伝説のイレブン!
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フットボールフロンティア地区大会決勝戦――雷門中は見事帝国学園に勝利し、全国大会へと駒を進めた。
雷門中サッカー部の副キャプテン・井上瑞貴は同じくサッカー部のキャプテン・円堂守と一緒に、帝国学園サッカー部キャプテン・鬼道有人と三人で表彰式を終えた帝国学園のグラウンドで話していた。
「足、大丈夫か?」
円堂が心配そうに訊くと、鬼道は両腕を組みながらも足を軽く動かす。
「大したことはない」
「そうか。よかった」
「ですが、サッカー選手は足が命なんです。しっかり治療をしてくださいね」
微笑む円堂と瑞貴に鬼道はフッと笑う。
「次は全国大会だな」
「ああ! お前たちの分までがんばるぜ!」
元気よく言う円堂の言葉に、鬼道と瑞貴はキョトンとした顔をする。
「「まさか……知らないの/か?」」
瑞貴と鬼道が不思議そうな顔をすると、円堂は目をパチクリさせる。
「帝国学園も全国大会に出場するんだよ」
「前年度優勝チームには、自動的に出場枠が与えられるからな」
「ええっ!?」
どうやら本当に知らなかったらしく円堂は驚いた顔をして二人を交互に見つめる。監督の件といい大会規約をほとんど知らない円堂に、鬼道と瑞貴は軽く溜息をついた。
「無敗であることが帝国の――そして俺の使命だった。だが……俺たちには新たな目標ができた」
「目標?」
「雷門中への雪辱は、全国大会で果たす!」
鬼道のゴーグル越しからもわかる決意溢れた目と言葉に円堂は微笑むが、瑞貴だけは内心穏やかではなかった。
瑞貴はイナズマイレブンの原作を全て知っているから、この全国大会でどうなるかわかる。もし言ってしまったら原作が変わってしまう可能性がある。――自分だけが未来を知っている、それが瑞貴には辛いことだった。
「どうした、瑞貴」
円堂の言葉に瑞貴はハッと我に返り、慌てて首を振る。
「なんでもないよ。それより、もう一度帝国学園と戦えるんですね」
「お前たちと戦えるのを楽しみにしている」
「ああ!」
三人は微笑み合って頷き、円堂と鬼道は握手を交わし、瑞貴は二人の手に自分の手を重ねた。
☆☆☆☆☆
それから翌日――稲妻町の入り口に、『フットボールフロンティア地区大会・雷門中イレブン優勝!』という垂れ幕が掛かっていた。
それを見る一人の男……歳は五十半ばぐらいだろう。風が吹くと同時に足に何かが当たっているのを感じ、視線を落とすと新聞紙が足に引っ掛かっていた。
ハラリと落ちると、一面の写真に雷門中サッカー部と監督・響木正剛たち全員が喜びを写しだしていた。男は長い前髪越しにそれを見ていた。
――場所は変わって雷雷軒。入り口には『本日貸切』という紙が貼られていた。何故ならば……。
「「やったぞ――っ!!」」
「「「「「やったぞ――っ!!」」」」」
雷門中サッカー部が優勝のお祝いをしていたからだ。先ほどから選手は勝利の喜びを称えあっている。
「もう何度目よ……」
「いいじゃないか。何度だって!」
「うんうん!」
木野秋が苦笑しながら言うと、円堂と瑞貴は厨房越しに言った。
各自が食事をとっているが、瑞貴と円堂は厨房で響木の手伝いをしている。
「俺たちは、優勝したぞ――っ!!」
「「「「「優勝したぞ――っ!!」」」」」
地区大会で優勝したトロフィーを目の前に見ると、本当に自分たちはここまで来たのだと実感できる。
「嬉しいのはわかったけど、追加はいらない?」
「あっ、そうだった。監督! 俺チャーシュー麺追加!」
「僕、五目チャーハン」
「オウッ! いっぱい食べてけよ! 瑞貴、お前はラーメンを頼むな」
「了解です! 遠慮せずに注文してね。全部シンのおごりなんだから」
もともと瑞貴は料理をするのが得意なので、和洋中やお菓子など関係なくいろいろ作れる。故に今回も調理係としているのだ。
瑞貴は半田真一が頼んだチャーシュー麺を担当し、響木は目金欠流が頼んだ五目チャーハンを作る。配膳をする円堂以外のサッカー部は食事をしている。
ちなみに今回の費用は全て神崎シンからだ。地区大会優勝のお祝いだそうだ。
「しかし、帝国学園も全国大会に出られるとはな」
「大舞台でもう一度戦えるなんて、今からワクワクするぜ! ほい、餃子お待ち!」
風丸一郎太の言葉に、円堂は早く戦いたいという気持ちで雷門夏未に餃子を渡す。
「それは、決勝まで勝ち進むという宣言と受け取ってよろしいかしら?」
「えっ?」
「前年度優勝校と同地区の出場校はトーナメントの組み合わせが別ブロックになるんだよ。はい、竜吾。味噌ラーメンお待たせ」
「おっ、サンキュ」
瑞貴はそう言って染岡竜吾にラーメンを渡し、夏未と顔を見合わせて微笑む。
雷門中サッカー部の副キャプテン・井上瑞貴は同じくサッカー部のキャプテン・円堂守と一緒に、帝国学園サッカー部キャプテン・鬼道有人と三人で表彰式を終えた帝国学園のグラウンドで話していた。
「足、大丈夫か?」
円堂が心配そうに訊くと、鬼道は両腕を組みながらも足を軽く動かす。
「大したことはない」
「そうか。よかった」
「ですが、サッカー選手は足が命なんです。しっかり治療をしてくださいね」
微笑む円堂と瑞貴に鬼道はフッと笑う。
「次は全国大会だな」
「ああ! お前たちの分までがんばるぜ!」
元気よく言う円堂の言葉に、鬼道と瑞貴はキョトンとした顔をする。
「「まさか……知らないの/か?」」
瑞貴と鬼道が不思議そうな顔をすると、円堂は目をパチクリさせる。
「帝国学園も全国大会に出場するんだよ」
「前年度優勝チームには、自動的に出場枠が与えられるからな」
「ええっ!?」
どうやら本当に知らなかったらしく円堂は驚いた顔をして二人を交互に見つめる。監督の件といい大会規約をほとんど知らない円堂に、鬼道と瑞貴は軽く溜息をついた。
「無敗であることが帝国の――そして俺の使命だった。だが……俺たちには新たな目標ができた」
「目標?」
「雷門中への雪辱は、全国大会で果たす!」
鬼道のゴーグル越しからもわかる決意溢れた目と言葉に円堂は微笑むが、瑞貴だけは内心穏やかではなかった。
瑞貴はイナズマイレブンの原作を全て知っているから、この全国大会でどうなるかわかる。もし言ってしまったら原作が変わってしまう可能性がある。――自分だけが未来を知っている、それが瑞貴には辛いことだった。
「どうした、瑞貴」
円堂の言葉に瑞貴はハッと我に返り、慌てて首を振る。
「なんでもないよ。それより、もう一度帝国学園と戦えるんですね」
「お前たちと戦えるのを楽しみにしている」
「ああ!」
三人は微笑み合って頷き、円堂と鬼道は握手を交わし、瑞貴は二人の手に自分の手を重ねた。
☆☆☆☆☆
それから翌日――稲妻町の入り口に、『フットボールフロンティア地区大会・雷門中イレブン優勝!』という垂れ幕が掛かっていた。
それを見る一人の男……歳は五十半ばぐらいだろう。風が吹くと同時に足に何かが当たっているのを感じ、視線を落とすと新聞紙が足に引っ掛かっていた。
ハラリと落ちると、一面の写真に雷門中サッカー部と監督・響木正剛たち全員が喜びを写しだしていた。男は長い前髪越しにそれを見ていた。
――場所は変わって雷雷軒。入り口には『本日貸切』という紙が貼られていた。何故ならば……。
「「やったぞ――っ!!」」
「「「「「やったぞ――っ!!」」」」」
雷門中サッカー部が優勝のお祝いをしていたからだ。先ほどから選手は勝利の喜びを称えあっている。
「もう何度目よ……」
「いいじゃないか。何度だって!」
「うんうん!」
木野秋が苦笑しながら言うと、円堂と瑞貴は厨房越しに言った。
各自が食事をとっているが、瑞貴と円堂は厨房で響木の手伝いをしている。
「俺たちは、優勝したぞ――っ!!」
「「「「「優勝したぞ――っ!!」」」」」
地区大会で優勝したトロフィーを目の前に見ると、本当に自分たちはここまで来たのだと実感できる。
「嬉しいのはわかったけど、追加はいらない?」
「あっ、そうだった。監督! 俺チャーシュー麺追加!」
「僕、五目チャーハン」
「オウッ! いっぱい食べてけよ! 瑞貴、お前はラーメンを頼むな」
「了解です! 遠慮せずに注文してね。全部シンのおごりなんだから」
もともと瑞貴は料理をするのが得意なので、和洋中やお菓子など関係なくいろいろ作れる。故に今回も調理係としているのだ。
瑞貴は半田真一が頼んだチャーシュー麺を担当し、響木は目金欠流が頼んだ五目チャーハンを作る。配膳をする円堂以外のサッカー部は食事をしている。
ちなみに今回の費用は全て神崎シンからだ。地区大会優勝のお祝いだそうだ。
「しかし、帝国学園も全国大会に出られるとはな」
「大舞台でもう一度戦えるなんて、今からワクワクするぜ! ほい、餃子お待ち!」
風丸一郎太の言葉に、円堂は早く戦いたいという気持ちで雷門夏未に餃子を渡す。
「それは、決勝まで勝ち進むという宣言と受け取ってよろしいかしら?」
「えっ?」
「前年度優勝校と同地区の出場校はトーナメントの組み合わせが別ブロックになるんだよ。はい、竜吾。味噌ラーメンお待たせ」
「おっ、サンキュ」
瑞貴はそう言って染岡竜吾にラーメンを渡し、夏未と顔を見合わせて微笑む。