を無視して瑞貴は怒鳴り続ける。
「さっきから見ててこっちは虫酸が走るんだよ! あんたら俺たちに対して何とも思わないのか! サッカープレーヤーとしてだけじゃなく、人間としても失礼だと思わないか!」
響木以外のOBイレブンは、ウッと表情を変えて顔をうつむける。
「こっちは練習とはいえ真剣にやってんだ!! そんな風にだらしないプレーをして『四十年ぶり』とか『遠慮』とか言って他のせいにすんじゃねぇ! あんたらの実力はそんなもんじゃねぇだろ!! なぁ、響木監督!」
「ああ! お前たち! なんだそのザマは!」
「響木……」
OBイレブンは顔を上げて響木を見る。
「俺たちは伝説のイナズマイレブンなんだ。そしてここに――!」
響木はビシッと雷門イレブンを指差す。
「その伝説を夢に描いた子供たちがいる!」
「監督……!」
円堂は嬉しそうに顔を綻ばせ、瑞貴は腰に手を当てて微笑む。
「俺たちにはその思いを背負う責任があるんだ! その思いに応えてやろうじゃないか! 本当のイナズマイレブンとして!!」
「本当の…イナズマイレブン……」
浮島を始め、OBイレブンは若き日に雷門イレブンと同じように楽しんでサッカーをしていた時代を、あのときの心を思い出した。
碇がシュートを撃つと、円堂はそれをなんなく止める。
「なんでぇ近頃の若いモンは。遠慮というモンを知らんのかい。ったく」
「っ!」
円堂に毒を吐きながらポジションに戻る碇。円堂は別段気にしていないが瑞貴のコメカミにピキッと青筋が一つ立った。
(信じらんねぇ……。いくら四十年ぶりだからって、あのイナズマイレブンの強さの片鱗もありゃしねぇ……)
過去の彼らを知る鬼瓦も、信じられない気持ちでOBイレブンを見た。
円堂は先ほどのシュートといい、伝説と呼ばれし彼らのプレーに期待していたのと違ったようで眉を下げた。
「これが、伝説の『イナズマイレブン』……」
「守ー! 早くボールを回して!」
「あっ、オウッ!」
瑞貴の声に我に返った円堂はボールを高く蹴り上げた。
しかしそれからもOBイレブンは相変わらずのプレーで練習にもならない。民山がシュートを撃つと円堂がキャッチするが、悔しがる様子もなかった。
「やっぱしダメか」
「まっ、こんなもんだよな」
「四十年も前だもんなぁ」
民山と備流田と碇が笑い合うと、瑞貴と風丸が円堂の元に走ってきた。
「円堂、瑞貴。全然スゴくないぞこの人たち」
円堂と瑞貴は風丸の言葉に答えず、眉をつり上げてOBイレブンを見る。
「――これでわかっただろう」
浮島が円堂と瑞貴に声をかけると二人は振り向く。
「伝説のイナズマイレブンは、もう存在しないんだ」
「「伝説なんて関係ないよ!」」
「どうしていい加減なプレーをするんですか!」
「こんな魂の抜けた試合して、おじさんたちが大好きだったサッカーに対して、恥ずかしくないの!?」
瑞貴と円堂の強い眼差しに浮島は少し戸惑いポジションに着く。何も言わない浮島に対し、瑞貴のコメカミにまた青筋が浮かんだ。今のままではこの試合は何も得るものはない――。
豪炎寺が会田と中間と浮島を抜いてシュートをする。しかし響木に弾かれた。弾かれたボールを浮島が蹴り、染岡がヘディングで軌道を変える。会田が取ろうとしたがボールはそのまま抜けてしまい、瑞貴が胸で受け止めてゴールへ向かう。
「浮島ぁ! 止めろ!」
瑞貴の前に浮島が立ちはだかるが瑞貴はバックパスで松野に渡す。松野はボールを高く上げ、その隙をついた豪炎寺が飛んだ。
「ファイアトルネード!」
今度は響木も取れず、雷門中サッカー部に追加点が入った。
「……錆びついちまってる。やっぱり、あきらめたときに終わっちまったんだ……。俺のサッカーは……ハハハッ」
自嘲気味に笑う浮島を始まめ、響木以外のOBイレブンは三人ずつ集まって駄弁っている。追加点を取られたというのに悔しそうな表情が微塵もない。
ぷっつん。
「「「「「!?」」」」」
グラウンドに何かが切れる音が聞こえた。それが聞こえた雷門中サッカー部は青ざめながらサッと発信源に振り向くと、そこには肩を震わせている瑞貴の姿があった。
「いい加減にしろやこのおっさん共!!」
「「「「「!?」」」」」
(((((ぎゃ――っ!!)))))
瑞貴の怒鳴り声にOBイレブンは驚いて瑞貴を見る。響木もキレた瑞貴の姿を見るのは初めてだから若干ビビッた。雷門中サッカー部の心の悲鳴を無視して瑞貴は怒鳴り続ける。
「さっきから見ててこっちは虫酸が走るんだよ! あんたら俺たちに対して何とも思わないのか! サッカープレーヤーとしてだけじゃなく、人間としても失礼だと思わないか!」
響木以外のOBイレブンは、ウッと表情を変えて顔をうつむける。
「こっちは練習とはいえ真剣にやってんだ!! そんな風にだらしないプレーをして『四十年ぶり』とか『遠慮』とか言って他のせいにすんじゃねぇ! あんたらの実力はそんなもんじゃねぇだろ!! なぁ、響木監督!」
「ああ! お前たち! なんだそのザマは!」
「響木……」
OBイレブンは顔を上げて響木を見る。
「俺たちは伝説のイナズマイレブンなんだ。そしてここに――!」
響木はビシッと雷門イレブンを指差す。
「その伝説を夢に描いた子供たちがいる!」
「監督……!」
円堂は嬉しそうに顔を綻ばせ、瑞貴は腰に手を当てて微笑む。
「俺たちにはその思いを背負う責任があるんだ! その思いに応えてやろうじゃないか! 本当のイナズマイレブンとして!!」
「本当の…イナズマイレブン……」
浮島を始め、OBイレブンは若き日に雷門イレブンと同じように楽しんでサッカーをしていた時代を、あのときの心を思い出した。