伝説のイレブン!
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「だから決勝以外の対戦はありえないわ」
「へーそうなのか。また帝国と決勝戦か!」
「おいおい。気が早すぎるぜ」
「でも今から意気込んでおかなくちゃ、全国大会では戦えないよ」
土門飛鳥のもっともな意見でも、それぐらいで円堂の心が揺らぐわけがないので瑞貴が言葉を付け足す。
「夏未さんも瑞貴ちゃんも、なんでそんなに詳しいの?」
「大会規約には、隅から隅まで目を通したわ。ルールを知らずに慌てるのはもうこりごりだもの」
「私も同じ。それにもしかしたら他に役に立つことがあるかもしれないし」
秋の質問に夏未は不敵に笑い、瑞貴は苦笑する。
雷門中サッカー部には監督不在の件で大慌てになっていた。前監督であり顧問の冬海卓が帝国学園――影山零治のスパイであり、バスに細工して事故に遭わせようとしていたことにより追放した。しかし大会規約には監督不在のチームは出場することを許されていなかった。
「へぇ~」
「さっすが夏未先輩に瑞貴先輩! 頼もしいです!」
秋と音無春奈が感心して言葉を漏らす。
「事務関係は得意分野よ。これからは音無さんが情報担当、木野さんがフィジカル面担当ということで、よろしくって?」
「「はい……」」
二人の返事に夏未は微笑み、餃子をひと口食べる。
「あら、おいしい」
雷雷軒の味は、どうやらお嬢様の夏未にも好評のようだ。
☆☆☆☆☆
一方、鬼道邸では鬼道が義父に決勝の報告をしていた。
「敗北の報告なんて、聞きたくなかったでしょうね……」
義父はコーヒーを飲んでいた手を止め、強い眼差しで鬼道を見る。
「だけど、敗北にも意味がある。いや、むしろ敗北にこそ……それを僕は学びました」
「!」
鬼道の言葉に義父は驚いたが、次いで微笑んでカップを置く。
「謝らなければいけないな」
「えっ……?」
突然の言葉に鬼道は驚いて顔を上げると義父はとても優しい顔をしていた。
「私は、お前のことを影山さんに任せきっていた」
「義父(トウ)さん……」
「期待だけ背負わせて、私自身は何もしてやらなかった。それなのに、愛情を注いでいるつもりになっていた。父親として恥ずかしい……」
恥じるようにうつむく義父を鬼道は何も言わずに黙って聞いている。
「お前は私の期待以上のものを自らの手で学び取ったようだ。それは……三年連続優勝よりも価値がある。約束通り――」
「春奈を引き取る件なら、もういいんです」
「えっ?」
あれほど妹と一緒に暮らしたがっていた鬼道の言葉に義父は驚く。
「僕も、妹を引き取るのが兄としての愛情のつもりだった。恥ずかしい思い込みです……。義父(トウ)さんに似たのかな」
「ああ……そうか」
義父は嬉しそうに笑って再びコーヒーを飲んだ。
☆☆☆☆☆
「すみませーん。替え玉替え二個お願いしまーす」
「こっちはウーロン茶三つー」
「はいはーい。少々お待ちをー」
宍戸佐吉と半田の注文を聞いた瑞貴は急いで作り出す。さすが育ち盛りの中学生男子。食べる量がハンパない。
「監督。俺餃子もう一皿」
「私も追加をお願いするわ」
土門と夏未は餃子を追加しようとするが――。
「悪いな。あと一人前しか残ってない」
「それじゃ、夏未ちゃんどーぞ」
「ん? ……夏未、ちゃん?」
「イッ!?」
夏未の厳しい眼差しに土門は冷や汗をタジタジになり、瑞貴と響木以外の部員は固まった。
「あっ、いや、その、瑞貴ちゃんも呼んでるから、つい……」
「悪くないわね。瑞貴以外から呼ばれるのも」
「「「「「アハハハッ!」」」」」
「なんだよ……」
笑顔で言う夏未に笑い声が上がり、土門は脱力する。
「へーそうなのか。また帝国と決勝戦か!」
「おいおい。気が早すぎるぜ」
「でも今から意気込んでおかなくちゃ、全国大会では戦えないよ」
土門飛鳥のもっともな意見でも、それぐらいで円堂の心が揺らぐわけがないので瑞貴が言葉を付け足す。
「夏未さんも瑞貴ちゃんも、なんでそんなに詳しいの?」
「大会規約には、隅から隅まで目を通したわ。ルールを知らずに慌てるのはもうこりごりだもの」
「私も同じ。それにもしかしたら他に役に立つことがあるかもしれないし」
秋の質問に夏未は不敵に笑い、瑞貴は苦笑する。
雷門中サッカー部には監督不在の件で大慌てになっていた。前監督であり顧問の冬海卓が帝国学園――影山零治のスパイであり、バスに細工して事故に遭わせようとしていたことにより追放した。しかし大会規約には監督不在のチームは出場することを許されていなかった。
「へぇ~」
「さっすが夏未先輩に瑞貴先輩! 頼もしいです!」
秋と音無春奈が感心して言葉を漏らす。
「事務関係は得意分野よ。これからは音無さんが情報担当、木野さんがフィジカル面担当ということで、よろしくって?」
「「はい……」」
二人の返事に夏未は微笑み、餃子をひと口食べる。
「あら、おいしい」
雷雷軒の味は、どうやらお嬢様の夏未にも好評のようだ。
☆☆☆☆☆
一方、鬼道邸では鬼道が義父に決勝の報告をしていた。
「敗北の報告なんて、聞きたくなかったでしょうね……」
義父はコーヒーを飲んでいた手を止め、強い眼差しで鬼道を見る。
「だけど、敗北にも意味がある。いや、むしろ敗北にこそ……それを僕は学びました」
「!」
鬼道の言葉に義父は驚いたが、次いで微笑んでカップを置く。
「謝らなければいけないな」
「えっ……?」
突然の言葉に鬼道は驚いて顔を上げると義父はとても優しい顔をしていた。
「私は、お前のことを影山さんに任せきっていた」
「義父(トウ)さん……」
「期待だけ背負わせて、私自身は何もしてやらなかった。それなのに、愛情を注いでいるつもりになっていた。父親として恥ずかしい……」
恥じるようにうつむく義父を鬼道は何も言わずに黙って聞いている。
「お前は私の期待以上のものを自らの手で学び取ったようだ。それは……三年連続優勝よりも価値がある。約束通り――」
「春奈を引き取る件なら、もういいんです」
「えっ?」
あれほど妹と一緒に暮らしたがっていた鬼道の言葉に義父は驚く。
「僕も、妹を引き取るのが兄としての愛情のつもりだった。恥ずかしい思い込みです……。義父(トウ)さんに似たのかな」
「ああ……そうか」
義父は嬉しそうに笑って再びコーヒーを飲んだ。
☆☆☆☆☆
「すみませーん。替え玉替え二個お願いしまーす」
「こっちはウーロン茶三つー」
「はいはーい。少々お待ちをー」
宍戸佐吉と半田の注文を聞いた瑞貴は急いで作り出す。さすが育ち盛りの中学生男子。食べる量がハンパない。
「監督。俺餃子もう一皿」
「私も追加をお願いするわ」
土門と夏未は餃子を追加しようとするが――。
「悪いな。あと一人前しか残ってない」
「それじゃ、夏未ちゃんどーぞ」
「ん? ……夏未、ちゃん?」
「イッ!?」
夏未の厳しい眼差しに土門は冷や汗をタジタジになり、瑞貴と響木以外の部員は固まった。
「あっ、いや、その、瑞貴ちゃんも呼んでるから、つい……」
「悪くないわね。瑞貴以外から呼ばれるのも」
「「「「「アハハハッ!」」」」」
「なんだよ……」
笑顔で言う夏未に笑い声が上がり、土門は脱力する。